国歌国旗に関する教育 | ロサンゼルスの学習塾「優塾」の元塾頭のブログ

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カリフォルニア州において生徒数1位だった学習塾「優塾」の元塾頭による教育と子育てに関するコラム

私は、実を言うと国歌と国旗に関する礼儀作法を、アメリカ生まれである自分の息子から教わりました。


それは、2人の息子があるスポーツの子供大会に参加した時のことです。

小学生レベルの大会であるにもかかわらず、大会を始めるにあたって、アメリカ国歌「The Star-Spangled Banner」がスピーカーから聞こえてきました。

その時、10歳の長男がまだ7歳の次男に小声で
「Where you watchin?(どこ見てるんだよ?)」とささやきました。
長男が指さす方を見ると、そこにはアメリカ国旗「星条旗」が掲げられていました。
ふと見ると、会場にいた全員、大人も子供も直立の姿勢で、何人かは胸に手を当て何人かは気をつけの姿勢で、星条旗の方を向いていました。
次男は、慌てて長男と同じように右手を胸にあてて、国旗の方にまっすぐに向きました。

その時に私は、「あー、国歌が流れている時は国旗の方を向くんだ」と40歳を過ぎて初めて知ったのです。


思えばアメリカでは、小学校では毎朝、国旗係が国歌をスピーカーで流すと同時に、音楽に合わせて国旗をポールに上げていきます。
その音楽が流れだすと、子供たちはどんな遊びをしていても直立不動の姿勢を取らなければいけません。ボールを拾うことも、許されません。
私の息子たちはそうやって、アメリカの国歌国旗に対する礼儀作法を身につけたのです。

一方で日本はどうか。
私は、日本で国歌国旗に対する礼儀作法の教育を受けたことがありません。
入学式や卒業式の時、私の住んでいた地域では国歌「君が代」が流れその時は起立しましたが、国歌国旗を意識したのはその時だけです。
こちら(LA)で会った、教員組合の力が強い地域から来た友人は、入学式・卒業式でも「君が代」が流れたことがないと言っています。

はたして、自分の国の国歌国旗に対する礼儀作法を知らない人間が、他国の国歌国旗に対して礼儀をもって向き合えるのでしょうか。
自分の国の国歌国旗を敬うことができない人間が、他国の国歌国旗を敬うことができるのでしょうか。

アメリカの教育が何でも良いとは思いませんが、こと国歌国旗に対する教育だけは本当に素晴らしいと思い、普通に国歌国旗を敬うことができる状況をうらやましく思った次第です。

日本でもいつか、学校や家庭で「君が代」、「日の丸」に対する教育が、変な偏見を持たずに、普通に行われる日が来ることを願います。