カリプソ | 元祖!ジェイク鈴木回想録

元祖!ジェイク鈴木回想録

私の記憶や記録とともに〝あの頃〟にレイドバックしてみませんか?


 
 発端はコレ↓だっ!
①「ジョンとヨーコのバラード」THE BEATLES(:1969)
 https://xn--youtube-hd4ftzwoie.com/watch?v=v-1OgNqBkVE
 

 この何処かゆったりと、のんびりと、あっけらかんとしていて、何処となく南国情緒を想わせるような軽快なロックン・ロールに何故か、ガキの時分の自分がNHKの『みんなのうた』か何かで聴かされていたコレ↓が想い起こされた。

②「とんでったバナナ」作曲;桜井 順(:1962)
 https://www.youtube.com/watch?v=Ae1kT5Tqx2I

 未就学児童の頃だ。好きで聴いていたワケではない。当時は未だ〝男は黙って読売巨人軍!〟ではなかったものの、唄なんぞ女の子が唄うもん!の時代で、番組で流れる度に、2つ下の妹に至近距離で絶唱されると、ハタ迷惑で仕方がなかった。

 このテの音楽に、私は無意識に〝カリプソ〟という言葉をイメージしていた。

 Wikipediaに依る本来の〝カリプソ〟は、カリブ海のトリニダード・トバゴ共和国から西インド諸島全体に広がったアフロ・カリビアン音楽の1つで、リズムは4分の2拍子。音符も掲載されているが、ンなもん見せられたところで何だか解らず、何か知っている楽曲名でもあればと、スクロールしてみたら・・、

>最もよく知られているカリプソの曲は、伝統的なジャマイカのメント・ソング「バナナ・ボート」である。この曲は1956年のジャマイカ系アメリカ人のハリー・ベラフォンテの歌で知られる。カリプソ風にアレンジされ・・
 知っている!

 知っているが、ハリー・ベラフォンテなんぞよりもむしろ、こっち↓だ。
③「バナナ・ボート」ゴールデン・ハーフ(:1971)
 https://www.youtube.com/watch?v=qXgnYmSPL0A

 聴いたのは小学校4〜5年生の頃だから、順序は②→③→①。

 ②と③はバナナ繋がりだけではなく、同じようなラテン・パーカッションが似合いそう。何だろ?コンガのムースコール? それこそ、故ブライアン・ジョーンズの興味を惹きそうな。

 ①でポール・マッカートニーが弾いているベースのリフは、②にも③にも当て嵌まる。特に①はキーがEなので、開放弦を使えば、それこそコンガのムースコール(?)のような効果も期待出来そうな・・。
 つまり、②も③もロックン・ロール・アレンジが可能。同じ仲間。比較的近い親戚。そりゃそうだろう。アフロ・カリビアンもビル・ヘイリーと彼のコメッツも祖先は黒人音楽なんだから。

 ともあれ、①と②を〝カリプソ〟という言葉で勝手にひとまとめにしていた私の感覚は、あながち的外れではなかったようで一安心。YouTubeで約半世紀振りにゴールデン・ハーフを聴いてみるまでは、単なるデタラメかと思っていた。(笑)

 だが、その〝カリプソ〟という言葉は一体、何処から来たのか?

 再度、Wikipediaの検索窓に入力してみたら、その何行目かに〝カリプソ号〟!
 ああ、これか!これだったのか。

 カリプソ号は海洋冒険家、ジャック=イヴ・クストー、〝=イヴ〟は初耳と云うか初眼だが、ジャック・クストー、若しくは唯のクストー船長の船の名前だ。
 
 Wikipediaで、更にそのクストー船長のページに飛べば、確かに見覚えがある、白人のジーサンの顔写真が視野に飛び込んでくる。極々僅かな記述に眼を通せば、
>日本では1970年代から1980年代にかけて、テレビ・ドキュメンタリー番組『驚異の世界・ノンフィクションアワー』(NTV)で放送された、自身も出演する『クストーの海底世界』シリーズで知られる。(※部分修正)
 観ていた!

 時期はゴールデン・ハーフよりも後で、THE BEATLESよりも前! スクロールなんぞしなくても一眼で全文を読める、その極々僅かな記述に依ると、クストーは単なる海洋冒険家ではなく、元フランス海軍大佐で、ダイビング器材のレギュレータの発明者であり、水中考古学の先駆者でもあるらしい。
 更に〝カリプソ〟の語源は、ギリシャ神話に登場する海の女神カリュプソーをフランス語風に発音した言葉だとか。
 クストー船長は自分の船に海の女神様の名前をお借りしていたワケだね。

 何れにしても、海!

 発端となった①の歌詞にはサザンプトンやジブラルタル、②のアニメーションの背景には、何故か昔から必ず海! ③は元々海に浮いている乗り物。全部、海!

 1990年と1991年に出掛けたバハマ国は西インド諸島に在り、タクシーの運転手は運転しながら後部座席を振り返り、「じゃあ、これ知ってる?BON JOVI」等と、助手席に散らかったカセット・テープをがちゃがちゃイジってるようなお国柄だった。

 その呑気で気儘な気風こそ、まさにカリプソ!

 ①に戻れば、「奴らは俺を磔にしようとしている」という物騒な歌詞とは裏腹に、ノロケまくっていた当時のジョンの心境を、自らのベース・ギターとリード・ギターで、明るいカリプソ・ロックン・ロールに仕上げたポールはやっぱし凄い!


※文中敬称略

※画像:コーラルサンズ・ホテル(バハマ・エルーセラ島)