懐かしドラマ 「二人の世界」 | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

脚本・山田太一

 

脚本家の山田太一さんが 亡くなったのですね

太一さんの たくさんのドラマには 

若い頃から今も 長きに渡って 愉しませて頂いてます

 

どの作品も 

その時代に 添ったストーリーと

忘れられない台詞が多く 深く心に残っています

 

とっても 淋しい気持ちです

 

このドラマは 木下恵介アワーとして

1970年に放送された 26回連続ドラマでした

 

 

一流商社のやり手営業マン・宮島二郎(竹脇無我)と

 

山の手のお嬢さん・榊原麗子(栗原小巻)は

 

偶然、街で知り合ってから お互いに惹かれ合い

毎日のようにデートをし 

わずか5日目で 結婚を約束する

 

もっとお互いを知ってからと 説く両親(山内明と文野朋子)

 

「ウブな姉さんを騙すな!」と

喧嘩を売りに行く 麗子の弟・恒雄(あおい輝彦)

 

二人はそんな周囲を説得

出会って3か月で 結婚へとこぎ着ける

 

 

しかし、

幸せな新婚生活がスタートして間もなく

会社での 二郎の大きな仕事が上手く行かず

結果、二郎は総務部へ左遷

 

失敗の原因は 上司の決定の甘さに寄るものだったが

派閥争いの波をかぶって 

二郎が責任を取らされたのだ

 

当然ながら 二郎は仕事への情熱を失い

若い夫婦は悩み 遂に 

脱サラして スナックを開こうかということに・・

 

こういうところも

夫婦で悩み、喧嘩もし、

周囲の人達への相談と、細かく描かれていて

「スナック」が 突飛な印象を与えない

 

結論を出せぬまま 会社勤めを続けながら

ふらりと寄った 

屋台のラーメン屋のおじさん(加藤嘉)の台詞

 

「自分も会社を辞め この商売を始めたとき つくづく思った

 もう上役も下役も無い 遅れようが 休もうが 

 80円のものを60円で売ろうが 文句を言う奴はいない

 その時の 自由だ!という気持ちが忘れられない」

 

遂に、結論を出した二人

あとは資金の問題だ

 

二郎は田舎の実家に 借金を頼みに帰るが

酔いも手伝い 激昂して怒鳴る兄(菅貫太郎)

 

「おまえが東京でやって行けるのは

 俺が大学も何もかも諦め 百姓をやってるからだ

 大学に行き 一流会社に入り

 姑もいない家庭で 愉しく暮らし

 あげくに会社を辞めたい、商売をやるから金を貸せだと!

 甘ったれるな!」

 

返す言葉もなく 二郎は諦めて帰ることにするが

翌日になって 両親が貯金の200万を貸してくれる

 

そして 帰り路の途中で 二郎を待っていた兄

「俺はこんな田舎にいて 農協の役員をやったりして

 いっぱしの百姓になって 誰に恥じることもないのに

 なんとのう、片隅の暮らしをしてるような気がしてならん。 

 俺だけが時代遅れのくだらん生活をしている気がして、

 取り残されているような気がして、 

 夕べはそんなひがみで 怒鳴ってしまった

 今は自己嫌悪じゃ」

 

そう言って 50万出すと言ってくれたのだった

この菅貫太郎さんが とても良かったです

 

そして麗子の父は

「私も100万出そう

 私もこの年になって 何か別の人生は無かったかと

 ときどき思うようになった

 私も仲間に入れてくれないか

 君たちの夢に 100万円分だけ乗りたいんだ」

 

そうやって 

二郎の退職金50万+双方の親兄弟から350万

それを元手に貸店舗を見て回る

 

少ない資金の関係で 

賑やかな駅周辺エリアから どんどん離れて行くが

 

やがて 住宅街に近い場所に 恰好な物件を見つけ

 

遂に「スナック・トム」を開店させる

 

めでたく開店してからも 

たった何軒か先に 同業のスナックが出来たりと

当然ながら 

商売には商売なりの 苦労が次々 持ちあがるが

 

若い二人が 希望を持って進む姿が

清々しくて 羨ましい

 

「ねぇ、いらっしゃいませ!って言える?」

「言えるさ、簡単だよ、いらっしゃい!」

「それじゃ、ラーメン屋よ、こうよ、(にこやかに)いらっしゃいませ!」

「なんだい、それ、デパートじゃないんだぜ」

 

それから ふたりで

「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!」の練習

 

コーヒー ¥90

カレー、チャーハン ¥200 の頃のお話

 

ここに

麗子の弟・恒雄の 

バツイチの年上女性(水原英子)への 

やるせない片思いが 横糸となって描かれてます

 

あおい輝彦さんの歌う 

主題歌「二人の世界」も いい歌です

当時ヒットしました

 

 

30分で26回 半年間の連続ドラマですから

丁寧に ゆっくりと 各駅停車で進みます

 

 

 

おしまい