お盆特集 真夏の夜のお話.1! | 多趣味・・・徒然

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興味があるもの、なんにでも手を出してしまうわたし。過去から現在そして未来へと、そんな奮闘記です。

  


 

 

お盆ですね


そんな時期に・・・今日から数回、わたしが今まで体験した不思議な出来事を書きたいと


思います。


これはもちろん創作等ではなく、本当にわたしが身をもって体験したお話。


なので、怪談話のようにそれ程恐ろしい話では無いかも知れません


でも、わたしの中では今に至っても理解出来ない事です。


それでは・・・



消えた女性


真夜中、ベージュのカローラは西へ


おそらく車を運転していたので二十歳過ぎの事だろう


中学時代の仲の良い友達二人と真夜中、ドライブに出かけた事があった。


たぶん夏か秋だった・・・季節についてはあまり記憶にない、それ程むかしの事。


わたしの車に一人は助手席、もう一人は後部座席に乗り込み出発


運転はわたし!


どこに行こうかあてなど無い・・・そうだ、石渕ダムの隧道に幽霊が出ると聞いた事がある


ダムで工事中に亡くなった人の亡霊が出るともっぱらの噂


目的地は決まった


秋田に抜ける国道397号線を西に車を走らせる


むかしは道路灯も無い暗い田舎道をひたすら走った・・・これからたどり着くところへの期待と


不安を一緒に乗せて。



車を走らせ数十分、目的地の隧道へはまだ数十㎞・・・丁度中間地点あたり


ヘッドライトの明かりに白いものが?


前方100m位、道路左端を白い洋服を着た若い女性が歩いているのを見つけた


こんな真夜中に何で女性一人で歩いているのか?


普通なら疑問に思うはずなのだが、当時はまだ血の気の多い若者3人


車に無理矢理乗せてどうこうしようなどと考える度胸もなし、車の窓を開けてちょっと


からかってみよう!



車はだんだんと白い服の女性に近づいてくる。


スピードを落とし窓を開けて声をかける準備、当時は開閉は手動、レギュレータハンドルに


手をかけた。


車はもうすぐ女性の真横に・・・


さぁ声をかけよう、友人二人が窓を開け通り過ぎるその瞬間


うわっ と大きな叫び声 友人が発した!


消えた、本当に車が抜く寸前の一瞬の事。


女性の姿が忽然と消えたのである


わたしは運転していたのでなるべく女性の横すれすれに、接触しないようにと注意して


斜め前方を見ていた。



助手席と後部座席の友人といえば、女性を追い抜く瞬間までしっかりと見ていた!


だから見えなくなった瞬間は、わたしの数倍は驚いたはず

 

思わず驚きの声を発したのがわかる


瞬間、慌てて急ブレーキを踏み、車を停車。


もしかしたら接触して跳ねた? いや、それ程スピードは出ていないはず、衝撃もなかった!


ならば、車を寄せたとき横をかすめて道路脇に落ちて転んだのかも?


三人同時に車を出て周りを探す・・・道路脇は立木があり隠れるようなところはない


もちろん車の下や後方も探したが、女性は見あたらない


おいどうすんだよ!いなくなったよ、消えたよ・・・



急に寒気が襲ってきた・・・幽霊!


もっと良く探さなくてもいいのかよ。


等と考える余裕もなく車に乗り込み、急いで車をUターンさせ


今来た道を猛スピードで走らせた・・・身体がガタガタ震え、なかなか止まらなかった。



あれは何だったのだろう? 友達二人に追い抜く瞬間、顔を見たかと聞いたが


見ようとした瞬間に消えた、と


その後の会話はなかった。



友達を送り、一人で車を運転し家へ帰るときの恐ろしさ・・・ルームミラーを見る勇気は


なかった。


自宅に帰ってからも家族にその時の出来事を話す事もなく、布団を被ってまんじりともせず


朝が明けるのをひたすら待った。



後日、数年前に若い女性が、この道路で交通事故に遭い亡くなったと聞いた


ただ、その場所がどの辺りだったかまでは聞けなかった。