
「デューン 砂の惑星PART2」
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、決して期待を裏切らない。
しかも多くのリスクを抱える作品を、我々が想像する以上のクオリティーで応えてくれる。
現在、アメリカの、そしてSF映画の最高峰の監督と言っていい。

長さを全く感じさせないとはよく言ったものだが、 2時間46分の長尺を全く飽きさせず、釘付けにした。
正直、前作を全く覚えていなかった自分。
それでも映画を見始めたら、その世界にどっぷり。

アトレイデス家とハルコンネン家の戦いが軸になってるのが良い。
そこがぶれない分、様々なキャラクターが登場しても混乱しないのだ。
アトレイデス家の生き残り、ティモシー・シャラメの成長と戦いを描いた壮大な物語だ。

「アラビアのロレンス」を思い出させるような広大な砂漠。
その映像と、攻防を巡る強烈な音に圧倒される。
ドゥニ監督は、デヴィッド・リーン同様、静寂の演出もまた上手いのだ。
息を呑む我々。
この没入感が堪らない。
デヴィッド・リンチが過去に「砂の惑星」で失敗したように、このスケールの大きな作品を成功へと導ける監督は、世界にもそうはいないだろう。
毎回ドゥニ監督への思いを語るのだが。
やはり今回も。
ドゥニ監督の本格サスペンスや人間ドラマがもう一度観たい。
極少人数のキャストによる作品で、たっぷりドゥニ映画を味わいたいのは自分だけだろうか?
贅沢な思いだが期待は止められない。