A-7 新傾向 (類似過去問あり FA407 A-8)
過去問は初段が減衰器の3段構成で総合雑音指数を求める問題でしたが、今回は同じ3段構成ではあるものの初段は増幅器であり求めるのは所定のC/Nを満たすための所要入力電力という点で新しい設問となっていますね。
問題を見ると与えられた数値はほとんどがdB表示(等価雑音帯域幅Bのみ真数)ですが、雑音指数を求める式は真数で計算しなければならないこと、問題文の最後に中途半端な真数(1.83)のdB値が与えられていることから、この問題はまずは真数で計算を進めるのが良さそうだと感じ取って下さい(笑)。
まず雑音指数に係る全てのdB値を真数に変換する。
≪高周波増幅器≫
F1[dB]=2.62[dB]=10logF1(真)より
logF1(真)=0.262=log1.83(問題文より)・・・F1(真)=1.83
G1[dB]=13[dB]=10logG1(真)より
logG1(真)=1.3=1+0.3=log10+log2=log20・・・G1(真)=20
≪混合器≫
F2[dB]=6[dB]=10logF2(真)より
logF2(真)=0.6=2×0.3=2log2=log4・・・F2(真)=4
G2[dB]=10[dB]=10logG2(真)より
logG2(真)=1=log10・・・G2(真)=10
≪中間周波数増幅器≫
F3[dB]=7[dB]=10logF3(真)より
logF3(真)=0.7=log5(問題文より)・・・F3(真)=5
G3[dB]=20[dB]=10logG3(真)より
logG3(真)=2=2log10=log100・・・G3(真)=100
ここで受信系の総合雑音指数Fは
で与えられるから、上で求めた数値を代入すると
が得られる。
さて入力信号電力Si、入力雑音電力Ni、出力信号電力So、出力雑音電力No、Ni=kTB、So/Si=G(k:ボルツマン定数、T:周囲温度、B:雑音帯域幅、G:総合利得(=G1G2G3))とすると
であるから
であり、Noを入力端換算したものをNo*すると
となる。
一方でSo=GSiであるから、Soを入力端換算したものをSo*とすると
となる。従って題意より入力端に換算したC/Nは以下の様に表すことができる。
この式は真数の式であるが、問題に与えられたC/N・k・Tは[dB] 表記であり求めるSiも[dB]になっているのでBとFを[dB]変換して計算するのが簡単である。
B[dB]=10logB(真)=10log(5×1000)=10(log5+log10^3)=10(0.7+3)=37[dB]
F[dB]=10logF(真)=10log2=3[dB]
より上式(C/N)を[dB] で書き換えると
となる。うっかりして[dB]のままで終わらないように注意!
【おまけ】1[W]=0[dB]=1000[mW]=30[dBm]