愛とは決して後悔しないこと | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


「愛とは決して後悔しないこと」と語ったのは、映画「ある愛の詩」の主人公だった。
1970年公開のこの映画で主人公を演じたライアン・オニールも、つい先日亡くなったっけ。
正統派の二枚目で、白血病で亡くなる妻を看取る姿が涙を誘った。


幼い頃は、映画での人が亡くなるシーンはただただ悲しかったけれど、人生を重ねてくると味わいが違ってくる。
いや、もちろん今も悲しいには違いないのだが、彼らのそれまでの道のりを思ったり、自分と照らし合わせたり、奥行きが出る。
「マエストロ~その音楽と愛と」


偉大な音楽家レナード・バーンスタインと、妻フェリシアの愛の物語。
レナード・バーンスタインは、「ウエスト・サイド物語」や「波止場」の音楽で有名なクラシック音楽界の巨匠。
病に冒されていくフェリシアとの思い出と、波乱の人生が語られていく。


レナード・バーンスタインを演じるのは、ブラッドリー・クーパー。
「アリー~スター誕生」に続く、自身監督の2作目だ。
フェリシアにキャリー・マリガン。


製作にはスティーヴン・スピルバーグとマーティン・スコセッシが並び、強力な布陣だ。
特殊メイクには日本人のカズ・ヒロ。
Netflix映画で、現在劇場限定公開中である。


ブラッドリー・クーパーは ロマンティストであり、デビュー作に続いて普遍的な物語を綴る。
決してお涙頂戴ではなく、レナード・バーンスタインという天才作曲家の人生に肉迫する。
そこには常にフェリシアがいた。


同性愛者で奔放なバーンスタインを支えたフェリシア。
振り回されながらも、お互いがお互いを必要とし、衝突を繰り返しながらも愛は変わらなかった。
愛とはやはり、決して後悔しないこと。