有明海に面した宇土(うと)市住吉町の住吉自然公園は梅雨時季の
“アジサイ”が一服の清涼剤として人々を楽しませてくれる。
有明海に突き出た小さい半島で、小高い杜の頂上には
古くから海上安全の守りとして崇拝されて来た「住吉神社」がある。
訪れたのは6月9日の薄曇りの夕刻。
これまた、満開の時には少々早かったようだが場所によっては
十分に咲いているところもあり写真も撮ることができた。
海岸線に沿ってアジサイは咲いている。
6月の梅雨に入ると、雨にうたれて鮮やかに咲くアジサイは
七変化とも呼ばれるように色が変化していく。
土壌の酸度により色が変化し
酸性だと青色、中性・アルカリ性だとピンク色や赤色になる。
★住吉神社への登り口 遊歩道を上がっていくと
★イギリスの海藻学者・ドゥルー女史記念碑
この付近の有明海では海苔の養殖が盛んに行われているが
海苔の胞子が貝殻に潜った糸状の生物(糸状体)を発見し
人々にとって悲願の海苔養殖への道を開いた。
まさに人工養殖の生みの親、今日の海苔養殖発展の恩人といえる人だ。
★日本最古といわれている住吉灯台
肥後細川藩6代藩主細川宣紀が江戸参勤の為山口県周防灘を航海中に暴風雨にあい
住吉神社を遥拝して難を免れたお礼に
享保9年(1724)この地に高灯籠を寄進したのが始まりといわれている。
昭和8年にコンクリート造りの高さが22.1mの灯台が建設され
その後昭和60年12月に現在の灯台が改築されている。
さらにそこから頂上を目指して登って行くと「住吉神社」への石段が見えて来る。
★住吉神社
1071年
肥後国司・菊池則隆が海上安全の祈願所として
大阪の住吉神社の分霊を祀ったのが始まりといわれている。
★毎年6月中旬頃には“紫陽花マンドリンコンサート
が開催され、多くの見学客で賑わう。
着るといふなり」 伊勢物語
(人の噂は仇のようなようなもので貴公子といわれても信じられません。
風流島に寄せる波は、まるで白絹を着たようですが
近くで見れば濡れ衣のようなものですから。)
有明海に浮かぶ「風流島(たはれじま)。」
★風流島(たはれじま)
別名「裸島」ともいわれ、地元では「たばこ島」とも呼ばれている。
島というよりは岩場で
周囲が0.1kmに満たないため「日本の島数」には数えられないが
頂上には高さ1.3m、幅1.1mの小さな鳥居があり
平安時代の伊勢物語や枕草子にも登場するという存在感を示す島だ。
奥には金峰山を望む。
有明海から緑川を通り熊本に入るうえでの玄関口として
この地は海上航路の要衝であったことが偲ばれる。
風に揺れるアジサイ、雲は緩やかに流れ、さざめく波の音。
潮の香りに薄らと差す夕刻の光が梅雨季の今を凝縮しているかのようだ。
亀吉@ 梅雨を楽しむ!
本日は以上です。