見慣れた500Eの純正リアブレーキ。
こちらは前期モデルのディーラー車ですので
278mmのベンチレーティッドローターに
対抗ピストン2POTキャリパーです。
大きくなる4POTキャリパーに合わせて拡大加工。
355mmローターはこんなにサイズが違います。
バックプレートの耳が最早
ローターに隠れます。
J-AUTOではブレーキフルードは
Mercedes-Benz指定のドイツAte(アーテ)社製のSUPER DOT4を使用します。
こちらは十分な性能を確認しているブレーキフルードですが、
より上をお望みの方には、同じくAteのSUPER BLUE RACINGという
ストリートユースも十分考慮された、RACINGブレーキフルードの御用意もございます。
ブレーキタッチはよりカッチリと決まり、耐久性も通常のフルード同様に使えます。
鍛造4POTキャリパーに355mmの2ピースローター。
精度も高さも素晴らしく、このリアブレーキキットは
コストパフォーマンス最高ですね。
ここの所、何故か立て続けに行っているリア ハブ ベアリング交換。
判断が付きにくいですが、実走チェックで
リアからのゴロゴロ音で一発で解ります。
減ってしまっています。要交換ですね。
ベアリングレースが焼きついてハブフランジにくっ付いて来ました!
ガリガリに痩せてしまっています。こうなったらもう交換しか有りません。
左リア側の方がダメージ出るのは早い様です。
今回はベアリングは勿論、左右純正新品、
ホイールハブフランジは左のみ交換です。
ちなみに・・・
下の写真はAMG560SEC-6.0WIDEの
ハブ裏側・ブレーキキャリパーや
ブレーキディスクのバックプレートの裏側面です。
ベアリング形式が500Eとは違い、ベアリングが磨耗進行
しだすと写真の様に、熱の影響で
サイドブレーキシューの入るディスクの中は
グリスまみれです。こちらもベアリング交換です。
しかし、幸運にも発見が早かったので、
ホイール ハブ フランジの交換は必要無かった。
定期的な点検の必要性を感じて頂けたでしょうか?
主にOIL漏れから交換時期を迎える部品。
AT内部の油圧を感知し、エンジン回転数を制御しています。
コネクタ取り外し後
と、ストレーナー(エンジンオイル吸い込み口)が、
古いタイプでしたので
後期の対策部品に交換しておきましょう。
吸い込み口も大きくなっています。
より低い位置からオイルを吸い込む様にする事で
コーナーリングやフル加速時など、Gが強く掛かった状態での
オイルポンプ空打ちを防いでいると思われます。
後はオイルパンを洗浄し、曲がり・歪みを確認。
ゴム製のオイルパンパッキンを交換し、
トルクレンチでオイルパンを組み付けて完成です。
今回は500Eの整備ステアリング回りの部品の交換事例です。
他社整備の車両では意外に交換履歴の少ない
ステアリングシャフトのユニバーサルジョイント。
左新・右旧。
当たり面が磨耗しています。
ゴムブーツも交換。
今回の車両は、どちらかでギアボックスの
オーバーホールをされていた様でOIL漏れも無く
それは良い事なのですが、恐らくその脱着の際に
差込スプラインが、30度程ズレて組み込まれていました。
ハンドルの左右切れ角が違ったのはココのせいですね。
勿論、正規位置に合わせて修正取り付け完了。
これでは向きが逆です。そのままだと
ボールジョイントブーツへの干渉や、
耐久性の面で劣化が早くなる事が考えられます。
当社では気にする部分ですが取り替えられている
クルマは少ない様です。
ステアリングシャフト ベアリング抜き取り後の図。
ちなみに交換前の状態は、走行中にステアリングから
動かす度に「コキンコキン」音が出ていました。
ベアリングと先のユニバーサルジョイントのガタですね。
スプライン合わせマークを必ず!合わせて取付!
ココが合っていないクルマも多いですが、
直進安定性に影響が出る、凄く重要なポイントです。
ココを合わせて試走し、直進時の
ステアリングセンターがズレていた場合は、
左右のタイロッド長さを調整し、合わせて下さい。
一部では、ATF(オートマチックフルード)が
長らく取換えていない場合は交換をしない方が良い
と言う都市伝説の様な話が有りますが、基本的に
それは間違った認識です。

OILは使用距離と時間の経過で確実に劣化します。
劣化したOILを使い続ける事は、磨耗した金属粉や
ディスクフェーシング(クラッチ板)が混ざったオイルを
AT内部に循環させ続ける事となり、ヤスリ掛けをして
磨耗を促進する様な物。
劣化したOILが良いという理由は何一つ見つかりません。
但し、ATの調子が悪く、
本格的に、いや末期的な不具合を抱える状態に陥ってしまった
ATに関してはこの限りでは無いのも事実です。
これはどういう事かと言えば、劣化したATFが発生させる
スラッジ(OILの炭化したカス)がATFオイルライン内部に
こびりついてしまっている場合に、新油がその汚れを
洗浄しながら循環する事で、ライン内の詰まり
を引き起こす場合が厄介な訳です。
しかしながら、本来は
ここまで酷くATFが劣化している状況で有れば、
既にオーバーホールの必要性が出ている筈で、
先の都市伝説は調子良く動いている車には
当てはまらない訳です。
W124などで使われる、機械式ATトランスミッションの場合は
2年もしくは走行距離で2.5万km毎でのATF交換が
お勧めです。
定期的なATFとフィルターの交換で
機械式AT本来の性能を良さを発揮させ、
気持ち良く愛車をお使い下さい。
ATF交換の際には、この内部も洗浄します。
真っ黒ですね。
本来ATFは赤いOILですが、走行距離が多い車は黒くなり、
走行距離は少ないが経年劣化が進んだ車の場合は
黄色く(あるいは黄緑がかって)変色します。
今回は初めて弊社工場で点検を受けさせて頂くクルマです。
希少なAMGのCL600-7.0。V12エンジン搭載車。
素晴らしいクルマです。
ルーカス製AMGキャリパー。珍しいですね。
一部では有りますが、AMG E60(W124)でも
LUCAS製のキャリパーは採用されていましたね。
(写真の物と型は違いますが)
往年のAMGゆかりのメーカーという所でしょう。
新品の部品。磨耗限度値30.4mmの刻印がありますので交換。
パッドも残量が少ないですが、おや?何かおかしい。
ボロボロです。
右が新品パッド。
粘性の高いパッドグリスを塗布し、組み付け。
標準のCL600品より一回り大きく、分厚い作り。
冷却用フィンも迫力があります。
ベンチレーションフィンだけでなく、放熱性も高そうな作りですね。
燃料のプレッシャーレギュレーターも交換。
また、エンジン停止後の燃料ライン内の残圧を確保する役割も有ります。
長らく取り替えられていなそうなACフィルター。
左新、右旧。