dumy
少し前に、「Yahoo!知恵袋」で、「樹徳深厚」を質問した方に、以下のような書き込み(回答)があり、驚いて憶えていた次第です。
 
…(前略)質問者様の学校では軍国主義教育が行われているのでしょうか?
お国のために死ぬのは勝手ですが、平和主義者である私たちを巻き込まないでくださいね。
<参照URL>
 
日本は自由主義の国なので、どんなご意見でも尊重したいが、「樹徳深厚」=「徳を樹つること深厚なり」だけで、即「軍国主義教育」という脈絡のなさに驚いた次第だ。
 
ところで、「平和主義者」じゃない日本人なんているのでしょうか?
問題は、平和を維持する方法論の違いでしょうが、良い方法があれば、お聞かせ願いたいものだ。
 
また前回に述べたが、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)民政局の指示で昭和23年(1948年)6月19日衆議院で「教育勅語等排除に関する決議」と共に「「軍人勅諭」の排除が決議されたため、内容も確認せずに一蓮托生で論じられることが、未だに一部に残っているようだ。
 
そんな訳で、改めて「教育勅語」の現代語訳に取り組んで見ることにした。「国民道徳協会訳文」は小さいお子さんにも理解しやすいようになっているためか、解りやすいのだが完全な意訳になっている。
 
多少大人が読みやすいようセンテンス単位にまとめ、同じ意訳ですが、私見ながら第一回分(冒頭)をまとめた。
 

 
ちんおもうに、 私(明治天皇)が考えていることは、
皇祖皇宗こうそこうそう 私たちの天照大神に始まる歴代天皇が
くにはじむること宏遠こうえんに、 広く、奥深く国を発展させ
とくつること深厚しんこうなり。 深い道徳を植え立てました。
臣民しんみん 天皇と共にある我が国民は
ちゅう いつわりのない誠実さと
こうに、 親や家族への孝行を大切にすることで
億兆おくちょうこころいつにして 万民の心を一つにして
世々よよせるは、 いにしえからその良さを成し遂げたことが
国体こくたい精華せいかにして、 私達の国柄そのもので、
教育きょういく淵源えんげん 教育の基本は
またじつここそんす。 確かにここにあります

 
日本国内で出版されている辞書の中から、あらかじめ気になる単語を拾い出したので参考に添付した。
 
ちん 秦の始皇帝から天子のみの自称。天皇の自称。
皇祖皇宗こうそこうそう 天照大神に始まるとされる、天皇歴代の祖先。
くにはじむる 初めて国を建てること。建国。
宏遠こうえん 物事の規模が大きく、広く、奥深いこと。
とくつる 道徳を植え立てる。
深厚しんこう 意味が奥深いこと。
臣民しんみん 君主国(特に旧憲法下の日本)の国民。
たくさん、屡々、すこぶる。
ちゅう 心の中にいつわりがない。まこと。まごころ。まめやか。
こう よく父母に仕える。父母を大切にする。
億兆おくちょう 限りなく大きな数。また、万民。
世々よよ 古(いにしえ)より。
内容がりっぱ。みごと。よい。
国体こくたい 国柄や国風を意味する。国家の状態。国の体面。国の体裁。
精華せいか そのものの本質をなす、最もすぐれている点。真髄。
淵源えんげん 物事の起こり基づくところ。根源。みなもと。
 
万世一系の天皇制を否定する方々を除けば、今のところ気になる文言は出て来ないと思われる。
 
仮に有ったとしても時代背景(明治)を考えれば妥当なのだろうが、特に「軍国主義を礼賛、関連」する文言は、ここまでは一切皆無だ。
 
むしろ短文の中に、日本的な教育理念が良く表れていて、大変参考になった。いずれかに極端に傾いていない学校の先生なら、容易にご理解いただけると存じます。