市子とは一体…!? | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


アキ・カウリスマキの復活に興奮醒めやらぬ中。
杉咲花さん主演の「市子」。
とてもとても重たい内容である。


過酷な過去を生きた女性を巡る物語。
「羅生門」のように、関わった人々が彼女について語り、真実が見えていく。
サスペンスでもあり、人間ドラマでもあり。


彼女は何故行方をくらましたのか?
過去に何があったのか?
今どうしているのか?


アニエス・ヴァルダの「冬の旅」なんかもあったっけ。
複数の人間が亡くなった女性を語って、彼女の最期の時間の謎を解いていくフランス映画。
結局は彼女のことなんて、みんなよく分かってないのだ。


劇団チーズtheaterの「 川辺市子のために」の映画化。
最近は舞台も全く行かなくなったので、劇団のことも作品のことも 知らなかった。
監督も、劇団代表の戸田彬弘さん。


演じる上で相当覚悟したであろう、杉咲花さんの凄まじい演技。
それに引っ張られて物語がぐいぐい動いていく。
特に刑事役の宇野祥平さんが、今回もいい。


人と人の繋がりが希薄な時代。
今後ますます希薄は加速していくだろう。
家族のこと、愛する人のこと、あなたはどのくらい知っていますか?