体外受精保険適用の改善必要 | 不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

不妊治療クリニック院長の福田愛作のブログ

大阪府東大阪市にあるIVF大阪クリニックは不妊治療専門クリニックです。「心と身体を癒す医療」をテーマとしています。

 不妊治療の保険適用拡大が2022年より開始され、大きな成果を挙げています。これは事実だと思います。

 ところが、もうすぐ体外受精の保険適用開始から2年が経過しようとしているのですが、私が外来で感じるのですが、保険適用の回数を使い切った方が増加してきています。そもそも43歳以上の保険適用のない方は助成金もなく、今まで通り大変なのですが、若い方で制限回数を超えた方については、その心情を考えるとお気の毒に思います。

 もちろん40歳以上の方では、ただでさえ妊娠率が低いのですから3回ぐらいはすぐに終わってしまいます。本来、年齢が大きければ回数制限が多くて当然なのですから。

 

 このところの政府の政策を見ると、少子化対策として第三子の助成の強化や産休など子供対策に重点が置かれ、不妊治療に関する話題はなくなっています。先の学会で野田聖子議員のお話を拝聴した時に感じたことがあります。野田議員自身も不妊治療を卒業され出産されましたが、障害のあるお子様を出産されたため、不妊治療に対する関心から障害のある児童や児童保育に関心の対象が移ってしまっていると感じました。やはり、国会議員は自分の個人の事情を優先するのではなく(お気持ちは分かりますが)、いわゆる大所高所から見ていただきたいと思います。児童に関する問題とともに、不妊治療についてもこれまで通りご尽力していただきたいと思います。

 

 不妊治療の次の課題は、不妊治療の保険適用の年齢制限と回数制限の撤廃だと思います。

 私が当初から言っていますように、助成金の年齢制限や回数制限はある程度仕方ないと思います。ただ、保険適用の制限は、国民健康保険の原則である”国民皆保険”の精神に反すると思います。

 

 今こそ、不妊治療の保険適用の回数制限と年齢制限を撤廃していただきたいと思います。それこそが異次元の少子化対策ではないでしょうか。皆様、どのように思われますか?