新天地 | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

4月1日に、転勤で初めての土地に引越しました。
新しい勤務地は、かなり山の中にある、とてものどかなところです。
ここの営業所に初めて出勤した時に、あまりに事務所で働く人達がのんびりしていて、
私の仕事も今までと比べたら全然忙しくなくて、
だからみんな5時の退社時間になったら先を争うように家に帰るので、
ほんの1年前まで残業があたり前で、下手するとお風呂に入る気力さえなかった私はカルチャーショックで、

「私、ここで働いてたらダメになる!!」

と本気で叫んだほどでした。

心を無くすくらい忙しいのが当たり前だったから、
私にとっては毎日定時に帰れる営業所の方がおかしく感じられたのです。

人の慣れってコワイですね^_^;

今日は転勤して初めての週末で、朝から洗濯物を外に干しました。

洗濯物を外に干したのって、多分20年ぶりくらいです。

忙しくて疲れ果てていて、朝早く起きることが出来ないから夜に洗濯をして、
外が明るいうちに家に帰って洗濯物を取り込むことなんて出来なかったから、ずっと家の中に洗濯物を干してました。

そんな生活だったから、朝ごはんを食べる時間も取れなくて、
朝お腹が空いたら、お菓子を食べて空腹を紛らわせていました。

そんなことをしているうちに、

「私は朝はご飯が入らない、お菓子くらいで充分な人間なのだ」

なんて思い込むようになっていました。

でも、転勤してここの営業所で働きだしたら、家に帰り着くのがとっても早くなって、
だから早く寝ることが出来るようになったら朝もちゃんと早く起きられるようになって、
そうしたら朝ごはんもちゃんと美味しく食べることが出来ました。

だから、今までの生活習慣は、全て忙しかったからやっていたことだったのだ、と気づきました。

そして、更に。
2年から3年で転勤を繰り返していた私が全然寂しいと感じなかったのは、
仕事の忙しさの中で"寂しい"と感じる心の余裕さえ持っていなかったからだ、ということに気づきました。

だいたい転勤した当初は仕事が山積みで残業ばかりで、
家に帰ったら倒れこむように寝ていたから、
生きることに精一杯で、自分の感情に気づいてあげることが出来ませんでした。
(ゴールデンウィークにはその無理がたたって、熱を出して寝込むのが常でした)

でも、今の職場では。
ほぼ定時で帰れてしまうため、家で1人で過ごす時間が長くて。
山の中で静かなこともあって、なんだかとっても寂しくて、
家の側を通っていく電車を眺めては、

「あの電車に乗ったら、もといた場所に帰れるのに」

と切なくなってしまっていました。

そこにいた時には、そんなに愛着があった場所ではなかったのに。
新しい知らない場所という心細さが、昔の場所を良く見せてしまいます。

知らない場所で気が張っているからかな、
仕事自体はとってもラクになっているのに、毎日眠くて眠くてたまりません。

でも、そんな経験があるからこそ。
すでに出来上がっているコミュニティに、1人で飛び込む不安な気持ちが私には分かります。

それは、ずっと同じ場所で居心地よく暮らしていたら分からないこと。

生きている間に経験出来る感情は、全て私の宝物。

自分の感情を味わう余裕がある職場に勤務出来るこれからは。

いっぱいいっぱい、宝物を増やしていこうと思います^ ^