ハリウッド黄金期に狂う!! | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


デイミアン・チャゼルは大好きな映画監督である。
特に音楽映画では才能がほとばしる。
「ラ・ラ・ランド」も「セッション」もそう。


皆さんは新作「バビロン」をどう観ただろうか?
これまでの作品と比較すると、決して評価は高くない。
自分も、そのつもりで観たのである。


1920年代のハリウッド映画黄金期。
サイレント映画の時代だ。
日々繰り返されていたであろうパーティーの狂騒から始まる。


デイミアン監督も語るように、フェデリコ・フェリーニの影響が大きい。
パーティーに明け暮れる華やかで虚しい日常を描いた「甘い生活」を思い出した。
あれよりもずっと狂っていて、グロテスクで何でもありだ。


登場人物は主に3人。
大スターだが、トーキーになると滑落していく俳優にブラッド・ピット。
無名から一躍ブレイクし、上り詰めていく女優にマーゴット・ロビー。
夢を追ってハリウッドにやって来た青年に、ディエゴ・カルバ。


3人の物語が錯綜し、スピーディーに流れていくのだが、何せ登場人物も多いし、拘るシーンには相当時間を掛けてる。
色々詰め込みまくりの3時間9分。
このシーンいる?というシーンも多々あった。


自分も映画を夢見た人間なので、3人の気持ちは痛ーい程分かった。
光を浴びたい、名声を手に入れたい、マネー、もちろん映画への愛情も。
だが、誰も幸せにはなれない。


「セッション」には及ばないが、俺は嫌いじゃなかったな。
コロナの影響なのか、映画監督達がこぞって映画や映画館についての映画を撮ってる。
サム・メンデスもスピルバーグも。
失われたあの時代に思いを馳せるのは、皆同じなのだ。
映画に夢がいっぱい溢れていた時代。
だが、落とし穴はたくさんあった。