日本人は「オッペンハイマー」をどう観るのか? | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


アカデミー賞13部門にノミネートされ、作品賞、監督賞他7部門を独占した「オッペンハイマー」。
主演男優賞にキリアン・マーフィー、助演男優賞はロバート・ダウニーJr.。
原爆の唯一の被害者である日本人は、この映画をどう観たのだろうか?


アメリカの原子爆弾開発に成功した男、ロバート・オッペンハイマーが主人公。
話題にもなっているので、既に観た方、これから観る方も多いでしょう。
原爆を開発したことによって、「原爆の父」と呼ばれて注目された主人公が、苦悩し、次第に追い込まれていく。


日本人には、実際ぬるいと思われたようだ。
オッペンハイマーの苦悩が軸なので、原爆投下の描写もリアルではないので、当然だろう。
日本人自体も全く描かれることはない。


だが、一人の人物を追い掛けた時に、これ程ドラマティックな背景はそうはない。
才能あるが故に、自分の開発した爆弾で大勢の人間が犠牲になった。
自分は正しかったのだろうか?


果たして、原爆を落とした者が悪いのか?
それとも原爆を作った者が悪いのか?
永遠に答えの出ない問いをノーランは、問い続ける。


クレジットされていないキャストも含め、出演者が豪華だ。
クリストファー・ノーランだからこそ集められた、ノーラン組の錚々たる顔ぶれ。
その分、登場人物のあまりの多さに戸惑う方もいるかもしれない。。


アメリカが原爆投下から約80年を経て、原爆と向き合ったのは事実。
残念ながら、映画が原爆や戦争の抑止力になることはない。
そこが問題だ。