ぽんこつ日記 -6ページ目

R25

僕は34になったので、おそらく世間は、R25世代だとは認めてくれないだろう。


最近、何をするにつけても、物を買うためのプロセスをさせられているような気がして、ちょっとやだ。

資本主義経済の世の中は、消費をすることで成り立っている。

だから、成熟した資本主義経済は、消費をすることにも、させることにも、貪欲である。


僕は、R25世代ではない。

だから、あの表紙が、丸まってしまうのが許せない。

ボージョレー・ヌーヴォー

木曜日は、ボージョレー・ヌーヴォーの解禁日。


当日はちょいとばかし恵比寿の焼肉屋に用事があったために飲めなかったが、翌日、早く帰宅して

飲んだ。


あまり知られていないことだが、というか、どうでもいいことだが、僕は結構、ワインを飲む。

ワインを飲むときはニョーボも結構な量を飲むので、たいてい翌日が休みの、土曜日の夜なんかが多い。

ストックも実は何本かあり、死ぬまでに飲まなくてはいけないと言うのが結構なプレッシャーだったりする。


大学生の頃、僕はお酒を出す店でアルバイトをしていて、そこでの先輩が、当時、今の僕よりはだいぶ

年下だったはずだが、


「ボージョレーはね、毎年飲んでると、だんだん味がわかってくるよ。」


と言っていた。


なるほど。と思い、それから毎年飲んでいるから、なんだかんだともう、14回くらい飲んだわけだ。


今のところ残念ながら、僕は毎年の味の違いがわかる域には達していない。

ただ、一つだけいえることは、


「毎年うまい!」


と言うことだろうか。

だって、テレビでも毎年、「今年は最高の出来」と言ってる。

だから多分、毎年どんどんおいしくなっているから、わからないのだ。

一度どこかで、「まずいヌーボー」を作ってもらわないと、僕は一生、味の違いをわからないままで

いてしまう。


早くボージョレー・ヌーヴォーの味のわかる大人になりたい。

なので、来年はまずいのを一つ、お願いしたいものだ。

平日の休み

今月はシフトで仕事をしているので、今日は平日だけど休みだ。

と言っても、最近始めたドラクエ5を少しやったくらいで、基本的にはぐうたらしている。


なんだか、3日仕事して1日休み、その後は2日仕事して1日休み、みたいなのが続いて、いまいち

休日に向けるテンションが高まらない。

10年以上も、季節で多少のイレギュラーはあったにしろ、「5日勤めて2日休み」のサイクルが身体に

染み付いているんだと思う。


明日からまた、3日勤めたら、日曜日は休みだ。


どうも、なあ。。。

銀座力

今週は2回、銀座の並木通りにあるお店に立った。


意味合い的には「販売研修」だが、今月末まで実質10日しかお店には入らないので、販売そのものより、

どんなお客様がいるのか。お店のフローはどうなっているのか。販売員が改善点として考えているのは

どんなことか。販売員の立場で考えられる改善点はなにか。


その辺を、掴みたいと思っている。


僕は、販売員と言う職業に就いている人を、尊敬している。

とくにコンサルティングセールスとか、○○アドバイザーと言った肩書きで商売をしている人は、モノを売ると

いう行為が、すなわちそのまま、買い手の満足に直結すると言う意味で、お客様の気持ちを瞬時に

理解する能力とか、思いやりとか、そういう部分に秀でた人でないと、いい結果を出すことが出来ないのだ。

僕には出来ない。


特に僕が携わっているジュエリーの世界など、別に明日なくなったからって消費者は生活には困らないし、

その意味では同じファッションでも、服ともバッグとも、靴とも全然違う。

そういう商材にお金を支払うと言う行為は、

「寒いから」

「荷物を持ち歩きたいから」

「足を保護するから」

等に匹敵する必然性はなく、ただ、「もっていることで、満足できるから」だけが理由であって、

であればこそ、お金を払ってくれる人の満足度を最大化させないと、後のない商売なのだ。


そんなことを考えながら、ドアマンをやっている。

銀座の並木通りは、本当に歩いている人たちの層がよい。


午後、ランチを楽しんだ年配の女性グループ

夕方、デートの途中で立ち寄った若いカップル

夜、勤め帰りのOLや、恋人へのプレゼントを内緒で探すサラリーマン

たまに、銀座の女と、同伴出勤のおっさん。(これは、女のカッチョよさと男の冴えなさの対比が面白い)


銀座は銀座だと言うだけで、他のどの街にも追いつくことの出来ない包容力がある。

銀座で○○と言うだけで、その他の街で○○するのとは2ランクほど違わせてしまう、何かがある。


それは多分、「博多でラーメン」とか、「ロンドンの霧」とか、「北海道は寒い」とか、もっと言っちゃうと

「ハワイでイェーイ」とか、「ベルリンの赤い雨ーーー!」とかと、多分同じ種類のものなのだろうと、思う。


遅番

今日から、お店で販売をしてみる。11月末まで。

実質、休みもあるし、会議のたびに本社に戻るので、10日くらいだ。


今日は遅番なので、12時10分までにタイムカードを押せばよい。

退社は、20時10分。


のんびりだ。

ロゴ

さっき、散歩がてら近所のヨークマートへ買い物に行った。

看板のロゴが、鳥のマークから、セブン&アイ・ホールディングスのマークに変わっていた。


ヨークマート中町店 ← 真ん中の看板が、


セブン&アイホールディングス ← このロゴの左側に。


会社名に&の字が使えることも知らなかったけど、今後業態の垣根を越えて、セブンイレブンについても、看板の統一を図っていくらしい。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20051104AT2F0300Q03112005.html

。。。


少し、独りよがりじゃないだろうか。


持ち株会社化によって各業態の間接部門が統合され、効率よく運営が出来るようになると言うのは

納得だし、今後MDや情報システム、物流機能なども一元で開発していくと言うのはすばらしいことだと

思う。


が、である。


看板の統一をすることに、消費者側の視点はどの程度考慮されているのか。

なんだか、内輪で持ち株会社化についてのテンションが高まってしまい、とにかく統一、とにかく統合と

いう方向に、盛り上がってしまっているだけではないのか。


単純に考えて、私は持ち株会社であるセブン&アイホールディングスから、茶碗蒸しやうなぎの蒲焼を

買ったのではなく、ヨークマート中町店から買ったのである。


消費者にしてみれば持ち株会社なんてどうでもよくて、どこで何を買ったかが重要で、内部で

いろいろ考える人が思っているほど、持ち株会社設立などセンセーショナルな問題ではないのである。


企業ロゴとブランドロゴは、それぞれが別々に認知されているのであれば統一する必要などまったく

ないと思う。僕だけだろうか。

だって、単純に不便だし。ドライブ中にコンビニだと思って車を止める用意をしていたのに、近くにきたら

スーパーだった、とか、もし今後、この考え方がデニーズにまで及んだとしたら、ファミレスだと

思ってたのにコンビニだった、とか、煩わしくないか。


ヨーカドーもデニーズも、セブンイレブンも、それぞれが十分に、それぞれとして消費者に認識されて

いるのである。しかも、それぞれがセブン&アイホールディングスのグループに属していることを、

消費者に訴えかける必要が、果たしてどれほどあるのか。

トヨタの車に必ずトヨタのマークがついているのとは、訳が違うと思うのである。


もっと言ってしまえば、牛角とam/pmが、同じレックス・ホールディングスのグループだからと言って

看板が同じになってしまったら、僕らはコンビニで肉を焼かなくてはいけない羽目になってしまうかも

知れないし、ブランドと言う意味ではコカコーラもファンタもスプライトも同じデザインの缶に入っていたら、飲むまで何味かわからないスリルを味わわなくてはいけなくなる。


どうすんだ、ファンタグレープを期待して買ったのに、飲んでみたらマックスコーヒーだったら。


会社の仕組みがどうなろうと知ったこっちゃないけど、ロゴの統一は止めたほうがいいと思うなあ。。。

転職のご報告

遅ればせながら、かねてご報告の通り、1日付で会社を移りました。


大学を出てから約10年携わってきたジュエリーの仕事に、2年ぶりに復帰です。


まだ2日しか出勤していませんが、会社の雰囲気もなかなか良く、何より旧職の先輩がいるのは

思いのほか心強いです。


今週一杯は講習。

「知ってることばかりで退屈だと思いますが、ウチのやり方のどの辺を改善するべきか、という指摘を

して欲しいので、あえて素人と同じ研修を受けてください。」と言われ、なるほど、素人と同じ研修を

受けています。おれが誰かに教えたいくらいだよ。。。


でも、謙虚に行かないといけません。目的が目的ですから。


来週火曜日からは、銀座の本店で店頭に立ちます。これも、研修の一環として。

「現場の事も、わかっとけよ。」と言うことです。

そのまま、年末の繁忙期もお店にいるかも。そうなると、自分のカラーを出していけるのは年明け以降

かも知れません。


ぼちぼち歳も歳ですし、次に身の振り方を考えるときは、自分で何かをはじめるときにしたい。

なので、上手くはまれるように、頑張ってみます。


適応力はあるのです、僕には。

気付けば一年。

昨日、私のブログも一周年を迎えました。


よく頑張ったもんだ。あんまり更新もしていないし、読者も身内ばっかりだけど。


仕事も移ったし、これから忙しくなりますが、ネタも増えると思います。

引き続き、ご贔屓にどうぞ。

05秋 北海道旅行記⑥ 知床峠~羅臼

25日

前日の天気予報では、道東地方は晴。

前夜シカを見せてくれたホテルのフロントの人も、

「この時間にシカが降りてくると言うことは、明日は晴れですね。」と言っていた。

今回の旅行はあまり天気に恵まれなかったから、後半やっと天気が良くなってきて、よかったよかった。

そうだ、明日は早起きをして、暗いうちに露天風呂へ行き、日の出を見よう。そうしよう。


5時起床。窓を開けると、


雨。


7時まで、フテ寝。


小ぶりの雨を一生懸命無視しつつ、一応お風呂には行き、朝食後さっさと身支度してチェックアウト。

1時までには車を返さなくてはいけないので、時間がないのだ。


まずは、ウトロの港で、鮭の水揚げを見学。

その後、知床峠へ。

ドライブ開始後、ぐんぐん天気が良くなってきたが、峠についたとたんに雲海の中に入ってしまったらしく、

まったく景色が見えない。

晴れた日は羅臼方面から、国後島まで見えるらしいのだが。


峠を羅臼方面に下りる。

途中、川沿いの天然露天風呂「熊の湯」へ。

野趣あふれる露天風呂で、水着禁止。女湯は囲いの中だが、男湯は完全に露天。道路から川をはさんで、

ちんこ丸見え。(まあ、だいぶ距離があるので、実際は見えません。)

あまり観光地化されていないようで、地元の人もふらりとひとっ風呂浴びに来る温泉のようだ。

脱衣所(とはいっても、板塀で囲ったスペースに、天井がついているだけ。)に、いろいろと但し書きが

してある。


・時間のない奴は、温泉に来るな。

・管理人(地元の人の、ボランティアらしい)が掃除を始めたら、必ず手伝え。

・湯船でタバコを吸うな

・3人で入っていたら、他の2人が「熱い」と言わない限り、埋めてはいけない。


などなど。なかなかうるさ型である。が、気骨があっていいではないか。

アホな若者(例えば10年前の私のような)が、男女混合チームでやってきて、プールと勘違いして

パシャパシャはしゃぐようなことは、この温泉に限ってはなさそうである。

が、私は但し書きの一番上の「時間に余裕のない人間」に、この日に限って該当してしまった。

でも、お構いなしさ。さものんびりとした通の観光客であるかのようなビームを全身から飛び散らし、

湯船につかること10分くらいだろうか。大変気持ちが良かった。


ニョーボは入浴後の支度の手間を嫌がり、川沿いを散歩したり車で細かいことをしたりしていたのだが、

もしニョーボも入浴していたら、もっと長いこと入っていたかった。


ちなみにこのときは、女湯に地元のおばちゃんと思われる2人(漏れ聞こえる話し声で推定。)

地元民ではなさそうな男性2人。うち、一人は相模ナンバーの車で、ロングドライブの最中のよう。

あと、途中からものすごい地元オーラを出しながら軽トラで乗りつけた、筋骨隆々色黒の、中年男性一人。


さっぱりほかほかと、羅臼市街に入る。

そこに、思いも寄らない建造物が。。。。


「純の番屋」


「北の国から」で、純が寝泊りをしていた番屋を市街地に再現したもので、中は食堂になっている。

ドラマに纏わる写真や、出演者のサインなどが飾られており、ファンならずともうならせられる。

なお、本物の「純の番屋」は、いまでも昆布漁の際に使用されているそうで、知床半島のもっともっと

先っぽの方に実在しているらしい。時間があれば、行ってみたかった。


中にはお土産も売っていたので、軽く外観の写真をとって、中でお土産を見ようと思って軽いキモチで

(食堂とは知らず)入ったが、メニューを見て、まだ11時にもなっていないにもかかわらず、食事を

することにした。

「五郎さんのいくら丼」。普通のいくら丼である。でも、いくらたっぷり。かにのお味噌汁付き。1,000円。

あと、「鮭児のお刺身」。たった3切れで、1,000円。


鮭児(ケイジ)と言うのは、話には聞いていた。前日行った、ウトロの「番屋」でもメニューには掲げられて

おり、注文はしなかったが、隣の席の人が聞いていた値段は、刺身7~8切れで、4,000円。

詳しくは後で調べて知ったのだが、同じ鮭でも、知床に上がる中では一万匹に一匹いるかどうかくらいの

確立だそうで、北海道に多くいる鮭(ベーリング海を周遊)とは異なり、アムール川出身で

カムチャッカ半島のあたりを周遊するらしい。で、生殖機能が未成熟な子供で、体脂肪率が非常に高い。

幻の鮭との呼び声も高く、卸値が1本10万円前後。


3切れの幻。私が2切れ。ニョーボが1切れ。

グルメレポート的にはとても嫌いな表現だが、「口の中でとろける」という表現がふさわしい。

(でも、牛肉やまぐろに、この表現は認めません。とろけるわけがないし、歯ごたえが多少なりとも

あったほうが、肉やまぐろはうまい。「もうありませーん。」とか、なくなるわけないだろ。あほか。)

ルイベになっているのだが、凍った身が口の中で溶けると同時に、脂肪のコクが口のなかにふわーっと

広がる。そのあと、あま苦くて燻製のような、鮭の香りが鼻を抜けていきます。

うまい。間違いなくうまい。おそらく、辛口の白ワインと一緒にやったら、死んでしまうかもしれない。


あ、念のために行っておきますけど、いくらもとてもおいしかったですよ。


ニョーボは「北の国からパスポート」をお土産に買い、すぐになくし、店に戻り、店にはないと言われ、

車の中をちゃんと探したらあり、どんくさかった。


それから、やはりどうしても羅臼で思ったことがある。

「純の番屋」からも、国後島が見えた。天気が良くなっていたから、それこそくっきりと。

それは、想像以上に近かった。感覚的には、学校の屋上から自分の家が見えるとか、新宿の高層ビル

から東京タワーが見えるとか、距離感はぜんぜん違うけど、そんな感じだった。

あんな近くに、かつての仮想敵国が実効支配している島がある。いつになっても返してもらえない故郷を、

毎日眺めながら生活しているお年寄りもいるのだろう。

北海道には「北方領土を返せ」の看板が、いたるところにあって、だからと言ってそれが全て道民の

意識なのかと言えば、政治や思想、利権もあるだろうから鵜呑みには出来ないが、それでも東京とは

雲泥の差を感じる。


そもそも、「北方領土」なる言い方は、どうなんだろう。

稚内から南へ南へドライブしてきた果てに羅臼にたどり着いた身としては、国後は「北方」でもなんでも

ないのだ。むしろ、「南方」。あれは、東京から見た方角を当てはめているのか?

そこで、考えました。北方領土の返還について、いまいち国民意識が盛り上がらない理由。

これは、的を得ているよ。


「北方領土」。名前が悪い。地勢的なものからきたネーミングで、政治問題を盛り上げようとしても

無理がある。しかも、地勢的にも正しくないのだから、ダブルショックである。話にならない。

私の提案したい「北方領土」に代わる新たな名前は、

「旧ソ連による不当な占領が継続されている北海道東未返還諸島」

長いと言うなかれ、

「北朝鮮による○○○○○さんらの拉致疑惑問題」とか、

「北朝鮮。朝鮮民主主義人民共和国」と比べても、決して長くはない。

略すのであれば、「道東未返還諸島」。でも、「ロシアに」と、「不当な占領である」と言う意味は込めたい。


「旧ソ連による不当な占領が継続されている北海道東未返還諸島」と、毎日ニュースでアナウンサーが

言ったり、新聞の国際面に「プーチン大統領は、旧ソ連による不当な占領が継続されている北海道東

未返還諸島の問題につき」と書かれることにより、国民意識が、

「ロシアめー。」「不当な占領だー。」「返してもらわねばー。」「場所は、北海道の東だー。」

と、盛り上がること間違いなし。


一昔前の

「くなしりー、えとろふー、はぼまいー、しこたーん。むかしから、日本人がすんでいたんだよー。」

なんつー、くだらない政府広報など、足元にも及ばないだろう。

私はもう、今日から、「北方領土」と言う言葉はつかいません。よろしく。


話を戻します。

お腹一杯の僕らは、右手に道東未返還諸島の一つ、国後島を眺めながら、「マッカウス洞窟」へ。

「ひかりごけ」が生息しており、洞窟がぼんやり光るとの触れ込み立ったが、あんまり良くわからなかった。

その後、左手に道東未返還諸島の一つ、国後島を眺めながら、中標津空港へ。

フライト1時間前にレンタカーを返還して、僕らの短い旅は終わったのでした。


なんだか、最後の最後で旅日記っぽくなくなっちゃった。

05秋 北海道旅行記⑤ 裏摩周~知床五湖

24日

僕の34歳の誕生日である。

凡人なので、34年かかってしまった。


朝は早めにチェックアウト。8時半に出向する阿寒湖遊覧船に乗る。

色づいた湖畔の景色を眺めながら、所要1時間。途中、マリモ観察センターのあるチュールイ島へより、

施設を見学。

この阿寒湖遊覧、同じ会社がモーターボートのチャーター便も出している。

小回りが聞くので、湖岸に近い景勝地などにも近づくことが出来、しかも早い。

お金持ちや不倫のカップルなどは、積極的につかうのだろう。高いけど。


船を降りた後、「ボッケ」を見に、遊歩道を歩く。

「ボッケ」とは、アイヌ語で「煮立つ」などの意味らしく、その名の通り泥地からガスが噴出していて、

地面がぼこぼこ煮立ったように見える場所のこと。泥をなべにかけて沸騰させたら、なるほどこうなるかと

思わせる。硫黄臭かった。

ボッケに行くまでの遊歩道もお勧めである。湖岸に沿って、キレイな湖を見ながら歩くことが出来る。


ホテルに預けておいた車と荷物を引き取り、裏摩周展望台へ。

その名の通り、前日行った「摩周第一展望台」「第三展望台」とは、湖を挟んで裏側にある展望台で、

交通の便が悪いので人も少なく(道は大変よく整備されているのだが)文字通り裏技的に摩周湖を

眺められるスポットである。この日は天気も良く、少し高いところからきれいに摩周湖を見ることが出来た。

写真を撮っていたプロのカメラマンと思われる一行も、「今日はいいね。」と言っていたので、

そうなのだろう。

展望台に立って湖を背に立つと、斜里岳もきれいに見える。

隣接の山小屋が、閉店セール?を行っており、お菓子が半額。もう、何日もしないうちに、冬の休業に

入るのだ。


そう言えば、裏摩周へ行くドライブの途中、場所はどこだか、詳しく覚えていないけれど、T字路の

中央分離帯に、手押し車のおばあちゃんがいて、(なんでそんなところにいたのかも謎なのだが)僕らが

ちょうどその交差点を曲がろうとしたとき、倒れた。不自然だと思いつつ、あまりにも唐突に倒れた

ものだから、中央分離帯に生えている山菜やきのこ(そんなもの、中央分離帯に生えているわけないけど)

でも摘んでいるのかと思い、ニョーボとなんだあれは、と話していたが、うつぶせのまま動かないので、

曲がってから車を止めて、様子を窺いに行った。

「おばあちゃん。だいじょうぶ。」

「いやあ、倒れちゃって、起き上がれなくなっちゃったんだよ。」顔は、笑顔。

よいしょよいしょと頑張っているが、自力では起き上がれないよう。

両脇に手を入れて、立たせてあげた。

「すいませんねえ。。。なんだってこんなところでたおれちゃって。。」

「どこまで行くんですか。」

「いやあ、、いつも通ってる道なんだよ。これ(手押し車)があれば、大丈夫だから。」

そういうのであれば、あまり親切にしすぎるのもどうかと思ったので、「お気をつけて」とその場で別れたが、

あのおばあちゃん、ちゃんと目的の場所へいけたかなあ。

携帯電話とか持ってないだろうし、僕ら以外の車は気づかないわけもないだろうに、通り過ぎていたし。

冬だったり、夜だったりしたら、あのままあの場所で、息絶えてしまうのではないか、なんて。

縁起でもないけど。

あのおばあちゃんに、幸多かれ。


裏摩周展望台を離れた後は知床を目指し、途中「神の子池」による。

時間の都合で寄るか寄るまいか迷っていたのだが、見やすいところに看板が出ていたので行くことにした。

摩周湖からの伏流水が溜まって出来た、まさに神秘的という言葉がぴったりな、青くて透明な池である。

神の子池

落ち葉が多くて見難いと思うけど、中央左寄りでバツ印になっているのは、沈んでいる倒木である。

水深は5メートルだそうだが、池なので波もないし、底まで十分見通せる。怖いくらいである。

摩周湖の伏流水なのだから、当の摩周湖も、おそらくはこのくらい澄んでいるのだろう。そう思うと、

ますます怖い。


僕はたまに、夢を見るのだ。

湖か池かわからないし、船なのか橋なのかわからないのだけど、とにかく僕は、上から眺めている。

水はとてもきれいで、底に沈んでいる倒木や動物の骨なんかが、よく見えるのだ。

あれは、ここのことだったんじゃないかと思った。


思わず、水を掬って飲んだ。硫黄の味がしたが、おいしかった。


その後は、一路知床へ。

途中道路にキタキツネがいて、かわいかった。車を降りて写真を撮ろうとすると、近づいてくる。

おそらく、餌付けをされているのだろう。

ニョーボは餌をやりたがっていたが、動物愛護とはそういうものではないと、却下した。


そういや。また脱線するけど。

阿寒湖にあったおしゃれなパン屋さんで、お昼ご飯用にとパンを買ったのだ。

棚の一段に、二の種類が並んでいて、「焼きカレーパン」と、「クリームパン」と書かれていた。

僕はあまり、食事に甘いものは好かないので、「焼きカレーパン」を買ったのだが、ドライブ中かじったら、

クリームパンだったぞ。札の間違いだ。

まあ、うまかったから良いのだが、カレーだと思って食べたものがクリームだったと言うのは、なかなかの

衝撃である。うぐ。となる。

あとから考えればおかしいと思ったのだ。クリームパンにパセリがまぶしてあるはずないもんなあ。


山を降りて平地に入ると、また牧草地である。ときたま耐えがたい臭いがただようが、まっすぐな道を、

斜里岳を右手に見ながらひたすら80キロで走った。

あまりにも景色が良いので、一度車から降りて写真を撮ってみた。

「広いところにいる」のが、車を降りて再確認できた。なんだか、頭蓋骨や肺の容量が、普段の何倍にも

なっているような感覚だった。


知床半島へ入って、初めに行ったのは「オシンコシンの滝」。

急斜面をいく筋にも分かれた水が流れ落ちて、オホーツク海へそそぐ。知床有数の景勝地である。

僕はベタかなあと思いつつ、勇気を振り絞って、

「オチンコチンの滝」と言ってみた。

ニョーボの反応は、言うに及ばずである。


その後、「知床五湖」へ。

途中、エゾシカと何度か遭遇。「動物横断注意」の道路標識を、現実のものとして感じたのは初めて。

知床は世界遺産の登録で活気付いており、道路の整備や展望台の設置など、結構頑張っている。

そのこと自体は間違いなく自然破壊であるので、「世界遺産登録って、そういうものなのか?」と

思わなくもないが、登録後にやっと予算が下りたのだろう。

長期的に見て、知床で素敵な思いをした人が、日常生活で環境問題を考えるようになるために、

いい道路やいい展望台が必要なのだろう。まあ、賛成である。


知床五湖は、途中のレストハウスまでしか車ではいけないので、後は遊歩道を散策することになる。

一番手前の一湖だけ見て帰ってくるのに20分。一湖と二湖を見て帰ってくると40分。五湖まで、全部見て

来ると、90分とのこと。

すでに2時半を回っていたので少し迷ったが、せっかくだから五湖まで周ることにする。

団体の観光客は、年配の人が多いこともあってか、たいてい二湖までのようだ。その先には、二人連れや

カメラを持った人としか、すれ違わなかった。

季節も天気も、本当にタイミングが良かった。知床の自然を、満喫できた。


ちなみに現地では、ネイチャーガイド?の人が頑張っている。立派なお仕事だと思う。


なお、知床五湖周辺は熊の出没地域で、二湖より先に行く人は、レストハウスで熊よけの鈴を借りるのが

必須らしい。僕らはよく説明を読まずに入山してしまい、「話をしながら歩けば大丈夫だ」などと、

知ったようなことをいっていたが、さすがに90分間、四六時中一緒にいるニョーボと話し続けることなど

出来るはずもなく、奥に行けば行くほど心細くなってきたので、ニョーボが持っていたお守りの鈴を

ちりちりと鳴らしながら歩いた。

が、後ろからベテランっぽいカメラマンの人が近づいてきて、なぜ近づいてきたのがわかったのかというと、

「ごりーん。ごりーん。」と、とても太い音色の鈴を、リュックにつけていたからである。

熊よけの鈴は、根本的に普通の鈴とは違うのだと、そのとき初めて知った。

お守りの鈴で熊を避けようなどと、甘っちょろい考えをもったことを恥じた。


すでに夕暮れが始まっていたが、ホテルへの帰り道にある「フレペの滝」にも寄る事にする。

別名、「乙女の涙」。なんか、ドラクエっぽい。

途中の道は、夕日が知床連山やオホーツク海を照らすのが見えて、幻想的な美しさだった。

フレペの滝は、岸壁から染み出した水が滝になって直接海に落ちる。

駐車場から約1キロ、山道を歩かなくてはいけないので、日が暮れるまでに行って帰って来なくては

ならず、小走りで行った。

展望台からは、左手に夕日。右手にフレペの滝と、岸壁に立つ灯台が見えた。


ちょうど日も暮れて、ホテルは「ホテル知床」。

夕食のバイキングで、ズワイガニを食べ、(バイキングでかにが出てくると言うことは、かにの食べ放題と

言うことである。)その後フロントで紹介してもらった居酒屋「番屋」さんに、車で迎えに来てもらう。

実はこの日まで、期待していたほど魚介類を食しておらず、不満だったのだ。うにやいくらを、もういやだと

いうくらい食べてみたい。と。

「番屋」は、ホテルお勧めだけあって、漁港に近く、とてもいいお店だった。

うにのお刺身、厚岸産の生牡蠣(なんと5個。普段は、もっと大きいのを3個らしい)、ホタテの

バター焼き。ここまでで生ビールを飲み、日本酒へ。いくらと秋刀魚のおすしを追加。大満足。


いい誕生日になった。


ホテルまで送ってもらい、フロントでカギを受け取ると、ホテルの人が、

「入り口にシカがいたのを見ましたか?」と言う。

気づかなかったと言ったら、外まで一緒に来てくれて、入り口から少し離れた、駐車場の向こうにシカが

いるのを教えてくれた。

熊も、たまに来るらしい。


うーん。すごいぜ。知床。