父は父、わたしはわたし | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


フランシス・フォード・コッポラ監督はスティーヴン・スピルバーグやジョージ・ルーカスと並んで、1970年代以降のアメリカ映画界を支えた、偉大な映画監督である。
代表作と言えばもちろん「ゴッドファーザー」の三部作があり、熱狂的なファンを生んだ。


カンヌを制した「地獄の黙示録」では撮影に困難を極め、多額の借金を抱えた。
他にサスペンス映画「カンバセーション~盗聴」や青春映画「アウトサイダー」等、一時代を築いた巨匠である。
娘のソフィア・コッポラが影響を受けないはずはない。


ソフィアの新作「オン・ザ・ロック」でも、娘は父親に翻弄される。
振り回され、うんざりしながらも絆は強く、やがて自分の道を見つける。
レールを敷かれたデビューから、次第に独自の映画世界を歩いたソフィア自身と重なる。


「SOMEWHERE」では自身と父親の関係を投影し、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を得た。 
「ロスト・イン・トランスレーション」もまたアカデミー賞にノミネートされ、ソフィアの代表作となった。


信頼する俳優ビル・マーレイとのコラボ。
ビル・マーレイだからこその、奔放だけど憎めない父親。
振り回されても、逃れたくても、それでも父は父。
我が道を闊歩するソフィアは、もう今はただの「コッポラの娘」ではない。