おはようございます。

Kinoshitaです。

 

今回の質問にお答えしている

最後となります。ぜひ最初から見てください。

 

 

 

気になっておられる方が多いかなと思う

着床しない!

どうしたら・・・

というご質問について

今回は説明していきます。

 

着床不全の概念

確かに存在します。

 

しかし、

良い受精卵を確保することを大前提に

治療を進めていかない限りは

 

着床不全ではない方が

着床不全で悩んでいる

というケースに多く遭遇します。

 

それでは

内容に入っていきます。

 

yuiさん(31歳)

転院を考えています。県内のPGT-Aが受けられない病院と遠方の受けられる病院で迷っています。大きな判断基準になるので、私の場合PGT-Aが有効なのかどうか意見をお聞きしたいです。採卵3回(うち1回は受精0)行い、6個採卵で2個受精、4個採卵で2個受精。3AA、3BCの2つの胚盤胞、8.2分割7.2分割の2つの初期胚の計4回の移植を終え、結果全て陰性でした。刺激方法はアンタゴニスト法、高AMHで採卵前の卵胞チェックでは左右10個以上見えていても、未熟卵が多いのか空胞が多いのか分かりませんが採れる卵の数が少ないです。4回とも着床すらしなかったので染色体異常が原因ではないかと考えているのですが、私は胚盤胞がなかなか採れないのでそんな状況でもPGT-Aは出来るのでしょうか?PGT-Aは私にとっても有効な方法なのでしょうか?2段階移植や2個戻しも検討していますが、残りの保険適用回数も少ないので、どの選択が適切なのか分からず悩んでいます。

 

質問④

4回移植してすべて陰性だったそうですが、2段階移植や2個戻しで着床率が上がる可能性はありますか?

 

着床不全についてのご質問かと思います。

ご存知かもしれませんが、

しっかりと定義から順番に

着床の理解を進めることが

大事だと思います。

 

40歳未満の方は

良好な胚を4回以上移植した場合、

80%以上の方が

妊娠されるといわれています。

 

良好な胚を4個以上

かつ

3回以上移植しても妊娠しない場合を

『反復着床不全』

RIF(Repeated Implantation Failure)

としている。

 

原因として
1番に受精卵側
・2番に子宮側
・3番に免疫
と順に当院では

検討を進めていきます。

 

今回のケースで考えるのであれば、

1番の受精卵側として、

胚盤胞移植ではまだ

3AAが1個・3BCが1個なので

良好胚盤胞としてはまだ1個

+2つの初期胚

しか移植できていない状況

となります。

 

特に31歳、

高AMHで卵子回収、

胚盤胞培養への個数が確保

できている状況であれば、

まずは良好胚を確保するための

採卵内容を重視

されてはいかがでしょうか。

→以前までの①〜③ご覧ください

 

日本産科婦人科学会

PGT-Aパイロットスタディーで

反復ART不成功に対しての

PGTAの結果があります。


39人208個の受精卵で

PGT-Aの検査を実施したところ、

全年齢で移植あたりの妊娠率は70.8%、

流産率11.1%となりました。

 

対象群は50人、

移植あたりの妊娠率は36.6%で

有意差が出ています。

 

相談者さんの

年齢区分でのデータはありませんが、

35-36歳の移植あたりの妊娠率では

71.4%となります。

 

また、

このパイロットスタディー全体の、

35-36歳

PGT-A正倍数性(A)であった割合

(PGT-Aに提出した胚盤胞のうちAで返ってきたもの)

39.5%でした。

 

私がこの結果で思うことは、

ART反復不成功例でも

PGT-Aの移植あたりの妊娠率は高いな!

 

だけでなく、

着床不全で悩んでいる時期だからこそ、

まずは

良好な胚盤胞を確保することが

何よりも大切で、

 

やはり

そこにこだわる意味がある

ということです。

 

PGT-Aを

選択しない場合、

できない場合、

本当に受精卵以外に着床を阻害する何かが

存在していそうな場合などは

ご質問にある通り

2個移植はもちろんのこと

移植方法や検査として

排卵周期での移植

移植当日のP4により黄体補充変更

二段階胚移植

内膜検査

抗生剤治療

着床に関する検査

免疫検査

ネオセルフ抗体検査

付加的な検査・治療(add-on)

という選択肢は

今後出てくると思います。

 

もちろん

当院でも実施しています。

 

また、治療が長くなってきた場合、

内膜ポリープ、

筋腫、

子宮奇形や腺筋症、

卵管に異常所見がないかを

再度確認

しておくことは非常に大切です。

 

採卵からの流れで、

確認が抜けていたり、

以前より所見が増悪していたりする

ことがあるかもしれません。

 

移植前に再度確認しておくと

安心だと思います。

 

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