医療って何なのかについて最近よく考えます。
医療とはヒトの健康の危機管理だと思います。通常の健康状態ではヒトはほとんど医療を必要としません。どこかに何か健康上の異常が起これば、医療が必要となります。不妊治療についても同じだと思います。通常は自然に妊娠が起こるのに、妊娠できないから医療が必要となります。当然の治療だと思いますが、今までは不妊症は病気として扱われなかったので保険適用ではありませんでした。
体外受精が保険になったことは、不妊症も病気として認められたということで、精神的にも経済的にも非常に良かったと思っています。
最近わたしも医療にお世話になることがあります。その時に感じるのは、医療機関の親切心の不足です。私の施設においても、そのようなことが起こっているのではないか、と心配しています。
例えば、何か処置や手術をしたときに、その後に何か起こった時の対処法を十分にお話ししているか。それも、具体的にお話ししているかが大切です。
「気を付けてお帰り下さい」では十分ではないと思います。
具体的に、「何がどうなれば、どうする」「これがこうなれば、ここに電話をする」などなど、いっぱいあると感じました。
しかし、その反面、100の場面を想定すれば到底時間が足りません。
そこで、患者様には、最後に「何か心配なことはありませんか?」と、お聞きし、具体的な質問に、具体的に答える、必要があると感じました。
医療に携わっている人間でも、他の医療機関に掛かると学ぶことがいっぱいあります。この経験を糧に、更に良い施設となるよう努力します。