自分のトリセツ | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

日々、仕事をしていると。

自分で考えなければいけないこと、
決断しなければいけないことに、
絶えず遭遇します。

今日、ある問題を、
部下から相談された時に。

「あれ?私はそんなこと自分で考えて自分で決めていたけどな?」

って思ったのですが、
口には出しませんでした。

そして、その問題の解決案を考えて、
自分の考えを部下に説明したところ、
あまり要領を得なかったため、
私が問題の解決方法を上司に説明にいったのですが、
上司にはまず問題が見えていなかったため、
問題を理解してもらうのに、
とても時間をかけて説明しなければなりませんでした。

その時も私は、

「毎月みている書類なのに、なぜ分からないかな」

と思ったのですが、

「分かっている人間が相手に考える暇を与えず、
一方的にまくし立てたら相手の理解がもっと遅くなる」

と考えて、
上司のペースに合わせて、
何度もゆっくりと時間をかけて説明しました。

以前の私なら、
自分で考えれば分かることを考えず、
人に丸投げで相談してきたり、
いつも見ている書類に関する業務の問題を、
相手が理解出来ずに自分の考えが伝わらなかったりしたら、
かなり苛ついた態度をとっていたのですが、
今日の私は相手のペースに合わすことを意識していたため、
とても穏やかに接することが出来ました。

それは以前、
私が自分を発達障害ではないかと疑って、
検査を担当した臨床心理士から言われた言葉が、
いつも脳裏に引っかかっていたからでした。

「ご自分を発達障害ではないかと疑って、
知能検査を受けられましたが、
下位検査と呼ばれる検査も全て、
検査結果が平均値を上回っていたため、
知能的に問題はありません。
むしろ自分の知能がかなり高いために、
言わなくても相手が理解すると考えて、
コミュニケーションが上手くとれていない可能性があります

私はこの臨床心理士の言葉に、
思い当たる節がいくつかありました。

知能が高いためなのか、
ASD(自閉症スペクトラム障害)による、
相手への共感性の無さからくるものなのかはわかりませんが、
私は自分の中で当然の帰結と感じることに対しては、
相手が理解出来ないことが理解出来なくて、
人と揉めてしまうことが時々起こっていました。

私は臨床心理士から先ほどの言葉を言われるまで、
自分が人と会話をする時に、
そのような態度を取っていることに全く気が付いておらず、
何で人と揉めてしまうのだろうと、
いつも悩んでいたのでした。

以前、職場の上司に仕事の相談をした時に、

「あなたの相談は相談に聞こえないんだ!!」

と怒られた時も、
法律改正による業務の対応の変化の相談だったため、
まず法律改正をよく理解していなかった上司は、
法律改正を理解していて当然のように話す私に対し、
苛ついたのだろうと、
臨床心理士からのこの言葉を思い出して、
腑に落ちたのでした。

小学生の頃に同級生に対して、


とお願いしてしまうほど、
皆んなと同じ行動が出来ない自分を、
人より劣っているダメな人間だと感じ、
強烈な自己否定の環境で育ってきた私は、
WAIS- IIIの検査を受けるまで、
人より劣っている自分が分かることは当然、
相手も分かるものだと思っていました。

けれど、知能検査を受けたおかげで私は、
その自分の認知が間違っていることに、
気付くことが出来ました。

自分が当然分かるだろうと思って話していることが、
相手には分かっていないこともある。

こんな当たり前のことに、
自己否定の塊だった私は、
臨床心理士から指摘されるまで、
気が付くことが出来なかったのでした。

きっと機能不全家族の中で育ち、
マルトリートメント受けていた私には、
他にも間違った認知があるのだと思います。

そんな認知の歪みを1つずつ自覚して、
自分の取扱説明書を増やしていくことで。

以前相談を持ちかけて怒られた上司と、
時間はかかったけれど、
今日は円満に意思の疎通が図れたように。

もっと社会で生きやすくなるための、
コミュニケーションスキルを得ることが、
出来るのではないかな、
と思ったのでした(〃ω〃)