JA11型ジムニーのパワステギアボックスからOIL漏れあり。ディーラーに聞いたら「ギアボックスごと交換になります」とのこと。そんなアホなと思ってNetで調べてみると、OILシールを交換すればOKとの記事を発見。
さっそくOILシールを購入して整備開始。
★★ギアボックスは外さないで作業します★★
ステアリングギアボックスを下から見たところ。アームのシャフト部分からOILが漏れてます。
パワステのOILを抜きます。 片方のホースを外すだけで大丈夫だとは思いましたが、念のために両側外してみました。
古い灯油容器を再利用した廃油受け。エンジンOIL交換にも重宝しています。
今回使う専用工具その1 タイロッドエンドプーラー。上はKTC製。下はFacom製。この整備の成功のためには、工具の準備が大切です。
KTCは一般的は仕組みで、片側の加工が薄くて使いやすい。Facomは2タイプの支点が付いていて、咬ませるシャフト径の大小で使い分ができるアイデアモノ。フランス製。ジムニーのスペースにはKTCが使いやすい。
KTCのプーラーを咬ませたところ。フラットメガネでテンションをかけていく。左に見える黄色いロープは落下防止。
プーラーにテンションをかけたところで、上から何かを当てがってハンマーでゴツンと叩く。今回は金属バットを使用。
上からのインパクトで、タイロッドが抜けたところ。抜けると同時に、タイロッドエンドプーラーは下に落下するので、その際にロープが役に立つ。
タイロッドが抜けたら、いよいよ難関「ピットマンアーム」に挑みます。とりあえず、30mmのメガネレンチが必要。
一度も外したことのないピットマンアームの固定ナットは、とにかく固く締まってます。。。。今回は、さらに便利な工具を借りました。こんな長いラチェットレンチを使うのは初めて。ナットが外れたら、いよいよ「専用工具その2」の登場。
ピットマンアームプーラーをセットする。位置が決まったら、下のボルトを締めこんでテンションをキツクかける。もうこれで精一杯、と思ったところで、ハンマーをスタンバイ。
ハンマーを横から振るには下にあるスタビライザーが干渉する。これを前側だけ外す。
ピットマンアームプーラーはテンションをかけたら、両側からハンマーでゴンゴン叩く。このとき、2人いると作業が早い。
両側からハンマーで叩くには、右は普通のハンマーでOK。しかし左側はスペースの制約があって、ちょっとだけ工夫が必要。今回は、一人が右のハンマーで叩きながら、左側には写真の「頭の長い」ハンマーを当てておいて、もう一人が呼吸を合わせて左側からもう一個のハンマーで、同時に叩いた。 これだけしっかりと食いついている金属のアームを抜くには、プーラーで下向きのテンションを掛けつつ、両側から同時に叩くことにより、金属を「楕円」に変形させるベクトルが必要とのこと。 なるほど。金属の世界は奥深い。呼吸の合ったハンマーさばきの10発目くらいで、スコンと抜けた。
これが交換するOILシール。「パッキンランド」で検索して、この30・42・8のサイズのオイルシールを注文すると、送料も格安で送ってくれます。
オイルシールの交換完了。OIL漏れが止まりました。ハンドルの遊びも気になることはないし、メーカーが「ギアボックスASSY」で交換としていることはちょっと疑問。。。。なんでも交換して捨てるのがエコではないですね。「世の中にすでにあるものを使い続けること」、こういうエコも忘れてはいけないと思います。
今回お世話になったパッキンランド。名前もイイんですよ!パツキンランドですからね。
おまけ。 ジムニーのリアゲートの鉄板には特殊なタッピングビスが使われているんですけど、気がつくと抜け落ちてます。そこで同じビスを探してみたら、ホームセンターにありました。ステンレス製。こんなに入ってます