“ 種山石工の里 ” 東陽町・『石匠館』へ (了) | ✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

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勤労学生時代から30年“喜怒哀楽”のサラリーマン人生を経て独立。数十店舗の外食企業が上場し全国700店超になるまでを経験。飲食業で育てられた男が、今度は “厳しくも愉しいホテル経営” に挑戦!「無常迅速、時人を待たず」を我が肝に銘じ。

 

今回の「石橋を歩く!」 シリーズ最終回!

 

締めくくるのはやはり

 

山里のバス亭!?( ̄□ ̄;)!!

 

 


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いやいや

 


肥後の石工衆を生んだ

 

種山石工(たねやまいしく) のふるさと

 

 

「種山(たねやま)」である。(^▽^;)

 

 


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ここは、「生姜(しょうが)と種山石工の里」 八代市東陽町。

 

昭和30年(1955) 町村制に伴い

八代郡種山村と河俣村が合併し、八代郡東洋村となる。

 

 

平成17年(2005) 泉村・千丁町・鏡町・東陽村とともに

八代(やつしろ)市と合併。

八代市東陽町となる。

 

 

この種山という名は現在

「種山小学校」が残っている程度で、今はほとんど使ってないらしい。

 

バス亭の種山は「種山石工」の里をアピールするためと思われる。

 

もう一つ、東陽町(旧東陽村)と言えば

生姜の生産地としても有名な所で

毎年10月には “しょうが祭” が開催されている。

 

 

そして、今回やって来た目的はもちろん石橋の里を探るこちら!

 

 

 

石匠館 (せきしょうかん) 【東陽町】


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くまもとアートポリスの建築物でもある石匠館は

石工が築きあげた石橋文化をイメージした「石の建築」。

石橋文化を「人間の環境創造の知恵」としてとらえ

それを石工技術と現代の建築技術の組み合わせで表現し

未来へ伝えていくことを目的としている。

世界的建築家、故木島安史氏が手がけた建築物である。

 

 


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入って中央のエントランスホールの天井には、地元の特産品である

“しょうが”和紙を照明に配し、柔らかな雰囲気を醸し出している。

 

↓ ↓ ↓ これがなかなかいい:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

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★東陽町の石橋


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町内に今も残る20の石橋群を、地形模型と写真で紹介!

 

 

 

今回は東陽町の石橋は見に行くことができなかったが

 

今度ゆっくり時間がとれた時に歩いてみよう。。。

 


★日本の目鑑橋と世界のアーチ橋


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全国の目鑑橋と、そのルーツともいえる世界の各地の

アーチ橋が写真で紹介されている。

 

江戸時代

日本全体で石橋が418基造られたが

なんとその内九州と沖縄に約400基も造られ、現存しているものも245基ほどあるそうだ。

日本全国の石橋の95%以上は九州にあることになる。

 

 

明治・大正に入っても九州地区では盛んに石橋が造られ

中でも熊本には、630基ほど架けられており

そのうち320基ほどが今も現存し

観光資源、歴史遺産として往時の姿をとどめているというから驚く!(@_@)

 

 

 

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なぜ、九州・熊本に石橋の技術が芽生えたのか?

 

 

それは、やはり加藤清正の熊本城の築城にさかのぼるようだ。

 

熊本城は慶長12年(1607)に築かれているので

すでに400年以上も前のことになる。

熊本城築城に際して活躍したのは近江(滋賀県)から来た近江石工衆。

この近江石工たちの技術が熊本の石工に伝わり

熊本石工の技術が飛躍的に向上したといわれている。

 

また、日本最初の石造りアーチ橋は

寛永11年(1634)に完成している長崎の眼鏡橋である。

この石橋は渡来した外国人より

中国の石橋の技術や古代ローマ時代からの石橋造りの技術を学び

多くの石橋が長崎で造られた。

その石橋造りに参加した多くの日本人石工達がその技術を持ち帰り

各地の石工達に伝藩したとされる。

 

 

 

種山石工の源を築いたといわれる 「林七(りんしち)

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種山石工の開祖といわれ、元は長崎奉行所の役人だった。

そのころ出島を訪れたオランダ人から目鑑橋(めがねばし)の技術を学ぶ

。しかし、そのころ外国人と接してはならぬというおきてをやぶったため林七は逃亡し

種山村(現東陽町)に身を隠した。

その間に石工の技術を習得し、熊本独特の目鑑橋の技術を完成したといわれている。

実際、村の中には林七が試しに造ったものと思われる

素朴で小さな目鑑橋が今もなお美しい曲線を描いている。

 

 

不朽の名声を残す希代の肥後の名工!

 


岩永三五郎 寛政5年(1793) ~ 嘉永4年(1851)


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前回の記事に既に書いているが、文化15年(1818)

熊本で最初に架けられた用水路・「尾亀滝橋(おけだけばし)」などを手がけ

名人といわれた人だ。

種山石工と紹介してあることも多いが、実は八代郡

 

野津手永西野津村の石工・宇七の次男であり正しくは「野津石工」である。

よって、この後紹介する橋本勘五郎とはまったく別の家柄なのである。

(三五郎は林七の子で勘五郎の叔父にあたると紹介されているものもある)

 

三五郎は道路建設や治水など土木事業全般にすぐれた技術を持っていた。

文政4年(1821)には、八代の七百町歩(約700ha)干拓に参加し

 

用水路や樋門、目鑑橋などの建設で活躍した結果

名字を名乗ることを許される。

 

そして、やはり三五郎といえば、天保13年(1842)

薩摩藩に迎えられ、その後、帰国するまでの約8年間に

わが国最初の多連式アーチ橋である鹿児島甲突川の

五大石橋(西田橋など)を造った棟梁として有名な人だ。

いくつもの目鑑橋架設や河川改修、新田開発に腕前を発揮し

 

その技術は神業とまでいわれた。

 

前回まで紹介してきた「霊台橋」を架けた宇助や「通潤橋」を築いた宇市は

彼の弟子だったといわれている。

 

 

 

日本の近代化を担った栄光!

 

 


橋本勘五郎 文政5年(1822) ~ 明治30年(1897)


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江戸末期から明治時代にかけて活躍し「種山石工」の名工の第一人者として

のちに名を全国に広めることになる。

元の名を種山の丈八(じょうはち)といい、父は嘉八、祖父は、最初に紹介した林七である。

 

多くの目鑑橋を築いた中で

兄の宇助と共に架けた美里町(旧砥用町)の「霊台橋」(国重文)は

単一アーチの規模としては国内最大である。

また、兄の宇市といっしょに架けた山都町(旧矢部町)の「通潤橋」(国重文)は

橋の上に3本の水路を設け

水道橋では、わが国最高の技術を誇る。

 

明治6年(1873)に政府により招かれ

東京において神田橋筋違目鑑橋(のちの万世橋)などを造る。

その後熊本に帰り明治8年(1875)には明八橋(めいはちばし)を

明治10年(1877)には明十橋(めいじゅうばし)などを築いた。

 

 

 

★石匠館の東隣にある「橋本勘五郎」の生家


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★裏の高台にある「橋本勘五郎」の墓


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石匠館のシンボル!

★支保工模型
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石橋造りの基礎である支保工を再現したものが

中央にドーン!とある。

 


★アーチ橋の秘密
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アーチの構造、種類、工法や「通潤橋」のしくみなど

橋の秘密に科学や技術の視点からせまる!

 

 

ボクもやってみる!(^∇^)
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こんな感じでホラッ 見事にアーチが・・・(*^▽^*)

 

 


★当時の石工の仕事ぶり
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石工たちが働く様子を大型ジオラマ模型で再現!


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こんなものまで
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この石は、石工が からだをきたえるために使用した

力石(ちからいし)  120kg!

 

 

そのほか、体験で学ぶ石工の知恵
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映像で見る目鑑橋の美しさ! 

石橋の出来るまで!等々見ることができる。

 

 

 

というような「石匠館」

機会があればぜひ一度お越しくださいまし!

 

 

 

硬い記事に最後までお付き合い頂いた皆さま方

 

 

 

大変お疲れさまでした。

 

 

 

以上をもちまして

今回の「石橋を歩く!」 シリーズ 

 

 

 

特にオチもなく

本当にオワリです・・・。(^▽^;) 

 

 

 

 

ありがとうございました (^O^)/  

 

 

 

 

 

亀吉@今までの石橋シリーズの記事を見て、

    内田康夫の推理小説「黄金の石橋」を読んだらおもしろいですよ(^_^)v

 

 

 

 

東陽 『石匠館』

八代市東陽町北98-2

0965-65-2700

大人200円 高・大学生200円

小中学生100円

9:00~16:30(入場16:00まで)

月曜休館(祝日の場合は翌日)

 

 

 


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東陽町のしょうがも忘れないでぇ~!





本日は以上です。

 

 

 

 

熊本で遊ぶ。熊本でお仕事。どちらもお泊りなら  

 

 

 

 

http://www.kamenoi.com/kashima/ (o^-')b

 

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