『タイムマシン』 | 元祖!ジェイク鈴木回想録

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私の記憶や記録とともに〝あの頃〟にレイドバックしてみませんか?

(『THE TIME MACHINE』/2002/アメリカ)


 昨今、乱立しているくだらないTV番組には、呆れるを通り越して反吐が出る

 夜の8時台に、くだらないお笑いタレントども数名に女装させて順位を付け、
最下位になったやつにはプチ整形を施す、なんていう、
とんでもねーことをやっているTBSよ、おまえらはもういい加減、TV局やめろ
法人税をいくら支払っていたとしても、その倫理観の無さははっきし云って社会悪だ
 おもしろければそれでいい?
おまえら本気で、おもしろい番組を創っているとでも思っているのか?
バカじゃねえの

 そんなこんなで昨今、TV番組という、夕食のおかずに貧することが多い
何と云っても、いま生きている生命体がわずか3コの我が家では、それが必需品だからな
 そこで、番宣などで“お!これは”と思った番組は、映画に限らず、ドラマや唄番組や、
バラエティ番組ですら録画して溜めておくことにしている

 この映画もそのテのおかずの一品だった

 最初に断っておくけど、ジェイク鈴木という生き物は、SFにはまったく興味がナイ
もともと理科という教科にあんまし興味がなかった上に、高校1年の1学期に、
水泳部でバタフライばっかしやって脊柱を傷めて期末試験を休んだとは云え、
化学Ⅰで1という、5段階評価で5以上に採ることがムズカシイ評価を得てしまって以来、
化学とか科学なんてもんは、どーでもいい学問に成り下がってしまっている
 また、fiction(造り話し)自体が好きじゃない
推理小説はもちろん、歴史小説でさえ史実に基づかせようがない“造り”はあるものの、
SFはその根拠や裏付けが、苦手な自然科学(science)である故に馴染めないわけだね

 だが、TBSがおもしろいと勘違いして作っている数々のくだらない番組と違って、
映画は、聴視者をそれまで未知や無知だった世界や分野に誘ってくれることがままある
あ、スティーヴン・セガールのインチキとかは全然別だけどね

 SFは好きじゃないけど、ぼくがこの“時空間超え”に興味を持ったのは、
俗っぽ過ぎて甚だ恐縮なものの、やはり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』からである
ただし、元々あのテのアメリカ製の興業収益重視ものは好きじゃなく、
母ひとり娘ひとりの生活をしてきた細君の習慣に従って観始めたに過ぎナイ

 けど、おもしろかった
母親はまだTVが普及していなかった、それこそ映画全盛の時代を知っているため、
“あんたたちの時代は不幸よ”とまで云うものの、何とおっしゃるうさぎさん、
ぼくたちの時代だって、マイケル・J・フォックスやアーノルド・シュワルツェネッガー、
ジャッキー・チェン、トム・クルーズ、レオナルド・ディカプリオなどなどが活躍していて、
豊かな時代だった!と、ほかの時代に胸を張ってイバれるさ

 けど、何と云ってもscience音痴な頭脳構造なわけだから、
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でさえ『同・2』や『同・3』になると、
“え?ソレが何でこーなるの?”と、いまだに解明できていない箇所がままある
まあ、その辺りは老後の楽しみにでもしておくつもりだけど(笑)

 映画ではなくTVゲームだけど、現SQUARE ENIX社がSQUAREとENIXという、
別々の会社だった頃、ENIX社の堀井 雄二と鳥山 明と、SQUARE社の坂口 博信が、
初めて共作した『クロノ・トリガー』にはのめり込んだね!実にハマッたね!
会社(Player)を休んで、Microsoft Excelで冒険データを解析しつつ・・(笑)

 何と云っても(何だか忘れちゃったけど・笑)、
未来の世界で、大きな木の下で結婚式を挙げるためには、一度過去の世界に行って、
その木の種を植えておかなければナラナイなんて、ふつう誰が思い付くんだ?
 経験値を積んで、武器やアイテムやクスリや呪文を揃えて、
ただ単純にモンスターを倒していくだけじゃあ、あまりにもたいくつだ
『クロノ・トリガー』は、それまでタテヨコだったロール・プレイング・ゲームに、
時空間の概念を大幅に取り込んで、次元を増加させた大傑作だと思う
 こーいうもんをたまには創ってみろよ、え?おい、>TBS

 で、よーやく『タイムマシン』なんだけど、いちばん“おおおおおっ”と思ったのは、
主人公のおさるが80万年後の未来に行って、そこの統治者みたいなやつに、
“そもそもおまえはその恋人が死ななければタイムマシンを作っていない”と、
ことの因果応報の極致というか、あまりにも根元的な部分に触れるところだ
“そりゃそーだよな”と納得させられる反面、
“それを云っちゃあおしまいじゃん”みたいに冷静にさせられる部分でもある

 そーなんだよねー
過去に行って、その過去をいじくってきたら、現実とは違った現在になっているわけで、
そーしたらタイムマシンなんか作っているのかどーか、辻褄が合わなくなってしまう
何か哲学的概念と云うか、宗教的概念にまで発展しそうな・・(笑)
 原作はSFの巨匠(?)、H.G.ウェルズというかたらしいけど、
さすがに世界的な巨匠となると、それを既に世界じゅうから認められているだけに、
門外漢すら屈服させてしまう完璧なストーリー展開だと思う

 また、このお話しは『タイムマシン』が主人公なのに、
よく観ていてもいなくても、何ひとつ世界を変えていないところがまたすごい
(何億年後かの世界を変えるために、主人公はタイムマシンを犠牲にしてしまうけど、
その結果は敢えてかどうか映されていない)
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ではロクデナシだった父親を、
過去に遡って若干補正した結果、ランクアップされた現在の生活がげっとできるという、
ハッピー・エンドもんだけど、いま思うと、いま一歩幼稚っぽくない?
 やはり、多数の支持を得るには、ある程度レベルを下げるか、
(だからと云って、おまえんとこは下げ過ぎだけどな >TBS)
或いはこの『タイムマシン』のように、長い時間が必要なのかも知れないね

 番宣を観た限りでは、主人公がむかしのレジスターみたいな機械をいじくっていて、
何か、むかしのちゃっちい映画でも演るんかいな?とタカを括っていたものの、
アレック・ギネスでもアレックス・ヴァン・ヘイレンでもなく何だっけ?
アレクサンダー・ハーデゲン博士が創ったマシンは、アーサー・ブラウンでも、
ジャクソン・ブラウンでもなく、ただのブラウン博士が開発したデロリアンよりも、
遙かに遠い80万年後とか、もっと先の何億年後(地球そのものが、そんな先まで、
存在していることも、この作家の良心と捉えられよう)の世界にまで到達している
 個人生活の楽しみの向上がメインの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とは、
如何せんそのスケールそのものが違うよな
 特に近未来とされている2030年だかその頃だったかな・・
月への移住が流行って、その結果、割れてしまった極めてわかりやすい月の姿は、
云う迄もなく、環境破壊に対する強烈なメッセージとして我々の目に映る

 何しろSFには門外漢なので、このH.G. ウェルズ(1866~1946)というかたが、
まあ、ぼくが多少でも知っていないこともないロックの世界のひとに例えてみるなら、
ジョン・レノン程度の無名なひとなのかどうかすら知らないんだけど(笑)、
このかたは何と!世界初の反原爆運動を行ったかたらしい
しかも、原爆なんてもんがまだ歴史に登場する以前だから驚く・・

 いやあ、何気なく録画しておいた、ともすればどーでもよかった映画だったんだけど、
ストーリー、主張、ビジュアルなどなど、どれをとっても良かったね
キミやアナタにオススメすることはもう止めたけど、ぼくは断然気に入った!
 ただひとつ欲を云わせて頂ければ、
主人公が、数学者という設定には合っていたものの、もう少しハンサムだったらね
でも、トム・クルーズやレオナルド・ディカプリオじゃ、数学者にはちともの足りないし、
スティーヴン・セガールじゃあ、数学者以前に映画俳優としてもの足りん・・
むしろ、あの程度のおさるでよかったのかも知れないね
 有名な俳優だと、その演技にばっかし目が行ったりしちゃうから

 そうそう、ぼくが観たのは細君が3本\100で買ってきたビデオ・テープの録画だから、
こんなおもしろい映画を放送していたのは、いったいどこのTV局だろうと調べてみたら、
(場合に依っては、本稿を書き換えなければならないじゃん・笑)
やっぱし、テレビ朝日だった(笑)
やっぱし、おまえら、もうイラナイ >TBS

  
※文中敬称略
※参考:
“映画の森てんこ森:タイムマシン”
(http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/THE_TIME_MACHINE.htm)
“クロノ・トリガー/SQUARE ENIX JAPAN”
(http://www.square-enix.com/jp/archive/chrono_trigger/) 
“くるくる人物伝:ウェルズ”
(http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1356/kuru/Wells.html)