【雑談が好きなお客さま。このまま話してたら、買ってくれるかな・・・というわけでもありません】

思ったよりも、大丈夫です。

こんばんは、売り場コーディネーターの平山枝美です。

 

 

着付け、時間を見つけてはコツコツ自主練に取り組んでいます。

しかし、着た後そのまま脱ぐのももったいなくて、しばらく着たままうろうろしています。

 

暑くないか?とよく聞かれますが

意外と大丈夫です。

 

しかし、汗をだらだらかいています。

 

さてはて。

 

先日とある企業様の研修時間が少し余ったので

「接客で、なにか困ってること無いですか」

と質問したとこといくつか寄せられましたのでお答えしました。

 

そのうちの一つをご紹介。

 

その方はとても気さくで、打ち解けやすい販売員です。

お客さまとも雑談を交えながら、商品を勧めていきます。

 

しかし。

お客さまと会話が盛り上がった後、商品の話題に戻ることができなくなってしまうのが悩み。

確かに

「このタイミングで商品の話題に切り替わったら、売ろうとしているのかな」

と思われてしまうかも、と心配になりますよね。

 

この、雑談から商品の話題に戻れない場合のお客さまは2タイプいらっしゃいます。

一つは「服を買いにきた。だからお客さまも、実は服へ軌道修正するタイミングを探っているタイプ」

もう一つは

「雑談をしにきた。販売員と話をするのが楽しくてしかたないタイプ」

です。

 

今日は後者の

「雑談を目的」にしているお客様をどうするか、という話をしていきます。

 

この販売員の方とお客様の出会いは初めてではありません。

以前お客さまを接客したとき、一度に10点くらい買い物をしてくれたことがあります。

その時も2時間くらい会話をしましたが、お客さまは自分から

「じゃあ、それとそれとそれを・・・」

という感じで商品を選び、大きな紙袋を下げて帰っていきました。

 

その一週間後。

お客さまは、相談者の販売員に会いにきました。

なにか欲しいものがあるのかな、と思いきやまた1時間くらい店先で会話をし、何も買わずに帰っていきました。

それ以来、定期的に店にきては立ち話をして、何も買わずに帰っていきます。

10回に一回程度、Tシャツ一枚を買ってくれるので、どうしたらいいかわからない、とのことです。

 

みなさんも、このような経験があるのではないでしょうか。

私も、お客さまの話の腰を折ってしまうのは非常に気が引けて、いつまでも会話を切ることができなかった一人です。

 

私の先輩は、こういった方とコミュニケーションをとるのが非常に上手でした。

雑談をしているようでいて、会話の中に必ず商品のことを混ぜるのです。

 

例えば、私のように雑談で終わらせてしまう人は

「この間、教えていただいた映画、観に行ってきました」

と映画の話題で盛り上がってしまうのですが

 

この先輩は

「この間、映画観に行ってきましたよ。お客さまにお求めいただいたパンツ履いていっておそろいだな、とか考えてたんですよね。そういえば、パンツ履いてみました?」

というように、雑談と先日お求めいただいた商品を絡めて説明します。

 

常に会話を服の話題に絡めるようにしていたのです。

 

「最近暑いですよね。この間シャツを着たら汗でべったりになっちゃいまして」

「突然雨が降ってくるから困りますよね。びしょびしょになっちゃうから、毎日洗濯してますよ。この間もこの服、即洗濯機行きでした」

 

こんな感じでつねに「服」から話題をずらさないので、

お客さまも服についての世間話をしようとしますし、一見ただの雑談に聞こえても

その実はお客さまからの服のニーズを聞き出せているのです。

 

先輩はよく5分くらい話をした後

「あ、すみません。もりあがっちゃって。そういえばおすすめしたい服が入ってきたんですよ」

と、雑談からお客さまへのおすすめをちゃっかり頭の中で思い浮かべて勧めていました。

そして

「別に、あまり好きじゃなかったらはっきり言ってくださいね!私が買ってに勧めてるだけなんで!」

と言いながらそのお客さまはまた、買ったり買わなかったり。

ただし、服を選びに来ている、ただ話をしているだけじゃない、という気持ちがあるのでお客さまも服の話題になってもさほど気にしない、というわけです。

 

先輩いわく

「私達のしごとは、雑談することじゃなくて、お客さまのお買い物のお手伝いをすることだよ。それなのに、自分が会話したいからそのためだけに来ているだなんて、接客の妨害だと思う。だから、私は服の話題はちゃんと入れるし、それが嫌ならどうぞ他のお店で買ってくださいって思っているの」

 

その時は、ずいぶんと強気だな、と思いましたが

自分が服選びをお手伝いするためにいる、ということを意識すると

雑談をしている間に、商品を見ては去っていくお客さまに申し訳ない気持ちになりますし

まっとうな意見だと感じます。

 

と、こんなことをお話しましたが

「会話に商品のことを織り交ぜるなんて、難しくてすぐできない!」

と思いますので、私がやっていた姑息な技をご披露します。

 

それは

 

「あ!すみません喋り過ぎてしまって」

と、突然思いついたように言うことです。

それから「素敵な商品入荷してきたんで、お店ごらんになっていってください」

と一旦離席します。

 

それと

「へー、でどうしたんですか?」

と切り返すと話が長引くので

「そうなんですね。お話いただいて、ありがとうございました

「良いこと伺えました。ありがとうございました

というように、話す言葉を全部過去形にします。

 

あんまりわざとらしくすると、失礼な印象を与えてしまいますが

切り返さず、沈黙がたくさんできるように持っていくと自然と会話が落ち着いていきます。

 

接客の会話術と逆ですね。

 

と、こんなふうに気まずい時間をすこしずつ作るとお客さまも自然と店を離れていきます。

「たまに、買ってくれるんだよな」

と思っても、雑談の時間がほとんどで、その分他のお客様を接客できることを考えると

他のお客さまに大しての対応がなおざりになってしまうということにもなります。

 

つまり、雑談だけしにきているお客さまには

罪悪感なく、離れていってしまってもいいのです。

 

やさしい人ほど、なんだか申し訳ないと思いがちです。

しかし、私達は「コーディネートのカウンセラー」

その職務を果たすのが一番の目的なのです。

 

というわけで、そのスキルを磨いて自信をつけつつ、お客さまにもそのスキルを提供していきましょうね。

 

というわけで

今日もお疲れ様でした。

それではまた今度!

 

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