収益不動産投資の営業マンが確信したこと -2ページ目

「物件の案内を希望します」という、めんどくさいお客

物件の資料請求をしてきて、資料を送信すると、次のようにメールが返ってくる。
「~日に案内を希望します。」と。

住宅を売っていたときは、とにかく案内をとることが大切でした。

他社よりも早くお客様と会うために、休日も案内していました。

しかし、収益不動産を扱うようになって、事情は全く変わりました。

休日に案内をすることは、まずありません。休日は契約のとき以外は休みます。

収益不動産は、満室で室内をみれないことも多く、外からだけみて購入の判断をする必要もあります。

そして、自分が住むわけでもなく、かつ、賃貸の設備などはたかがしれていますので、室内を見ることは、それほど重要ではありません。

しかし、自分の住宅購入のときに、至れり尽くせりの対応を営業マンからしてもらっているので、収益不動産を買うときもそのようなサービスを求めてしまうお客はとても多い。

物件の現地案内は、してもらうものではなく、資料請求後すぐ自分で見に行くものです。

物件を買いたいお客は星の数ほどいて、不動産投資営業マンは、とても忙しい。

いちいち、ローンがつくかどうかもわからないお客を案内している暇はありません。

住宅営業マンのように何件も物件を案内したり、休日に案内したりということは、不動産投資の営業マンはほとんどないということを、まず認識すべきです。

「物件の現地案内してほしい」というめんどくさいお客は、良い情報はもらえません。

不動産投資は奥が深い

不動産はとても奥が深い。

この業界で十数年働いていても、いまだに思います。

不動産投資家のブログなどを見ていると、自慢気に自分の購入した物件を写真付きで紹介しています。

その物件をどれだけ安く買えたか、誇らし気なコメントと共に。

しかし、殆どの場合、その物件は誰も買わないであろう物件です。

高さ2mの擁壁の上に建つ物件。
昭和50年以前の鉄骨造の物件。
井戸利用の物件。

まだまだありますが、これらの物件をどうして買ってはいけないのか、わからない人は、不動産投資をする資格はありません。

これらの物件は、安く買えて当たり前なのです。

ババを掴んでいることに気づかない人がとても多い。

不動産投資の本質

不動産投資で重要なことは、2つだけ。

1つ、賃借人が入るか。

2つ、流動性が高いか。

投資家の皆様は、この2つをとことん考え抜いて、投資物件を選定すべきです。

不動産投資で人気のブロガーなども、この視点が抜けていることが多く、小手先だけの技術を伝えることに終始しています。

本質を見極めて、原則に従えば、それほど大きな失敗はしないと思います。




不動産投資って簡単?

リーマンショック後の成約事例(5~6年前)を見ました。

千葉県内(松戸市、市川、船橋)は、表面利回り13~14%は当たり前。しかも指値をして成約しているものがほとんどで、実にに利回り15~16%で成約しています。

当時買った人は、さぞ儲かるでしょう。

一方、今はどうでしょうか。
利回り11%を超えるものが殆どない水準です。

80年代後半のバブル期にも資産(土地、株式)が上昇しました。そこで、持っているものを、うまく売り抜けた人が儲かっています。

最近のニュースは、15年ぶりに株式が高値水準を更新しただとか、2000年のITバブルを超えるほどの景況感です。

だとすると、今やることは、過去の教訓から自ずとわかります。

今は、資産を買うときではないのです。
高値掴みをして、どんだけうまく運用したところで儲けはたかがしれています。

株式でいうなら、今、株を購入して、長期保有をしたところで、それほど儲かりません。

しかし、日々相場に張り付いて、売り買いを繰り返してれぱ結果は変わるかもしれません。

不動産投資も同じです。
今買って管理会社に任せていても儲けはわずか。不労所得など夢物語です。

自ら動くことで、状況を変えるしかないのです。昨今は、賃貸経営とサラリーマンとの両立を簡単に考えている人があまりにも多いと感じます。

プチバブル

業者との挨拶は、「物件無いですね~」だ。
今は、とにかく価格が高い。(利回りが低い。)

現在の物件の利回りは、リーマンショック前のプチバブルの水準と変わらない。

良い時代を知っている投資家は、今は物件を買えないであろう。

そして、不動産会社は、最近不動産投資に興味を持った人に、物件を買わせる。

利回りが高かった時代を知らないため、営業マンの言い方一つで、その物件が良い物件にも、悪い物件にもなる。

失敗をしたくないのなら、不動産投資の勉強は、まず、歴史から学ぶべき。

歴史は繰り返されるのだから。




楽な客だけ選んで

仲介手数料の額は、成約金額の3%+6万円(税別)。

さんざん苦労して、何件もの金融機関にローンの打診をして成約しても、現金即決で契約しても、同じ報酬額。

同じ物件を何回も案内して、成約しても、勝手にお客がひとりで見に行って成約しても、同じ報酬額。

どちらのケースも後者のほうが楽な客。

ただ、そんな客ばかり選んでいたら、自らの成長は望めない。

迷ったら険しい方へ進め。

お客を選べる商売は、他に何があるだろう。

こんな環境では、自らの成長はあり得ない。

同じ報酬額ではあっても、苦労して成約した時の喜びは、内に秘めた宝物。
そして、自分自身の成長を唯一感じられる貴重な機会。

買いたいお客はたくさんいるが、その多くは買えない客。

それを買えるようにするのが自分の使命。









収益不動産の営業マン

住宅業者から、収益不動産専門業者へ会社が変わった当初、違和感を感じた。

住宅を売っていたときは、業者間の競争が激しく、仲介手数料の値引合戦が行われ、常にお客様第一に営業をしていた。

一方、収益物件を売るようになってからは、良い物件情報を欲しいお客から、近寄ってくるようになった。

一度お会いして欲しい、と。

当時、収益不動産専門の業者の態度が大きく感じたのは、情報を握っているが故のことであったことは、すぐに理解した。

そして、自分は誓った。

こんな偉そうな態度の営業マンには決してならない、と。

しかし、今、どうであろう。

こちらから、電話したり、メールしたり営業をしなくても、お客から面談して欲しいといってくる。

だから、無意識のうちに、上から目線になってしまう。

住宅を売っていたときは、定休日であろうがお客の都合に合わせ、出勤していた。

今は、予定が空いているときでも、現金購入ではなく、ローンのお客の案内は、断ることが多い。

これではいけない。
他の収益不動産の営業マンと変わらない。

買いたいけど買えないお客が、満足する物件を買えるようにサポートする。

当初感じた違和感を胸に、謙虚に営業していかなくては。

自分で調べて投資判断を下すこと

我々は不動産投資物件の仲介を専門にやっているので、一般の人よりは、物件に詳しい。

そして、悪い物件は悪いと、その理由とともに、伝えるようにしている。

不動産投資は、一棟買って終わりではなく、2棟、3棟と買ってもらえることが多く、最初に悪い物件を買わせてしまうと、その後が続かないからである。

そうは言っても投資は自己責任。

我々に、その物件についての意見を求めるのは、歓迎するが、自分自身でろくな調査もせず聞いてくる人がいる。

「この物件はどうですか?」と。

周辺の家賃相場や、競合物件がどれくらいあるのかなど、ちょっとネットで調べればすぐ分かるようなことも調べずに。

最低限のことを調べたあと、我々の意見を聞き、自分の投資判断の正誤を確かめるというような行動をとるべきである。

そうすることで、投資判断の精度が上がり、良い物件を見分けられるようになる。

不動産会社の営業マンは、色々な人がいる。

良い物件ではなくとも、勧めてくる人もたくさんいるであろう。

自分を守るためにも、営業マンのいうことを、鵜呑みにせず、しっかりと自分の頭で考えて、投資判断を下してほしい。

営業マンの意見は、参考程度に留めるべきである。

自分だけは特別

投資の世界では、人の逆を行くのが基本的である。

皆が物件を買いたい時に売る。
皆が売りたい時に買う。

そして、今は、皆が買いたがっている。

買いたい人の中には、自分だけは特別と思っている人があまりにも多い。

自分だけは今買っても損はしない。

そのような人の自信がどこからきているのかというと、
不動産投資の本やセミナーの受け売りにすぎない。

本やセミナーの知識は、発信された時点で陳腐化する。

自分の頭で考えないと、この競争を勝ち抜くことはできない。


インフレと不動産投資

日銀が目指す年2%の物価上昇率。

100万円をタンス預金していれば、一年後にはその100万円が98万円の価値になることを意味する。

一方、100万円の借金を一切返済しなくとも、一年後には、98万円に借金が目減りする。

本当にそうだろか?

物価が上がるということは、市場原理では、金利も上がるということ。

2%物価が上がれば、2%金利が上昇する。
なぜなら、貨幣価値と、物価の関係は、需給の関係を考慮しなければ、常に一定であるから。

ゆえに、借金は目減りしないのである。

バブル期には、住宅ローン金利が6~7%であった。

日銀の目指すインフレターゲットが実現したとき、破綻する投資家がどれだけ出るだろうか。