老夫婦、個と個 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


ギャスパー・ノエ。
結構苦手な監督。
2018年の「クライマックス」を観て、もうこの監督の作品は観ないと心に誓った。


なのに、観てしまった。
理由は、自分の好きな映画監督ダリオ・アルジェントが主演だからでしょう。
まさかのキャスティングに驚いた。


ギャスパー・ノエがアルジェントを尊敬していて、オファーしたそう。
そこがとても気になったんだね。
ギャスパー・ノエがアルジェントの影響を受けてるのかと。 


アルジェントは「サスペリア」や「サスペリアPART2」、「シャドー」、「フェノミナ」等、ホラー映画やサスペンス映画を撮り続けて来たイタリアの映画監督。
現在83歳で、初主演。
今後出演することはないでしょう。


認知症の妻と心臓病の夫。
老いた二人の最期をカメラが追う。
スプリットスクリーン(分割画面)で、二人を同時に捉える。


スプリットスクリーンは嫌いじゃないけど、延々と2画面。
ギャスパー・ノエらしいと言えばらしいが、観辛いのは事実。
一度に二作品観たかのような、疲れが残った。


但し、いつものバイオレンスや音の洪水はなく、居心地悪いなりに作品としては悪くなかった。
自分も老いに向かう一方。
他人事じゃない。


老眼は進み、テレビも眼鏡をかけ始め、映画もそろそろかなと思う今日この頃。
キックボクシングを教えるなんて、あと何年やれるものなのか?
足上がらなくなったら、どうしよう。


誰もがいつかは向き合うことになる現実。
親の後は我々。
悲しいことだけれど、せめて今を精一杯!