こんにちは~!
何の面白味もないお堅い題名ですみません
エフェドリンに関する前回の記事を読んだブログ読者のうちの患者さんから、こんな質問を頂きました。
「漢方薬って、西洋薬の成分が混ざっているんですか???」
私のブログの書き方がまずかったかなぁ?笑
葛根湯、麻黄湯、小青竜湯に含有されているエフェドリンは、確かにパブロンとかカフコデとかフスコデなどの西洋の風邪薬にも入っていますが・・・
漢方薬の方が天然物、オリジナルのエフェドリンです!
西洋薬の方が漢方を真似っこして、合成したエフェドリンを配合しているのです。
ですから、ご質問の答えとしては、
「西洋薬に漢方薬の成分が配合されています」
と、なります。
これは、麻黄のエフェドリンだけでなく、他の生薬に含まれている成分も医薬品として使われていたりします。
麻黄の花!
しかし、せっかくのご質問なので、エフェドリンについてもう少し詳しくいきます。
エフェドリンは有機化学的にはアルカロイドに分類されます。
いきなりの専門用語ですが、アルカロイドは別名「植物塩基」とよばれ「天然の、窒素を含む有機塩基類であって、動物のからだに直接作用して多少とも毒性を発揮し、苦い味がする物質群」と定義されます。
この「多少とも毒性を発揮し」というところが、ミソですね。
アルカロイドは薬にもなりますが、一歩間違えると毒にもなるのです。
エフェドリンを例に上げますと、人体に有用な薬理作用は気管支拡張作用になります。
それを利用して咳止めとして風邪薬に配合している訳です。
人体にとって有害な作用としては、血圧上昇、心機能促進、血管収縮、中枢神経興奮作用なんかがあげられるでしょう。
だから、動悸がしたり興奮して不眠になったりします。
(葛根湯飲んで眠れなくなる人は、こんな理由です)
改めて考えてみると西洋医学と東洋医学の違いがこんなところにも表れていますね。
西洋医学的考えでは、「麻黄は咳を止める。麻黄の主成分であるエフェドリンを合成して風邪薬に配合すれば、効果を発揮するに違いない!」
要するに、麻黄をエフェドリンの単一成分として見ます。
東洋医学では、麻黄のエフェドリンという一成分だけを重視するのではなく麻黄全体を見ます。
ですから、麻黄を「咳止め限定」なんてもったいない使い方はしません。
桂枝と組み合わせて発汗剤に、白朮と組み合わせて利水消腫に、石膏と組み合わせて止汗にとバリエーション豊かに使います。
このテーマ、意外と面白そうだから他のアルカロイドの話もしようかな。
ということで、次回は附子に含まれるアルカロイドであるアコニチンについてお話しいたします。
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