患者様というのは何らかの身体的異常で医療機関を訪れます。
でも、実はその時に心にも何らかの異常を来しているのです。その異常はもともとのメンタルの異常ではなく、身体的異常がもたらすメンタルの異常なのです。
ですから、身体的異常が解決しなければ、メンタルの異常も解決しません。
不妊治療も同様だと思います。不妊症という身体的異常がメンタルにも大きな影響を与えます。といっても、皆様はその部分を精神力で支えられています。
でも、その治療期間が長くなると、その精神力維持にほころびが出てきます。
そういう意味からも、不妊治療の期間は短いに越したことはありません。
また、不妊治療に携わる人間には、患者様に寄り添う心が大切だと思います。
不妊治療、できるだけ短く、できるだけ効率的に、そしてできるだけ患者様に寄り添う心で努力したいと思います。
外来での医療者の、心ない（言った本人は気付いていなくても）ほんの一言が患者様のメンタルに大きな影響を与えたり、医療者のほんの小さな行動が患者様の心を逆なでしたり、かすかにしか聞こえない医療者の会話が患者様の耳に入ってやる気をそいだり、などする可能性は十分にあると思います。
医療に携わる人間は、医療技術に優れていることは当然ですが、いつも患者様の心の琴線を大切にする必要があると感じています。
患者様のメンタルが元気でなければ、不妊治療を受けるのは大変だと思います。