皆さんこんばんは。
恒例の夜中の本紹介。
「人でなしの櫻」 遠田潤子
見つけたら必ず読む遠田作品。
さて今作はどうでしょうか?
主人公はは妻子を亡くし、絵の描けなくなった日本画家。
父親は高名な天才料理人で、自身はその後を継ぐ気が無かった為絶縁され付き合いが長年ない状態でした。
ある日、その父がマンションで死だので来て欲しいと秘書から連絡があります。
何故自分に連絡があったのか?不思議に思ってい行くと、そこには見知らぬ少女がいました。
その少女は父親が怪しい組織から誘拐した少女を買い、マンションに11年間監禁していた19歳の少女でした。
一歩も外に出ず育った少女は外の世界の事は何も分からない上に、誰かに依存しないと生きられない様になっていました。
初めは本当の両親の元に返して、元に戻るのを手伝っていた主人公ですが、何時しか彼女に惹かれ、何と彼女を病院から連れ出して、父と同じく彼女を監禁してしまいます。
しかし父と違うのは主人公は自身の余命を知り、彼女がモデルの絵を描きまくる生活を送ります。
果たして二人の行く末は?
と言う物語。
今までの遠田作品とは少し毛色が違う印象。
タブーにも踏み込んだチャレンジは好感が持てますが、この手の似た様な物語は過去に色んな作家さんが書いている。
それを超えているか?と言われるとそうではない。
そして前作の時にも書いたけど、如何せん物語が古すぎる感じが拭えない。
昭和の香りは遠田さんの持ち味ではあるんだけど、現在の世の中とはズレている展開も感じる。
そこは目をつぶっても、もっと何処かにベクトルは振れて欲しかったかな?
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家だった。憎むべき父の秘密に直面しながら清秀は19歳の蓮子にひかれ、描く