河港の面影が息づく「川尻」の町~ (2-2) | ✿ 日々是好日 ~ 降っても晴れても ~ ✿

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勤労学生時代から30年“喜怒哀楽”のサラリーマン人生を経て独立。数十店舗の外食企業が上場し全国700店超になるまでを経験。飲食業で育てられた男が、今度は “厳しくも愉しいホテル経営” に挑戦!「無常迅速、時人を待たず」を我が肝に銘じ。

 

熊本市川尻(かわしり)町は

九州の南と北をつなぐ重要地であり

緑川の下流域に位置するため川の後部=尻、即ち 「川尻」 となったらしい。

 

つまり先日案内したような

昔から河川や水運に関連し発展した町の文化に伝統と歴史を有している。

城下直近で、大河が位置し、有明海を経て海外に開けていたし

上流の山間部とも密接な関係を保っていた。

さらに薩摩街道筋における最も重要な地であったのだ。

 

 

 

まず、川尻の町を散策する出発点は、⇒ 「くまもと工芸会館」

 

 

コース的にはお決まりのようである。

人々の暮らしの中に生き続けてきた伝統工芸、新しく生まれた創作工芸

生活に根ざした工芸品などが展示してあり、実際に創作して

その知恵や工夫を学ぶことができる。

 

 

★くまもと工芸会館
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工芸会館の中から棟続きにある東肥大正蔵

 

 

★東肥大正蔵
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この蔵は大正13年に建てられたもので、酒の製造過程の紹介や

熊本特産で、正月にお屠蘇として飲む「赤酒」の販売等もされている。


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工芸会館を後にして・・・

 

 

大通り(旧3号線)から、川尻小学校の方へ入った小路の一帯

かつての高札場である。

 

 

★高札場(札の辻)跡 本町一丁目の角
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幕府や領主が決めた法度(はっと)や掟書(おきてがき)などを木の板札に書き

人目の引くように高く掲げておく場所で、当地の札は11枚建てであったと・・・

城下一等の「新一丁目御門」でさえ、7枚建てであったと云われているから

いかにこの川尻が栄えて、重要地であったかがわかる。

 

因みにこの裏無田川に架かる橋の素材は、宇土半島

真門地区のみに産する「真門石」が用いられているという。

 

橋のすぐ先にある川尻小学校内には、「上田 休(やすむ)」の

顕彰碑及び西南戦争の鎮撫隊本営跡がある。

 

 

★鎮撫隊本営跡
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休は、西南戦争による住民の困苦をみかね、鎮撫隊を結成して

治安維持にその務めを立派に果たした。しかし

官軍・薩軍のどちらにも属せず「局外中立」に徹した考え方が官軍には受け入れられず

寧ろ薩軍に味方したという罪を着せられ死刑に処せられた。

川尻最後の奉行職であり、享年48歳であった。

 

 

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昨年、この川尻小学校前から小路橋付近までの「路あかり」を舞台に

映画 「奇跡」 のロケが行われた。

 

 

 


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各家庭の軒先や路沿いに照らされた「路あかり」 。

ここ無田川の中にも火が灯り、幻想的な雰囲気を醸し出す。

 

 

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またその通りの界隈には

 

 

「木村の前に木村なし、木村の後に木村なし」 言われ

柔道界不世出の人と讃えられた柔道家、木村政彦を生んだ道場があった。

 

 

★木村政彦を育てた道場跡
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その先には酒造会社の酒蔵があり

 


★瑞鷹(ずいよう)酒造

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その敷地の一角は、本陣跡である。

 

★本陣(待賓館)跡
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本陣は、参勤交代で往来する薩摩藩や相良藩の藩主や

 

その一族等の宿泊場所であった。

大久保利通日記によると、文久2年(1862)、島津久光が幕府に「公武合体」を勧めるため

兵を1千人率いて上洛の折宿泊したと記しているそうだ。

さらに、先日の御蔵前船着場の方向へ歩みを進めると、薩軍本営跡に到る。

★薩軍本営跡
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西南戦争の際、陸路熊本を北上した薩軍は熊本鎮台攻略の拠点として

川尻に本営を構えたのである。

川尻の町は、西郷隆盛以下1万5千人余りの兵で埋め尽くされたという。


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この建物は本営として使われていた当時の姿を今もとどめており

玄関のしとみ戸が江戸期豪商の名残りである。

なお、当家は「文化庁登録有形文化財」及び熊本市の

「景観形成建造物」の指定を受けている。

 

 

この川尻の街の散策コースとしては、この薩軍本営跡の先に

先日案内した船着場跡及び川尻御蔵などがあるので

 

 

この後そちらを見たほうがよいであろう。

 

なお船着場跡の隣には観光案内所(といっても絵地図などが置いてあるだけだが)

設けられている。

 

 

 

ふたたび大通り(旧3号線)に出てみる。

 

 

 

 

職人の町である川尻は、かつては数百軒もあったと云われる

 

 

岡町・横町界隈を中心とした「刃物」、「桶屋」街があり

今や見る面影も少なくなっているが、川尻刃物の特徴は

軟鉄といわれる地金に良質の刃金(鋼)を割りいれる“合わせ鋼”の手法である。

手打ちで鍛え上げた刃物は

刃先から三分の二まで鋼が入っているので切れ味も良く

研ぐことができるので長く使うことができる。


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★林昭三刃物
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その他、川尻と言えばやはり和菓子職人の街!

 

これはまたの機会にとり上げてみたい。

今回は名前だけ・・・(*゚ー゚)ゞ

 

「開懐世利六菓匠(かわせりろっかしょう)

 

★六菓匠 岩本菓舗

★六菓匠 かずさ屋

★六菓匠 梅園

★六菓匠 たてやま

★六菓匠 いしはら

★六菓匠 天明堂

 

 

最後に河尻神宮へ・・・

 

 

★河尻神宮
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地元では「若宮さん」と呼ばれているこの河尻神宮。

 

古くは1197年が始まりとされ、昔は若宮五社大明神の名称であった。

加藤清正公が現在の地に社殿を造営し、祭礼を復活させ崇敬した。

今も続く秋季例大祭は

下がり馬や流鏑馬(やぶさめ)など、独特の盛り上がりをみせている。

 

 

★御神木の大柊
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境内には、長寿・魔除けの神木として名高い柊(ひいらぎ)そびえ

この大ひいらぎは日本一の大きさと推定されている。

 

 

街中を外れると田園風景があり、昔ながらの川の流れや

 

 

 

大樹が生い茂る神社公園には懐かしさが漂っている・・・。

 

 

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@: 昔は恰好の遊び場であったろう場所に

今は子どもの姿 を見ない。。。
 

 

 

 

 

本日は以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⇒ 小さいから楽しいホテルの経営



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