さらば夏の光よ (1976) 松竹 | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

山根成之監督

 

原作は 遠藤周作さんの同名小説 

脚本は ジェームス・三木さん

 

 

昔とっても仲の良かった 友人が

郷ひろみ君の 大ファンで 

何本か付き合わされた 映画の中の一本

 

私はその頃、洋画一辺倒で

「う~む、郷ひろみねぇ」と

渋々つき合いましたが 思いのほか良かった

 

その映画が

先日、配信されていたので 観ましたら

 

その後、フランスに行ってしまった友人のことなど

あれこれ思い出され 

なんとなくしんみりしてしまいました

 

ネタばれ、ご免です

 

     ピンク薔薇

 

現代っ子で調子よく

でもどこか憎めない 南条宏(郷ひろみ)と

 

内向的で真面目な 野呂文平(川口厚)は

 

性格も考え方も違うが なぜかウマが合い

ひとつ年下の宏は 

大学浪人の文平の下宿に居候していた

 

ある日、

アルバイトの応募に行った ファーストフード店で

 

店員の戸田京子(秋吉久美子)を 一目見たときから

二人とも 惹かれるものを感じるが

 

しかし雇われたのは 宏だけだった

 

行動的な宏は いっしょに働きながら

次第に京子の心を 捉えていったが

 

 

そんなある日、

宏は気まぐれで 京子とのデートをすっぽかし

文平が代わりに行った

 

生れてはじめて 女の子とデートした文平は

京子にすっかり夢中になってしまい

 

そんな文平の 情熱に打たれた宏は

彼に京子を譲ろうと 橋渡しを買って出る

 

宏を愛しはじめていた 京子は傷ついたが

 

宏に反撥するように 文平の愛を受け入れ 

ふたりは同棲生活に入った

 

ふたりを祝福する宏

 

しかし、そのときになってはじめて

自分も本心から 京子を愛しているのを知る

 

やがて 京子は妊娠し

働いていたファーストフード店を 辞めるため挨拶に行くが 

このとき 店長に暴力をふるわれ レイプされそうになる

 

泣きながら帰って来た 京子の話を聞き

激怒した宏と文平は 店長を呼び出し

 

争っていたはずみで 文平は 

店長に 重症を負わせてしまう

 

宏は 

京子が文平の子供を 身籠っていることや

未成年の自分の方が 軽い罪ですむと

文平を説得し 身代わりに自首したが

 

やがて

警察の調べですべてが発覚し 文平は逮捕され

持病の喘息が悪化し 獄中で死んだ

 

悲しみの葬儀の後、宏は 

結婚してふたりで 文平の子を育てようと告げるが

 

京子は 

自分が愛していたのは文平で

子供は郷里で産んで ひとりで育てると言った

 

 

 

郷里へ帰る 京子を見送った宏は 

文平が可愛がっていた十姉妹を 

小雪の舞う 冬空に放してやる

 

 

     ピンク薔薇

 

脚本のジェームス三木さんのトークから

 

 

「寛大なロッテリア」

郷ひろみと秋吉久美子が バイトをした店がロッテリア

 

 

後から思えば ロッテリアがよく許したと思う

店長がバイトの娘をレイプ未遂

バイトの連中も 不良っぽいのばかり・・

 

郷ひろみ所属の バーニングプロも よくOKしたなと思う

当時のトップアイドルを バカっぽく描いてるし

最後は秋吉久美子に振られる

 

しかし、上映時間89分の密度は凄い

今なら2時間半くらいになるだろう

 

これは

無駄のない 山根監督の演出力によるものだと思う

 

     ピンク薔薇

 

このあらすじに

ひろみ君扮する 宏の出生の事情なども絡み 

後半は少々重い雰囲気になるが

ラストは 若い清々しいものを残してくれる

 

 

おしまい