住友生命いずみホールのパイプオルガン | 住友生命いずみホールのブログ

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住友生命いずみホールの客席に入ると、まず目に飛び込んでくるパイプオルガンキラキラ

フランスの北東部に位置する「アルザス地方」に工房を構えるケーニヒ社が、1990年の住友生命いずみホール開館に合わせて制作いたしました。

 

 

1つの楽器で様々な音色、音量を出すことができ、「楽器の王様」と言われるパイプオルガン。

1台1台異なる個性を持っています。

音を鳴らす仕組みは、息を吹き込んで鳴らす笛と同じ。

住友生命いずみホールのパイプオルガンは、電動モーターで”ふいご”を動かし、パイプに風を送って音を鳴らします。

 

音を奏でるための重要な役割を果たす3つのポイントについてお伝えします。

 

【パイプ】

住友生命いずみホールのパイプオルガンには、材質や形が異なるパイプが合計3623本あります。

最大のパイプは、直径28㎝、長さ6m、重さ100㎏です。

最小のもので、直径3㎜、長さ8㎜、重さ20gです。

1本のパイプでは、1種類の音色1つの音程が鳴ります。

1オクターブを弾くためには、12本のパイプが必要になります。

2種類の音を重ねて鳴らすためには、2倍の24本のパイプが必要になります。

幅広い音域と多様な音色は、バラエティに富んだパイプから生まれます。

 

  ©樋川智昭

 

【ストップ(音栓)】

パイプに風を送るために操作する取っ手状のものを「ストップ」と呼びます。

例えば、「フルート」のストップを操作して(引っ張って栓を開け、風の通り道を作る)、鍵盤を押さえると「フルート」の音色が鳴ります。そこに「トランペット」のストップを併せて操作すると「フルートとトランペット」2種類のパイプが同時に鳴ります。

住友生命いずみホールのパイプオルガンには、このストップが46本あります。

 

【鍵盤】

住友生命いずみホールのパイプオルガンは、手で弾く鍵盤は4段あり、下から第1手鍵盤、第2手鍵盤・・・と呼びます。足で弾く鍵盤は1段あります。それぞれの鍵盤に固有のパイプ群が設けられています。

そのため、2段の鍵盤を弾いて、異なる音色・音域を同時に鳴らすことができます。

 

このようにストップと鍵盤の組み合わせによって、たくさんの音色を鳴らすことが可能になります。

オルガニストは、ストップの組み合わせを楽器のメモリー機能に記憶させておき、曲を演奏する際は操作ボタンを使ってメモリーを呼び出します。

オルガニストが音色と音域をブレンドするこの作業を「レジストレーション」と呼びます。

楽器ごとにストップも音色も異なるオルガン演奏にとって、この作業はとても大切で、オルガニストの腕の見せどころのひとつともいえます。

 

次のブログでは、この楽器の音色の特徴等についてお伝えしますニコニコ

 

この楽器が鳴り響く「フランス・オルガン音楽の魅惑」シリーズ第3弾は、11月18日(土)にございます。

パイプオルガンの音色や、オルガニストがどのように音色作り(レジストレーション)をしているのか、この公演で体験されてみてはいかがでしょうかニコニコ