dumy
今回は、前回「教育勅語 現代語訳(2)私見」の続きになる部分です。
多少大人が読みやすいようセンテンス単位にまとめ、同じ意訳ですが、私見ながら第三回分(終段)をまとめた。
 

みちじつ この方法は実のところ
皇祖皇宗こうそこうそう遺訓いくんにして、 歴代天皇が残した子孫への教訓であり
子孫臣民の 子孫である国民が
子孫しそん臣民しんみん とも遵守じゅんしゅすべきところ、/td> ともに守るべきところ
これ古今ここんつうじてあやまらず、 これを昔から今まで通して間違えないで
これ中外ちゅうがいほどこしてもとらず、 これを内外にゆがめる事なく行きわたらせて
ちんなんじ臣民しんみん 私(明治天皇)はあなた達国民と
とも拳々服膺けんけんふくようして、 ともにしっかりと心に留めて
みなそのとく すべての人がその美徳を
いつにせんことを庶幾こいねがう。 一つになることを切に望みます

日本国内で出版されている辞書の中から、あらかじめ気になる単語を拾い出したので参考に添付した。
 
遺訓いくん 故人の残した教え。父祖から子孫への教訓
遵守じゅんしゅ 規則や法律などにしたがい,それをまもること。
古今ここん 昔と今。昔から今まで。
あやま 不適切な判断・選択・評価・行動をする。間違える。
中外ちゅうがい 中央と地方。内部と外部。国内と国外。内外。
もと 物事の筋道にあわない。道理にそむく。反する。
拳々服膺けんけんふくよう 心にしっかりと留めて決して忘れないこと。
みな みな。ことごとく。すべて。
庶幾こいねが 強く願い望む。切に望む。
 
前回述べた教育方針で、親子、兄弟、夫婦、友人の基本的な関係に加えて、法治主義、公益と国防の意識を明確に示唆した。
 
この最終段では、万世一系の天皇陛下とその子孫である国民が脈々と積み上げられてきた前段の教訓を守る。
 
これを古今東西を通して間違えず、道理に反することなく、みんなで一緒になって美徳を育む大切さを述べられている。
 
異なった視点や観点、特定の宗教観、またはイデオロギーのフィルタを通せば、様々な理屈付けや解釈も有ろうが、素直に読めば明治時代にこれほど筋の通った「教育勅語」が生まれ、終戦までは使われていた事に敬服した次第だ。
 
この「教育勅語」は、現代が抱える「いじめ」「クレーマー」「子育て放棄」「エゴイズム」「偏向報道」「言葉狩り」「少子化」などの諸問題も一気に解決してしまいそうだと思える。
 





 
お子様、お孫様に「教育勅語」を勧められる場合は、大変素晴らしいサイトを見つけましたので、ご紹介します。
 
はなごよみさんのサイト「教育勅語」
 

 
同サイト及びには戦後の否定的な論が掲載されていましたので、ご参考になさってください。ついでに赤字文で、私見を入れさせていただいた。
  1. 「我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ」の部分は神が国を作ったという神道的な考えなのではないか。(皇祖は天皇家の先祖という意味であり、神武天皇や天照大神を含むと一般にみなされている)
    世界で歴史の少ない国を除けば、建国に神話が登場するのは一般的なので、少なくとも2000年の歴史を有する日本だけ、神話由縁を全否定する必要が全く見当たらない。
     
  2. 「臣民」という言葉が出てくるが、天皇の臣民という考えを押しつけるものではないか。(確かに、大日本帝国憲法からすると、当時の日本国民は天皇の臣民であったが)
    天皇陛下の下に臣民が「上下関係」で存在した君主制と云うより、昭和天皇も支持された美濃部達吉らの「天皇機関説」にもある「国家の最高機関即ち主権者」と捉えれば、元々「共存関係」と見るべきだ。
     
  3. 「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」の部分は、戦争が起こったら兵隊に行って戦い、皇国の繁栄に尽くすべきだと教え込んでいるのではないか。
    戦時「徴兵」だけに拘った解釈がされがちだが、我が国は自然災害を含めて見るべきだろう。国民の義務としての非常体制や私有財産権一次凍結などの「公益性」全般を考えれば、国民意識を示すことと理解すべきだ。
     
  4. 教育勅語は「天皇崇拝の儀式」と結びつけて使われてきた過去があるので、問題ではないか。
    戦後、GHQの指示で教育勅語と同時に軍人勅諭が廃止されたため、軍国主義的な意見を耳にするが、天皇陛下の存在を否定する方々の「為にする議論」で、現に日本に皇室が存在する限り全く問題はない。
日本国では千年を超える天皇陛下と皇室の御存在は、世界では脅威的とも云えるが、特に離合集散を繰り返し、その度に国家元首が入れ替わってきた国々から見れば、特異な羨望を持っていても不思議無い。
 
ここにGHQでも出来なかった天皇陛下や皇室に対する、執拗な誹謗中傷が繰り返される所以になっているのだろう。