本日6/17(月)17時から、池袋要町にあるイベントバーエデン本店で元受刑者BARを開催します!




1日店長はわたくし湯浅と、とかちダルク元理事長の宿輪龍英さんです。


宿輪さんは私が人生目標としている保護司になられています。受刑5回でも保護司になれる、こんな素晴らしい希望はありません。


刑務所、薬物依存症、オーバードーズ(OD)、ダルク、受刑者や前科者の社会復帰についてお話しします。宿輪さんのギター弾き語りあり!


宿輪さんは日本全国を飛び回る方でなかなか捕まえることができません(笑)宿輪さんに会いたい方はぜひ池袋要町に遊びに来てください。


もちろん湯浅と話をしてみたい方も大歓迎です!


皆さまのご来店を心からお待ちしております。

前回のブログでは刑務所内の処遇の変化について書きました。

三重刑務所に収監されている子から久々に手紙が届き、受刑者の「さん」付けが始まり行進が無くなったと書かれていました。

 



読者のみなさんのご意見はどれも私の心にグッとくるものがありました。ぜひ紹介させてください。

 

犯罪を振り返り再犯しないための教えが不可欠

 

「さん」付け改革は、受刑者ではなく刑務官の意識改善のためではないでしょうか。
受刑者は法に触れたとはいえ、刑務官が虐めたり虐待したりしていいわけじゃありません。世間一般の偏見とは違い、公の人間が差別的取扱いをすることに問題があるのだと思います。
個人が偏見を持っていても、それは個人の問題ですが、社会を代表する立場となればそうはいきません。
欧米の刑務所は待遇が良いし、再犯率も低いとどこかで目にしたことがあります。
やたら厳しくするのがいいとは思えません。「さん」づけも待遇改善も悪くないです。
しかし、受刑者の教育制度は絶対に必要だと思います。ただ、職業訓練や社会復帰訓練の前に。犯罪を振り返り、再犯しないための教えが不可欠ではないでしょうか。
たぶんそこが、違和感の正体かなと思いました。

 

いつも的確なコメントをくださる読者さんのご意見です。

職業訓練や社会復帰訓練の前に、自分の犯した罪と向き合い、再犯しないための教育が必要だとおっしゃっています。

その通りなんです!なぜ法務省は、刑務所はその一番大切な教育をしないんだ!!!と湯浅はいつも憤っています。

殺人の受刑者にもこれといった教育がなされていないことを知った私は、刑務所はただ犯罪者を閉じ込め作業をさせる場所なんだと思いました。

今の活動をするきっかけとなった一つの出来事でもあります。

 

罪名が殺人でも教育は無し


私と釈放前指導で一緒だった罪名が殺人の受刑者に、どんな教育が行われていたのかを聞いたら「何もなかったよ」と言いました。

何度も過去ブログで書いていますが、命を奪われた方のご家族の気持ちや、出所後の贖罪について考えさせるような教育が行われて「いるのだろう」と、私は勝手に思っていたのです。
 

実際は違いました。何も行われていなかったのが現実です。

※私が服役していたのは栃木刑務所で、釈放前指導を2016年10月に受けています。殺人の受刑者から話を聞いたのはこの頃ですので、現在は教育が変化している「可能性がある」ことを付け加えさせていただきます。

 

再犯しないために自分が出来ること、やらなくてはならないこと、なぜ犯罪を犯したのかその根っこをとことん掘り下げること、これらを教育に取り入れて行かないと再犯率は下がらないと湯浅は思います。

 

理解されないなら良くも悪くも関心を向けられない方がいい

 

旦那さんのように「ふ~ん」ならまだマシ。問題なのは理不尽に排除されたり攻撃されたりすること。悔しいけど泣き寝入りするしかない前科者やその家族近親者もいると思います。
「犯罪者のくせに」、これはもう私のような人間にとっては最大最強の切り札的な言葉で、そう言われれば何も言い返せなくなります。差別や偏見を向けられるくらいなら無関心でいてくれた方がまだマシ、と思ってしまうのも本音。決してそれでいいとは思いませんが、どうせ理解されないのなら良くも悪くも関心を向けられない方がいい、そっとしといてくれ、放っといてくれ、という気持ちを持つ前科者も少なくないと思います。
私は旧監獄法の頃も、現行法に変わってからも両方経験しましたが、法改正後に私が感じた緩さより更に緩くなっていることは各方面から聞きますし、本当にこれでいいのかな、本当にそれが反省を促し、更生や社会復帰に必要なことなのかな、というのが正直な思いです。
受刑者に対する暴行や暴言は以ての外ですが、だからと言って「さん」付けなんて小学校と同じ方法で問題が解決するのか、甚だ疑問ですね。

 

こちらは元受刑者の方のご意見です。

関係者以外に攻撃されるいわれはありませんよね。私を攻撃できるのは被害者の方と被害店舗の方、私が直接迷惑をかけてしまった人だけだと思っています。

どうせ理解してもらえない、と卑屈になるのは決して良いことではありませんが、この方は出所後にそれだけの偏見・差別・攻撃を受けて来られたのでしょう。
 

緩くなることで本当に反省を促せる?

 

ここです。ルールが緩和されることで受刑者の反省を促せるのかどうか?

促せないですよね。今回の「さん」付け改革は1つ目のコメントに書かれている通り、受刑者ではなく刑務官の意識改善なのですから。

日本の刑務所は受刑者に軍隊のような動きを強制することで、「健全な精神を育む」意味合いが強いと思っています。

欧米と比べ精神論・根性論が根強いのが日本です。

行進が無くなることで受刑者は間違いなくだらけると思いますが、新法が完全に浸透すればだらける人も少しずつ居なくなるでしょう。

 

旧法と新法が入り乱れる現在が教育をしにくい環境を作っていると感じます。

 

出所後が怖く不安でしかなかった

 

元受刑者とそうでない方が差別なく共に暮らすというのは現実的には難しいように思います。私も、もし犯罪とは無縁な人間だったら元受刑者と知った時点で距離を置いていたと思います。
私は出所後、元受刑者として雇って下さった会社に勤めたのですが、差別があり凄く辛い思いをしました。他の方と同じように接してくれるだけで良いのに、赤ちゃん言葉で話されたり無視や嫌がらせなど、人間ではないような扱いを受け耐えられずに逃げてしまいました。書かれているように、自分から明るく挨拶をしたり話しかけたり歩み寄ろうとしたのですが現実は厳しすぎました。
このような経験から外で働くのは無理だと諦めようと思いました。その時に出会ったのが湯浅さんのブログです。そして「怖い・・怖い・・」と泣きながらも湯浅さんのブログを読んで安定剤を服用して一睡もしないまま再び外の世界で頑張って働き始めました。
もう既にブログに書かれていますが”元受刑者で立派に社会復帰している人の話”というのが一番力になると思います。服役中、社会復帰を完全にされた方の話がなく出所後の事が怖くて怖くて不安でしかなかったです。

 

この方も元受刑者です。書かれている内容を読むと本当に腹立たしいです。

元受刑者と理解した上で会社が雇用したにもかかわらず、この方が元受刑者だと社員に個人情報を漏洩させ、会社はいじめを黙認した。

自ら歩み寄ろうと努力されたこと、自分はこういう目に遭っても仕方がないと思いながら働かれたと思うと涙が出ます。

私の自論ですが、虐げられている人が自分より弱い立場の人をさらに虐げます。

受刑者ではなくても犯罪を犯したことが無くても、性根がねじ曲がった人間はいます。そんな人たちに振り回される時間が非常に勿体ないので、逃げて大正解です!

 

出所後の不安を減らし希望を持つ

 

私も受刑中、この方と同じように社会復帰を恐ろしく思っていた1人です。

ここから出てやっていけるのか?ろくに働いたことが無い、夜職や風俗・パチ屋でしか働いた経験が無い、学歴も無い、しかも刺青だらけの37歳(当時)、こんな私を誰が雇うの?

子供を作ったとして、私が受刑者だと周囲に知られれば間違いなくいじめに遭うだろうし、虐待を受けてきた私が自分の子供に虐待しないとは言い切れない、いやむしろ連鎖するからきっと虐待するだろう。

外に出るのが怖い。やっていける自信が無い。

そう思っていたときです。立川拘置所の矯正指導日で進藤さんの講話が流れます。

講話を聞いた私は進藤さんから大きな希望をいただいたのです。

こんな私でも、学歴が無くても刺青があっても、人生をやり直せるかも知れない……!

 

更生と希望はセット

 

自分のYouTubeチャンネルでも、街録chさんでもTV取材でも、どんな媒体の取材でも同じことをお話しするようにしていますが、更生と希望・勇気はセットなんです。

 

 

 

 

自分の過去を振り返り自省することは、1つ目のコメントにもありますがとっても大切なことです。

人生の振り返りをせず己の罪と向き合わずに出所した人は、必ず再犯するとまで言いませんが、その後の人生は決してうまくいかないですし、人間関係で躓く人がほとんどではないかと思います。

自分を見つめるって辛いんです。辛い過去ややらかしたことは、出来ることなら封印したいし思い出したくもない。

辛いからこそ、その先に希望が見えないと人生の棚卸しができないと思います。

更生と回復、希望はセットなのです。

 

 

コメントを読んで決意を新たに

 

今回いただいたコメントを読んで私が思ったことです。

・今の活動をコツコツ続ける
・表に出過ぎることを快く思わない人もいる
・元受刑者の想いを代弁できるのは実名顔出しをしている元受刑者
・一般の方でも理解を示してくださる方は居る
・希望は絶対に必要
・進んできた道は間違っていない
・苦言を大切に、謙虚に生きる
 

前回のブログを書くことで自分に何ができるか、何をやるのかが明確になり、更に目標を絞ることができました。

皆さんのご意見が湯浅を育てます。これからも忌憚のないご意見をどしどしお待ちしております。

コメントをくださった皆さん、本当にありがとうございました!

 

前回のブログでは釈放前指導がどんなものか書きました。

刑務所とは無縁の方は刑務所でどんな指導が行われているか、教育があるのか全く分からないと思いますので、私が収監されていたころの経験を今後もお伝えしていきます。

お伝えする理由は、刑務所の内情を知らないと、批判することも改善することも出来ないと考えるからです。

 

 

無知が偏見や差別を生む

 

まず知っていただくことがとても大切です。
知識を持った上で建設的な意見を出し、改善できるように各々ができることをやればいい。

夫が釈放前指導のブログを読んで、「へぇ~、全然知らなかった。2週間じゃ何もできないよね」と言いましたが、元受刑者の家族でさえ釈放前指導のことをほとんど知らないのです。

私が活動を続ける中でやっと依存症・発達障害・境界知能・矯正教育・刑務所・前科者に興味を持つようになりましたが、それでも関心は薄いです。

関心が薄い理由は、自分に直接関係が無いからだと思います。

 

 

社会生活で元受刑者と接する機会が無い


私は元受刑者ですが、夫婦生活を送る中で今のところ弊害はありません。

夫の会社に元受刑者も前科者も一人も居ないので、社会生活を送る中で元受刑者や前科者から迷惑を被ることも、困ることもありません。

仕事以外の部分では元受刑者と接していると思います。

例えば飲食店の店員さんや職人さんなど、接客業をされている元受刑者や前科者と一瞬交わることはあっても、一緒に仕事をしたり長時間過ごすといった経験は無いわけです。

私のことでは大いに迷惑を被り困った夫ですが、社会復帰した受刑者や前科者を実際に見たことが無いし困らされた経験がないので、私の考えていることを伝えてもリアリティが無いのだと思います。

「ふ~ん、そういうものなんだ」といった感じ。かと言って調べようと思うほどの関心は持てない。

きっと日本国民は、夫のような人がほとんどなのだと思います。

 

 

見えないと知りようが無い

 

夫を例に出しましたが、見えないから身近に前科者がいるとは想像しませんし、知ろうとも思いません。

なごみちゃんのエピソードも面白いので書いていきます。

進藤さんと湯浅で対談動画を撮影する予定になっているのですが、これまで依存とも前科とも全く関係のないなごみちゃんに、「なごみちゃんから進藤さんに質問があったら教えてほしい」と伝えました。なごみちゃんは湯浅のYouTube編集者です

 

私の中でヤクザは身近で、夜職で愛人生活を送っていたからある程度のことを知っています。

 

なごみちゃんの質問の目の付け所がとても面白かったのです。


・ヤクザにはどうやって入るんですか?
ヤクザに就職するにはどうすればいい?面接とかあるの?

・ヤクザはお給料がどこから出るんですか?
毎月固定給が入るのか?どんな仕事をするのか?労働時間は何時間か?

視点が面白くないですか?私も改めて聞いてみたいと思うような事柄です。


なごみちゃんも知らないうちにヤクザとすれ違ったことはあるでしょうが、実際のヤクザと交流を持ったことはありません。

一般人に紛れてヤクザは間違いなく存在しているけれど、見えない。見えないのだから知りようが無いですよね。

ヤクザを知らないなごみちゃんだからこそ、このような面白い視点の質問が出てくるのだと思います。

 

 

想像をしてください


あなたが絶対に犯罪者にならないと言い切ることは出来ないと思います。認知症の高齢者が急に飛び出し車で轢いてしまうかも知れません。

あなたが絶対に被害者にならないと言い切ることも出来ないと思います。いつ詐欺・強盗・窃盗被害・通り魔に遭うか分かりません。

あなたではなく大切な人や友人、家族や職場の人が犯罪者や被害者になる可能性も0ではありません。


前回のブログでも書きましたが、受刑者はいつか必ず社会復帰します。

犯罪を犯したことのない方も、被害者の方も前科者も、共生をしていくのです。

 

私は道を踏み外したものを一発アウトで排斥せず、共に生きる道を探していきたいのです。

長い道のりです。加害者と被害者が理解し合うことは難しいかも知れない。

それでも相手を慮ったり寄り添うことはできます。その努力はまず前科者からする必要があります。

 

 

三重刑務所からの手紙

 

タイトルの回収をしていきます。

私は三重刑務所に受刑中の子と文通をしています。久しぶりの手紙でしたが、どうやら懲罰を受けていたようです。

 

懲罰のせいで今はお菓子が食べられない4類に下がりましたが、3類に上がれるように頑張りますと書かれていました。

刑務所では3類と言う身分になるとお菓子を月1回購入できます。

好きなお菓子ではなく刑務所が準備するお菓子を買えるのですが、私はアルフォート・ココナッツサブレ・ファンタ・カルピスウォーターを食べたり飲んだりしました。(他にも色々ありますが今思い出せるのはこのくらい)

 

 

さて、この一文を読んで皆さんは何を思いますか?

受刑者を「さん」づけで呼んだり、行進を無くすことが果たして受刑者の社会復帰の役に立つでしょうか?
 

 

「さん」づけになった経緯は上記の記事ですが、そんなことよりも他にやる事があると私は思うのです。

 

それが教育です。

社会復帰後の弊害を伝えることはもちろん、元受刑者で立派に社会復帰している人の話を聞かせたり、規則正しい生活を送ることの大切さ、納税、健康保険、年金の仕組み、生活保護の申請と受給方法etc.


書き始めたら止まらないのでここで止めておきますが、私はこれからも刑務所で実施した方がいい事や教育について、皆さんに伝え続けます。

見えないフリをせず、臭いものに蓋をせず、閉鎖的な空間である刑務所の内情を知っていただき、皆で共に生きる道を本気で考えたいのです。


 

私のブログの読者さんのご意見をぜひ伺いたいです。コメントをどしどしお待ちしております。

 

3月19日に開催した元女子受刑者BARの様子を動画にupしました。

たくさんの方に来ていただきました。本当にありがとうございます。

みんなでワイワイおしゃべりしている様子を観ていただければと思います。

 

6月17日に第2回目を開催します!

正式な告知はまた後日させていただきます。

 

 

前回のブログでは優しい人=理解者ではないとを書きました。

自分を本当に理解してくれる人はときに厳しく、突き放すような行動を取ることがあります。

依存症者や元受刑者の方は、自分への敵意からくる行動なのか、自分のことを想いあえて苦言を呈しているのか、見分ける力を養ってほしいと思います。

回復や更生を願う側のご家族、パートナー、ご友人は、境界線をしっかり引いて自分が手助けすることでお相手の未来がどうなるか、少し立ち止まって考えてみてください。

杖が無いと歩けない状態をずっと続ければ、歩くのが辛くなり、億劫になり、杖無しでは生きられなくなります。歩くことさえ諦めてしまうかもしれない。

依存症者も元受刑者も、杖無しで歩ける未来に向けて回復と更生をしてほしい。

あなたが杖になることで相手にどんな影響を与えるのか、どんな杖なら回復と更生を促せるのか、しっかり考えて支援をしていただきたいと思います。

 

 

刑務所の釈放前指導

 

今日は刑務所について書いていきます。皆さんは釈放前指導をご存知でしょうか?

刑務所と無縁の方は「何のこっちゃ?」と思われるでしょうから、まず釈放前指導について書いていきます。

その名の通り釈放前に受ける指導のことですが、前提として満期出所者は受けることが出来ず、仮釈放者のみが受けられる指導です。

湯浅はこのことを問題視しており、満期出所者にも仮釈放者と同様の指導を受けさせた方がいいと考えています。その理由は後述していきます。

 

釈放前指導で何をやるの?

 

湯浅が服役中に受けた釈放前指導を書いていきます。刑務所によって内容は違いますし、男子と女子でも大きな差があると思います。

・警察署から交通課の警官が来て、交通法規の変更について説明を受けました。また、服役中に免許が失効している場合の対処法を教えてくれました。

・女性特有の病気について説明を受け、出所後は子宮がんと乳がんの検診に行くよう勧められました。

・キャリアコンサルタントの方に履歴書の書き方を教えてもらいました。具体的には服役していた期間を履歴書にどのように記載するか、服役していたことを隠すか、正直に開示するか。隠す・開示することでどんなメリットとデメリットがあるかなどの説明を受けました。

・出所後にどのような生活を送るか?起床時間や就寝時間、1日のスケジュールを記載し、再犯しないために出来ることを各々考える時間がありました。

・満期までは選挙権が戻らない旨の説明がありました。

 


出所後の社会の変化に戸惑うことのないよう、最低限の知識を教えてくれるのが釈放前指導です。

 

 

10年以上の刑期の人は……

 

刑期が長ければ長いほど社会の仕組みは変化し、出所後に戸惑うことが多いと思います。

私は留置場含めて約3年、社会情勢を新聞と限られたTVニュースで情報を得ていましたが、たった3年でも出所後は別世界だと感じたのを良く覚えています。

刑期が長い人にとって大きな変化となる例を挙げます。

・切符からSuicaに変化
・キャッシュレス決済の大幅な普及
・ガラケーからスマホへ(デジタル化)
・自転車のヘルメット努力義務化、ながら運転・煽り運転等の厳罰化など交通法規の変化
・対面からオンラインへ(ZoomやTeams)

私が釈放前指導で一緒になった殺人の受刑者は、Suicaもスマホも聞いたことがあるだけで見たことはありません。皆さんはそんな彼女が釈放前指導を受けることなくいきなり社会に放り出されたら、どうなると思いますか?

浦島太郎、映画「ショーシャンクの空に」の最後の方に出てくるレジ打ちのおじいさん状態になるでしょう。

彼女の場合は釈放前指導で私服に着替えて最寄りの駅へ行き、切符の買い方を教わったそうです。切符がタッチパネルで買えること、Suicaをかざせば自動改札を通れることを実際に見て、出所後に備えます。

スマホの操作も簡単に教えてもらったそうです。ガラケーからスマホに変化しているわけですから、覚えるのは大変だったと思います。

 

 

釈放前指導とはこのような内容です。
皆さん何となくご理解いただけたでしょうか。

 

 

麓刑務所の釈放前指導について思うこと

 

まずこちらの記事をご覧ください。

 


簡単に説明すると、佐賀県の麓刑務所の釈放前指導で出所後の面接に向けてメイク講座を行った、という記事です。(麓刑務所は女子刑務所です)

記事のコメント欄を一通り見て、印象に残ったコメントを抜粋していきます。

 


 


 


 


上記の意見を読んで私はこのようなポストをしました。

 

化粧を教える前に貯蓄・税金について学ばせるのが先、刑務所の待遇を下げるのではなく一般社会の劣悪ぶりを何とかすべきはその通りだと思います。
 真面目にやっている自分たちが報われていないのに受刑者に施しをするなど以ての外という類のコメントを見ると、自分のことしか考えられないくらい精神的にも金銭的にも追い詰められている人が増えたと感じる。
受刑者が社会復帰しやすい環境を作るには国が今より豊かにならないと難しい。

 

そもそも釈放前指導の2週間という限られた期間で再犯しないための教育をするのは無理な話で、各々服役直後から出所に向け段階的に教えていく必要があるのだけれど、刑務所側もそれを理解していながら実現できない、苦肉の策が今回の釈前指導だと感じました。
 国民からすれば化粧の前にやることあるよねとなるのは当然なので、当事者である我々が実際の刑務所教育について発信する必要があるなとコメント欄を見て思いました。

 

たった2週間の釈放前指導では限界があるのです。

今回の記事の麓刑務所の釈放前指導はまさに苦肉の策で、職員も段階的に出所へ向けて指導をしなくてはいけないと分かっているけれど、圧倒的にマンパワーが足りない。

ならばせめて出所後、就労面接に行くときの最低限のメイクマナーを教えよう。

受刑直後から受刑者の刑期に合わせ、段階的に出所に向けた教育を始めなければならないと思っています。

なぜなら死刑と無期懲役でない限り、受刑者はいつか必ず社会復帰するからです。

※無期懲役は30年が経過しないと仮釈放の対象になりません。40歳で無期懲役になったとして最低でも70歳にならないと仮釈放の対象にならない、年齢によっては実質終身刑のようなものだと付け加えさせていただきます※
 

 

満期出所者こそ手厚い教育を!!

 

ブログ冒頭で満期出所者には釈放前指導が行われないと書きましたが、ここまでブログを読んでくださった皆さん、満期出所者ほど釈放前指導が必要だと思いませんか?

満期出所者は「今日で満期だからさようなら」といきなり社会に放り出されてしまうのです。

満期出所者がどのような人か分からない方もいらっしゃると思いますので追記しますと、刑務所に何度も服役している人、ヤクザ、身元引受人の居ない人は満期出所になる場合が多いです。

更生保護施設を帰住地に希望する人も居ますが、施設はとても混雑しており、仮釈放者が保護施設からなかなか出て行かなければ後ろが詰まります。

 

仮釈放後すぐに仕事を見つけられる人は極わずかです。

 

なかなか仕事が決まらず施設で暮らす者同士の揉め事が起こったり、内部・外部問わず薬物や犯罪の誘いもあります。

 

仕事が決まらなければ保護施設を出て行けない、生活が出来ない。だから仮釈放者が保護施設に留まってしまうのです。


このような理由から、仮釈放対象者でも更生保護施設が満杯だと満期出所になることがあります。
 

 

湯浅が受刑者へ最低限教えるべきと思う内容は次の通りです。

・生活保護の申請方法
・困ったときに頼れる場所と電話番号
・依存症の回復施設の案内(病院や自助グループ)
・健康保険、国民年金、納税の仕組み
・子どもがいる受刑者に対して子どもの教育や接し方
・高齢の受刑者には高齢福祉課の案内
・受刑者の刑期と時代の流れに沿った教育(デジタル面)


社会復帰のための基本的な教育が行われていないのが今の刑務所の現状です。

このブログを読んでくださる読者の皆さんには、刑務所の釈放前指導と教育の在り方について知っていただき、考えてほしいと思います。

皆さんが収めた税金で、私は刑務所で生活をしました。皆さんが納めた税金の行方を知ってください。興味を持ってください。

私はこれからも「元受刑者として」刑務所の教育について発信を続けます。
 

 

元受刑者BAR開催します!

 

 

今回の元受刑者BARは私の目標である宿輪龍英さんと1日店長をやります。(日にちは確定ですが時間は変更になる可能性があります)

皆さん良かったら遊びに来てください!!!

 

これまで湯浅のブログを読んでくださった方は夫に興味があるのではないでしょうか。

夫と出掛けた際に撮影した動画を一本にまとめました。

夫は自分と他者で強固な境界線を引ける人です。血のつながりも関係ありません。自分にしか興味が無いので良い意味で私のことはどうでも良いのです。
 

夫と私の関係性がこの動画で分かると思います。ぜひ観てください。