本日は読み終えた2冊から。
女子高生探偵シャーロット・ホームズ ~ 最後の挨拶 ~ (上) (下)
シャーロック・ホームズとジョン・ワトスンの“子孫”コンビを主役に据えたミステリー小説。
“子孫”とはいえ「じっちゃんの名にかけて!」的な重さはなく(笑)、例えばホームズの子孫にあたるシャーロットは推理・観察能力に長けている一方で、人付き合いの悪さやあの悪癖がある…といった感じで、主たる特性は引き継いでいるのですが、物語的にはまったくのオリジナル作品です。
正直なところ前作『<消えた八月>事件』のイメージがあまり良くなかったので、書店店頭でこの新刊を見つけたときに購入するか否か悩んだのですが(苦笑)、「完結」という言葉を目にして「結末だけは見ておきたいかな…」と思い購入。とはいえ、ものすごく積極的に…という気持ちでもなかったため、実は今年8月にピックアップした『ベイカー街の女たち』と同じ日に入手しているのですが、今月になってようやく読む気になった次第でございます。
シリーズ最終章にして、ワトスンの子孫であるジェイミー・ワトソンのみが語り手を担当するスタイルから、シャーロットとジェイミーが章ごとに交互に語り手を担当するスタイルに変更されていること。ふたりが別々に行動するシーンが多いゆえにこのスタイルをとらざるを得なかった…という面もあるのでしょうけど、映画やドラマのカットバックのような感覚で各章をとらえることができたので、」個人的には従来シリーズよりも読みやすく感じました。
物語自体の感想は生意気な表現をさせていただくと…「可もなく不可もなし」といったところ。
前作に比べるとミステリー要素がアップした面白さはあったのですが、「アレもやりたい!コレもやりたい!」というドタバタ感は前作から変わっておらず、物語のリズムがイマイチつかみきれなかったですし、エンディングも落ち着くところに落ち着いてはいるものの、それでもどこか消化不良なところがあり、読了後に「面白かった!」とスカッとした感求めてしまう僕にはちょっと合わなかったかなぁ…というのが正直なところです。
物語の骨格自体は面白いと思っているのに、なんだか相性が合わない…。こんなこともあるんだなぁ…。