東洋医学を科学する③ | 癒しと元気ブログ 東洋医学ってこんなに面白い!

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こんにちは~!

 

前回の続きです。

 

前回記事では「腸内細菌によってジェノポシドが代謝され、活性体であるジェノピンが生成される」というお話でしたね。

 

腸内環境が悪い人は、ビリルビンを下げる効果のあるジェノピンが生成されないので、茵蔯蒿湯を服用しても効果が出る人と出ない人がいると番組内でも言及されていました。

 

そこで、次のように考える方もいるのではないでしょうか?

 

「ジェノピンの化学構造式を確定して科学的に合成すれば、腸内環境が悪い人でも効果が出るのでは・・・?」

 

確かに、理論的にはその通りです。

 

でも、個人的には「そうは問屋が卸さない」的な感じがしますね~

 

何故なら、漢方薬と言うか生薬は有効成分とされる単一成分で構成されている訳ではないのです。

 

人間にとって有用とされる成分の他にも、多くの化学成分が含有されています。

 

(山梔子で言ったら、有効成分とされるジェノポシドの他にカロチノイド色素であるクロシンなど)

 

野菜や果物だってそうですよね?

 

ビタミン群だけでなく各種ミネラル、食物繊維などから構成されています。

 

(わたしが子どもの頃は食物繊維なぞ無用の長物扱いでしたあせる

 

一つの生薬だけで考えても数種類の成分があるわけで、それが10種類以上の生薬を組み合わせた処方となると膨大な数の化学成分が含まれる訳です。

 

私的には「有効成分だけでなくそれら無名な成分も関わることによって、様々な作用が出現するのでは・・・?」と推測しております。

 

実際に鎮咳去痰で有名な麻黄の有効成分であるエフェドリンが医薬品として使われていますが、エフェドリン単独で用いるより麻杏甘石湯の方が咳を止める効果は高いです。

 

これは麻黄と杏仁を併用させたことによる効果ですね~ニコニコ

 

麻黄は杏仁と合わせると鎮咳に、石膏と合わせると止汗に、桂枝と合わせると発汗に働くと古代中国の医家達は見つけていたのです。

 

これは科学的にではなく、経験的に有効な組み合わせを見つけて処方に組み込んでいったのでしょう。

 

昔の人の知恵には頭が下がります。

 

ということで、「有効成分を化学的に合成!」なんて横着をせずに地道に腸内環境を改善していく方が良さそうです。ニコニコ

 

 

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