ソーシャルスキルを学んだ結果 | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

今はとある理由でお休みしていますが、

私は2年ほど、
発達障害を専門にする心理士の元に通い、
 
人との円滑な人間関係の構築の仕方
 
といった、
ソーシャルスキルを学んでいました。
 
 
具体的にどんなことをしていたのか、と言えば、
 
・自分の意見を相手へ穏やかに伝える話し方
 
・相手の仕事の間違いを波風立てずに教える伝え方
 
・指示した仕事を相手が快く引き受けてくれる依頼の仕方
 
などといったことを学んでいました。
 
このソーシャルスキルを学び始めた時には、
正直、正しいことを伝えるためや、
部下に自分の仕事をしてもらうために、
どうしてこんなに気を遣わなきゃならないのか、
大変に腹立だしかったのですが、
人はASDグレーゾーンである自分ほど、
自分に割り振られた役割を、
キチンとこなそうとはしないもので、
特に女性は仕事でも、
個人の感情を交えて働く人が多いと心理士に教わり、
確かに今までの自分の経験に照らし合わせても、
そのような人が多かったため、
 
自分が働きやすくなるために必要な投資
 
だと思って、
教わったソーシャルスキルを職場で活用していました。
 
最初こそ、
色々な言葉や態度を使って、
相手の気持ちに寄り添いながら、
間違いの指摘や仕事の指示を受け入れてもらうのは、
まどろっこしい感じがして、
時間がもったいないと、
内心イライラしていましたが、
その最初に相手にかけた時間分、
相手の自分に対する態度が軟化して、
自分の言葉が受け入れられやすくなったため、
最終的には、こちらの方が、
自分も相手もよほど、
ラクに働くことが出来ることを知りました。
 
そんな風に、
あまり人とぶつからずに働けるようになったのは、
ほんの2年ほど前からのことで、
しかも私は職場で雑談など殆どしないため、
(目的のない会話は何を話して良いか分からず苦手)
職場の同僚で、
プライベートでも仲の良い人など、
奇跡的に気の合った、
よその支社で働く1人位しかいないのですが、
昨日、その1人のツテで知り合いになった方が、
もうすぐ退職されるということで開かれた、
個人的な宴会の席に誘われて、
参加させていただきました。
 
その人はとても面倒見の良い姉御肌の人のため、
多少私の言動がズレていても笑ってくれる度量の大きい人で、
私はその人と何を話して良いか分からないながらも、
その人の分け隔てなく人と接する態度を、
素敵だなぁ、って思っていました。
 
だから昨日、さんざん迷ったのだけど。
 
その方に退職祝いのささやかなプレゼントを、
お渡しさせていただきました。
何を喜んでくれるのか分からなかったけれど、
要らないものをあげて、
気を遣わせて表面だけ喜ばれても意味が無いからと、
その方がお酒が好きだという情報のみしか知らなかったため、
酒屋に行った時に見つけた、春らしくて可愛いお酒。
 
かなりな酒豪の方だと聞いていたので、
お酒の美味しさがあまり分からない私は、
喜んでいただけるか、
渡す時にかなりドキドキしていて。
 
その方が、その場で袋を開けて、
 
「わぁ、かわいい♡」
 
と言って喜んでくれた時には、
本当に嬉しくて、
私の方がよっぽど喜んでしまいました笑
 
ソーシャルスキルを学ぶ前の私なら。
 
退職される方のための個人的な宴会で、
プレゼントを渡そうなんて、
考えつかなかったかもしれません。
 
そして、もし考えついても、
自分が選んだプレゼントを、
相手に喜んでもらえなかったらショックだからと、
プレゼントを購入出来なかったかもしれないし、
購入しても渡せなかったかもしれません。
 
でも、ソーシャルスキルを学んで、
人付き合いにちょっとだけ自信ができた私は、
選んだプレゼントを渡す勇気を持つことが出来て、
こんなに嬉しい気持ちを受け取ることが出来ました。
 
この経験は、
とても個人的なものかもしれないけれど、
成長段階で自然に、
人との円滑な関わり方といった、
ソーシャルスキルを、
身につけることが出来なかった、
ASDグレーゾーンの私にとって、
ソーシャルスキルを学んだことは、
私の人生を幸せにするために、
かなり役立ってくれていると感じています。