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MBCハウスで建てる鹿児島の家(ブログ)

家の構造は自分なりにこだわりました。ハウスメーカー選び、家の仕様、家造りの際のトラブル、採用してよかった点、住んでみてからの感想などを正直に書きます。今後みなさんの家造りの参考になれば幸いです。

■ 土台敷き
(私のやってしまった見落とし)



基礎が完成した後、土台敷きが始まります。


私の家は高気密・高断熱で夏涼しく、冬は暖かい家を目指し、
全熱交換型の換気システムのマーベックス社の澄家ECOハイブリッド(MBC開発では澄麗の名称)を採用します。


そのため、家の基礎は「基礎内断熱工法」となります。

kanki


土台敷きのポイントは

1.気密パッキンが隙間なく設置されているか。
2.アンカーボルトは適切な場所に配置されているか。
3.土台の水平が保たれているか。


の3点が大事だと思います。



基礎内断熱工法

まず基礎に気密パッキンを設置していきます。

↓気密パッキン
基礎パッキン1

基礎パッキン2

↓気密パッキンの上に土台を固定していきます。
土台1


基礎内断熱工法では、“床下も室内環境”となるので基礎の外周部は密閉された気密ライン内部は通気ができる基礎パッキンとなります。

気密されているとはいえ、基礎内は空気の流れを止めないことが1番大事です。
(空気の流れが止まると基礎内はカビだらけとなり、構造体にも健康にも悪影響が出る可能性があります)


そのため、換気システムの「澄家ECOハイブリッド」が湿度と温度を調節し、綺麗な空気を基礎内に流します。

基礎内に空気が適切に流れるかは、図面上で推測できるので、給気・排気の設計の段階でしっかりと確認することが特に大切です。

通気ライン


↓ 内部は通気用の基礎パッキン

通気基礎パッキン





気密パッキンが隙間なく設置されているか。

気密パッキンの継目がピッタリと密着している事は気密性を高めるためにも絶対に必要なことです。

その確認方法ですが、夜に継目部分に懐中電灯を当て、反対側から目視し、光が漏れていたら気密漏れが疑われます。

気密漏れ

↑数カ所、光が漏れる所が確認できました。

とても丁寧な施工だったのですがアンカーボルトと気密パッキンとの兼ね合いでどうしても発生してしまいます。(今後、この方法でされる方は私の担当の現場監督さんが有効な対策を発案されていたので光漏れは無くなると思います。)

私の場合は、補修となります。
考えた方法は3つあります。

①発泡ウレタンで隙間を埋める
②気密テープで隙間を塞ぐ
③シーリングで隙間を埋める

①発泡ウレタンは気密と断熱補強にもなるが、「光が入る≒紫外線が入る」ことになります。発泡ウレタンは紫外線環境下では経年によって痩せてしまう
②気密テープは他の方法と比較して、安価で確実性は高いものの、長期耐久性について欠く。
③シーリング材はもともと屋外で使用するもののため強い上に、私が外壁に採用したシーリングは高耐久性シーリング材のためより長持ちする。

ということで、ケイミュー超耐久シーリング材で補修することにしました。

↓この後、発泡ウレタンを内側に吹くため、先に室内側から補修しています

気密パッキン補修





アンカーボルトが適切に配置されているか


その中でも、ポイントは土台継手部分の「男木仕口にアンカーボルトが設置してある」ことが大切です。

アンカーボルトは男木仕口に設置していないと地震の時に土台が外れる可能性があります。
もともと土台はプレカット工場で4mの定尺で運ばれてきます。なるべく細切れにしない方が(継手を少なく)構造的にも有利で、建築会社も材料が無駄にならないよう定尺のまま配置していきます。その継手の部分のチェックは大事だと思います。

男木仕口

↓必ず男木側にはアンカーボルト

男木にアンカーボルト




土台の水平が保たれているか。

床の工法にも種類がありますが、(例えば松下孝建設さんの根太落し込み工法)
MBC開発は、地震に強いと評判の剛床工法を採用しています。
剛床工法は施主、建築会社双方にメリットが有るため現在主流の工法です。

しかし、剛床工法は土台や梁の傾きは、そのまま床の傾きとなって表れます。

水平確認

そのためには前回の記事に書いた基礎天端レベルの精度も重要となります。














【やってしまった私の見落とし】

見落としたのは基礎の断熱材の配置についてです。

下の写真を見てもらえば分かるのですが、青いラインが設計上、断熱材が入る予定の部分です。
私としては下の写真の赤のラインにも断熱材を埋め込みたかったです。

断熱欠損

事前に希望を伝えておけば、断熱材を埋設できたのですが後の祭りです。


その後、設計士責任者さんに相談したところ、

「土間の広さによっては断熱材を施工したりするが、今回は施主の希望する仕上げに支障をきたすこと、この部分を含めたUA値の算出により断熱材は無しで設計している」とのことでした。

これは「改正省エネ基準」でも当たり前の設計で、高断熱を売りにしている他の建築会社でもこの仕様が一般的です。
それに私の家の場合、この土間部分を計算に入れても北海道の基準を上回っています。【外皮平均熱貫流率UA値】

基準も、計算上も問題なし。

しかし、基礎部分だけですが玄関が“外扱い”になってしまうのが嫌なのです。
土間はコンクリートでできています。
コンクリートの場合、一般的な断熱材グラスウール10cmと断熱性を同じにするには、3メートル以上必要です。
つまり、熱を伝えやすく、蓄熱しやすい。



その週の土曜日、設計士責任者さんと現場監督さんに相談した所、、

↓削ってもらえました。ここにボード状の断熱材を埋め込みます。(鉄筋は無いので削っても構造上問題ない)

断熱欠損はつる
急な私の要望に応えてくださって感謝しております、ありがとうございました(;_;)


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MBC開発の基礎ってどんなの?(その3)


MBC開発と契約後、いよいよ着工前になると『設計監理書』と呼ばれる青い冊子を現場監督から渡されます。
そこには、図面を含め構造計算、設備などのマイホームに関する全てが書かれています。


設計監理書



この青い冊子に基礎伏図、基礎断面図なども書かれているので、それを元に基礎工事をチェックしていくこととなります。

しかし、基礎工事のチェックはどこに注目すべきか分かりづらいです。

今回、私がいろいろ勉強した中で、ここは押さえていたほうが良いと感じた簡単なポイントを書いていきます。



↓MBC開発の基礎。三井ホームの超剛性ベタ基礎『マットスラブ』を彷彿させる鉄筋の多さ。

基礎配筋



鉄筋コンクリートの寿命は、
鉄筋にどれだけ厚くコンクリートを囲めるか。が1番のポイントです(かぶり厚)。


そのためには、基礎立ち上がり幅は150mm以上あるか?
他の工務店などでは今でも120mm程度で施工してあるところもあります。これは、危険です。
適切なかぶり厚が確保できない箇所が出るので、必ず150mm以上に変更できるか、確認をした方がいいです。

かぶり厚




スペーサー(サイコロ)が埋もれているとダメ(下からのかぶり厚確保)、それが約1m間隔で置かれているか。
樹脂製のものやらスチール製やらあるが、MBC開発ではコンクリート製のものです。
サイコロが埋もれている場合、ランマー転圧(土の押し固め作業)が不十分です。

サイコロ



この次に、底面の打設(コンクリートを流し込む事)をします。
固まり次第、立ち上がりの打設へと移ります。
コンクリートの打設は必ず雨の降らない時にすること!!!
コンクリートが少し固まれば雨が降ろうと、浸かろうと、あまり心配ないです。
コンクリートは乾いて固まるわけでなく、水と結合して固まりますので問題ないです。



コンクリートはかぶり厚が命です。
立ち上がり150mm幅で、配筋が真ん中をきれいに通っていたら、それで大丈夫です。
(立ち上がりのかぶり厚は50mm以上あればOK)

配筋




ホールダウン金物は所定の場所に固定されているか。打設後も傾きがないか。
(ホールダウン金物は柱と連結されるため、必ず事前に固定される。場所は現場監督さんに確認すれば図面で教えてくれます)
↓固定されたホールダウン金物(一番背の高いボルトがそれです)

ホールダウン金物



配管などの、貫通口の直径100mm以上の場合、補強筋を入れてもらってください。(私はこの日、風邪からの高熱で確認できませんでした。。。)



それと、私は止水プレートを入れました。
現場監督さんの行動力のおかげでギリギリセーフで導入することができました。

止水プレート

止水プレートって何?ですが、、

現在、基礎造りには工場であらかじめ造って現場に運び入れるPC基礎と、一体打ち(県民住宅さんが採用)、2回打ちと、いろいろやり方があります。
私はどの工法にもデメリットは存在すると考えています。
MBC開発では2回打ちです。

2回打ちとは、まず底面である水平部分にコンクリートを流し込み、固まりしだい、垂直部分(立ち上がり)にコンクリートを流し込み固めます。そのため、継ぎ目が生じます。

この継ぎ目が2回打ちのデメリットです。

大雨の時などの浸水(鹿児島は火山灰の影響で排水口が詰まりやすい)、またはシロアリの侵入経路になりやすい箇所です。

↓深基礎部分なので継ぎ目が高い位置にありますが、通常は土のすぐ近くです。

基礎継ぎ目

そこで、止水プレートはその弱点である継ぎ目の部分に薄い鋼板プレートを埋め込みます。
ただそれだけなのですが、効果は絶大です。




基礎工事には他にも下記のようなチェックしなければならない項目があります。
(外周、内部立ち上がり配筋・スラブ配筋・基礎梁の配筋・隅角補強・継手定着長さ・防湿シートの破れと補修・人通口の補強・レイタンス除去など) 

このチェックポイントには問題がありませんでした。

ただし、上記ピンク色で書いた部分は、大切なので、しっかりとチェックを入れた方がいいと思います。
人が造る以上、ミスは起こる可能性があります。基礎屋さんに直接聞いてもいいですが、おそらく専門用語混じりで説明されますので、わからないことは担当の現場監督さんに聞くのがベストだと思います。




今回、基礎造りのアンカーボルトを田植え方式で行ったことは許しがたいですが、
いずれにせよ、完成した基礎はホールダウン金物、アンカーボルトの位置・傾き、天端レベル±3mm以内と、素晴らしい出来でした。


『基礎』は、家造りで重要な部分ですが、着工してすぐに始まり、あっという間に終わるため基礎屋さんは施主から感謝される事なく去りゆくのが日常だと思います。 しかし、今回、天端レベルの精度も ±3ミリの素晴らしい仕上がりでした。MBC開発の基礎やさんは普段通りの作業でその目標値を達成できるのだということがわかりました。

基礎屋さん、暑い中の作業おつかれまでした。




天端レベル測定

天端レベル


天端レベル2


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MBC開発の基礎ってどんなの?(その2)


アンカーボルト田植え 

結論から書きます。


結果的に素晴らしい基礎に仕上がっていました。
ただし、その過程が私の望まない方法であり、今でも残念に感じています。

それは、アンカーボルトが事前に結束されていなかったからです。



現在、基礎の型枠が外れるところまで来ています。

前回も書きましたが、私はMBC開発の基礎工事を見るのは今回が初めてでした。


MBC開発にはMBCハウスの木造事業だけでなく、MBCビルドというマンション・ビル等を手掛ける部署もあります。
紫原に建つ3階建て(3世代住宅)の邸宅もMBCビルドの手がけたものの一つです。完成後、部屋の中から屋上まで見せていただいた事があります。

鹿児島にはRC(鉄筋コンクリート)造りといえば、ベロコンハウスや小永吉建設などがありますが、小永吉建設のラーメン工法(通常は壁式)やベロコンハウスの壁式工法を見てきましたが、それぞれを比較した時にMBCビルドが圧倒的に良いという印象でした。

つまり、MBCハウスは木造事業とはいえ、他のメーカーよりもRC施工には慣れており、安心・確実だろうと思っておりました。
私自身、その”思い込み”からMBCハウスの基礎に関しての事前のチェックが甘くなったと反省しております。





私がMBC開発にお願いした基礎(長期優良住宅仕様)の要望は3つありました。

1.基礎天端が水平であること(誤差±3mm以内を目指す)
2.アンカーボルトを事前に結束すること
3.雨の時は打設(コンクリートを流しこむこと)しない





1.基礎天端が水平であること

要望した理由は、以前MBCハウス設計責任者さんと気密の件で話をした際に、星ケ峯みなみ台モデルハウスでの気密測定の際、「床下からの気密漏れがわずかにあった」とのことでした。
そのため、私の家では基礎断熱部分の断熱材を気密強化目的でアクアフォームに変更してあります。(通常、基礎断熱ではA種 押出法ポリスチレンフォーム保温板)
さらに、基礎天端の不陸をなくすこと(水平にすること)も、気密パッキンを使用するとはいえ、気密性の確保と維持において重要なポイントとなります。 MBC開発の使用する基礎気密パッキンの素材はEPDM(スポンジ状)で圧縮率が高く、チューブ状のものと比べ、より基礎天端レベルが必要となります。(精度が求められるが換気システム澄家ecoとの相性は抜群)


2.アンカーボルトを事前に結束

アンカーボルトの設置の方法には主に2種類あります。

一つは、事前に配筋と結束する方法。

一つは、田植え式。


事前に結束する方法は、コンクリートを流しこむ前にあらかじめ図面通りの場所に垂直に設置・固定しておく方法です。
事前に確認ができるため間違いがありません。決して特殊な作業ではなく、大手ハウスメーカーでは標準的に採用されている方法です。

それに対し、田植え式とはコンクリートを打設(流し込み)しながらアンカーボルトを稲を植えるような感じで、その場で差し込んでいく方法です。
コンクリートの流しこみは時間との勝負なので(25℃以上の外気温で90分以内)
慣れていない作業者が、ゆっくり差し込んでいく暇はありません。


基礎が完成してしまうと田植え行為を行ったかどうかがわからなくなりますので、注意が必要です。


そもそも、アンカーボルトの役割とは、
台風や地震により建物には水平力(横からの力)がかかります。
その横からの力に耐えるように耐力壁や金物を使って強固にしていきます。
私の家も耐震等級3です。
ただし、壁や金物で強固にすればするほど土台に引っ張る力が発生します。
アンカーボルトは土台と基礎が抜けて倒壊しないようにする大切な役割があります。



田植え方式の場合、作業効率は上がりますが、図面通り(構造計算通り)にできないというリスクも高まります。せっかくのN値計算も意味がなくなります。
限られた時間の中、目測での施工となるので傾いてしまったり、生コンに差し込む際に空気が入り、コンクリートの割れが発生するだけでなく年数経過で爆裂するリスクが上がります。


アンカーボルトは設置した方が良い場所、または設置すると逆に構造上極端に弱くなってしまう場所(継ぎ目の部分など)も存在します。

それらは、現場を見ただけでは分かりません。図面で確認しながらの作業になります。

このアンカーボルトは瑕疵担保責任の対象となり、施工者の責任が法的に義務化されている部分です。




3.雨の時は打設しない

夏時期で雨も多かったことから、念のため要望として伝えてありました。






前回も書きましたが、
MBCハウスは、基礎工事で委託しているのは現在信頼のおける1社だけとの契約です。

今回は、お願いしていたやり方ではない方法での施工でありました。
確かに今回の基礎屋さんは作業が丁寧で、最後の仕上げまできっちり仕事がなされていました。技術もあり、誤差も±3mm以内に収まっていました。 MBC開発の標準仕様のアンカーボルトは他社が使用しているM12ではなく、高性能なフリークランクアンカーボルトを使用していました。それだけに、お願いしていた結束方式でなく、田植え方式だったことが残念です。

MBCハウスは、現在パッシブデザイン第一人者(野池氏)が推薦する建設会社となっています。
パッシブデザインの大きなメリットの1つに、基礎部分のコンクリートスラブを蓄熱体として利用することがあります。
そうであれば、基礎部分は他社の床断熱工法以上に、基礎断熱工法の施工精度を高めなければなりません。


コンピューターで算出した通りの基礎を恒常的に造るためには職人の経験、技術に左右されることがあってはなりません。今回、私は職人さんの技術が良かったために助けられましたが、次にMBC開発で契約される方が同じような精度でいくかは、わかりません。ですから、MBC開発だけに限らず建設会社と契約される方、もしくは打ち合わせ中の方は旧来の田植え方式か、結束方式かは、確認すべきだと思います。


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