純粋な暗殺者 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


皆さん、観ただろうか?
「わたしは金正男を殺してない」を。
ワイドショー等でも随分取り上げられたので、観たい!と思ってる方も多いだろう。
ならば是非、映画館に足を運んで頂きたい。


実行犯とされたインドネシアのシティ・アイシャと、ベトナムのドアン・ティ・フォン、若い女性二人に迫ったドキュメンタリーである。
と共に、事件を闇に葬った北朝鮮という国の恐ろしさが伝わる、衝撃のサスペンス映画でもある。


今まで知らなかった事実が、この104分には詰め込まれており、驚きの連続だ。
当時映画みたいな暗殺だと思ったあの日。
マレーシアのクアラルンプール国際空港ロビーという場所、若い女性二人に神経剤VXを顔に塗られるという手口、日本のドッキリ動画だと言われ騙されてしまった二人、監視カメラの生々しい映像、その我々が知った事実の裏側はスパイ映画以上と言っていい、怖さと驚きに満ちている。


シティ・アイシャとドアン・ティ・フォンが、獄中で仲良くなったことも知られていない。
女優を夢見たドアンと、貧しい生い立ちから抜け出せず風俗で働いていたシティ。
二人はドッキリ動画を成功させて、有名になりお金持ちになりたかったのである。
やっと巡ってきたチャンスを信じたのだ。


二人の想いを思うと、悲しい。
彼らは利用され、捨てられたのだ。
ドッキリ動画で有名になれると言われたら、自分も騙されていたかもしれない。
自分の利益のために手段を選ばない卑劣な奴ら。
許せないが、彼らはのうのうと今も暮らしている。