今回は、前回「教育勅語 現代語訳(1)私見」の続きになる部分です。
多少大人が読みやすいようセンテンス単位にまとめ、同じ意訳ですが、私見ながら第二回分(中段)をまとめた。
あなた達国民は | |
父母を大切にして仕え | |
兄弟は親しく交わって | |
夫婦は仲良く互いに調和して | |
友達同士は信頼しあい | |
おのれは慎み深く振る舞って | |
周りの人々に思いやりをかける | |
学問を身につけて | |
仕事を習い覚え | |
それにより知識と才能の目をひらいて | |
徳の高い行いと相応の能力を身につけて | |
率先して公共の利益を広げ | |
社会的役割の務めを始め | |
つねに憲法を重んじ | |
法律や法規に従い | |
いったん差し迫った事態があれば | |
正義を行う勇気を公に差し出して | |
それによって天地と同じように永遠に続いた | |
日本の国体(皇国)を助け守ってください | |
このように私(明治天皇)一人の | |
忠義で善良な国民であるだけでなく | |
また同じようにあなた達の祖先の | |
風習や習慣を明らかに表すことでしょう |
日本国内で出版されている辞書の中から、あらかじめ気になる単語を拾い出したので参考に添付した。
相手を、遠慮なく呼び合うこと。 | |
よく父母に仕える。父母を大切にする。 | |
親しく交わる。仲よくする。 | |
仲よくし合う。互いに調和する。 | |
人に対してはうやうやしく自分自身は慎み深く振る舞う。 | |
知識と才能。 | |
徳行と器量。才能と徳。 | |
公共の利益。 | |
世の中の務め。当世の事務。 | |
国の根本となる法規。憲法。 | |
国の法律・法規。国のおきて。 | |
差し迫った事態。危急の場合。 | |
正義と勇気。また、正義のために発する勇気。 | |
天地とともに永遠に極まりなく続くさま。 | |
皇室の運命。天皇の勢威。 | |
助け守ること。 | |
忠誠心があって善良なこと。 | |
後世に残っている昔の風習・習慣。 | |
(隠れているよいことを)明らかにあらわすこと。 |
この段でも、明治時代ながら中々蘊蓄のある教育方針で、親子、兄弟、夫婦、友人の基本的な関係が述べられている。しかるに後段の国との関係に進むと、左翼の方が必ず突っ込みを入れてくる部分がある。
一旦緩急あれば、義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし。いったん差し迫った事態があれば、正義を行う勇気を公に差し出して、それによって天地と同じように永遠に続いた日本の国体を助け守ってください。
これは日本の国防につながる部分で、冷静に考えて極めて重要な事項ではあるが、教育でその覚悟を示している点は、現在とあまりにも違いすぎる。
戦前は、徴兵制があったので仕方がないが、「義勇公に奉じ」は決して「徴兵」ことだけでなく、国民全体の国益と云う「公益性」を考えれば、こうした考え方は当然となるだろう。
また「緩急」=差し迫った事態とは他国からの防衛だけでなく、地震、津波、台風、水害などの災害への心構えも含まれている。
3.11東日本大震災の復旧作業で、多くの被災者は「公益」を考えて頑張っておられたようだが、一部「私的所有権」のクリアや「廃棄物」の処理に膨大な時間を要したとの話もあるようだ。
現在の日本でも、障害物の撤去や国防のための用地確保など、「進で公益を広め」と云う国民の覚悟も必要なのだろう。
自衛隊車両の道路使用、自衛隊レーダーの人体への影響など、まさしく「為にする反対運動」以外に考えようながい。同じマイクロ波を使っている、民間空港、航空管制、気象のレーダーサイト、放送中継用パラボラと何処が違うのか、教えていただきたい。
現代の「行き過ぎた個人主義」にも、賛否両論が湧き上がっているが、教育勅語では国民の義務としての「公益」の重要性をうたっている。
更に「皇運」を、ここでは「日本の国体(皇国)」と訳したが、天皇陛下を中心とした国の姿を考えれば不都合はないと考えた。