こんにちはKinoshitaです。
前回の動画見ていただけましたか?
今回はこのかたの治療の流れを見ていきましょう。
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32歳AMH2.8
前医採卵6回、移植4回
採卵で毎回20個近くは取れるが、
良好胚盤胞は確保できず
全てがB2、C胚であった
移植は全て陰性となり
当院受診されました。
胚盤胞になりづらいというだけでなく
どういった分裂で
どの時点で分裂が終了してしまうかの話し合い
男性因子が無いかの確認をしていきました
→前医では受精卵の説明はあまりなかったので、
当院で一から分裂を見て教えてほしいですと希望あり
当院としては初めての採卵なので、
まずタイムラプスを使い
保険採卵で受精卵の確認となった。
当院採卵1(保険)
クロミフェン+FSH225U
dual trigger(アゴニスト+HCG)
採卵数:30個(成熟卵26個)
受精方法:PICSI
正常受精:12個
培養:12個培養し胚盤胞0
タイムラプス:第一分割からの異常もあるが、
3日目のほぼ全ての受精卵で
フラグメンテーションが多く(G4-5)
桑実胚にはなるが細胞数はかなり少なく
胚盤胞にまで至らず。
→フラグメンテーションについてはこちらへ
ご夫婦と相談し、
#胚盤胞形成難(前医から継続する)
#フラグメンテーション対応として
透明帯除去法(ZF)を施行することとなった
当院採卵2(自費)
CC+FSH+HMG
今後の治療方針にも関わるため
透明帯除去法をしない受精卵
と
透明帯除去法を実施する受精卵
に分け
このご夫婦の受精卵にZFの効果があるかを
評価することとした。
採卵数:31個(成熟卵29個)
dual trigger(アゴニスト+HCG)
受精方法:PICSI
正常受精:27個
・透明帯除去法をしない受精卵の培養結果
16個培養
D6-4CC、B2のみ
→3日目初期胚
フラグメンテーションかなり多い(G4-5多数)
・透明帯除去法を実施する受精卵
11個培養
D5-4AA,3BB,3BB,3CB
D6-4CB
ZFを実施した受精卵では
明らかに
3日目のフラグメンテーションが改善し、
AA胚確保に至った。
当院移植1
ホルモン補充周期
胚盤胞2個移植希望
(ZF実施:D5-4AA、ZF実施:D6-4CB)
移植後1週間HCG37.5
妊娠判定:陽性(HCG785)
単胎妊娠
妊娠後、発育問題なく
妊娠10週を超え当院卒業となり産科へ。
Kinoshitaより)
ご夫婦によっては
胚盤胞ならない/なりづらくて治療が進まない
もしくは初期胚、C胚、B2胚のみでしか移植ができていない方も
いらっしゃるのでは無いでしょうか。
何歳での卵子なのか
採卵時の成熟率はどれくらいか
男性因子はチェックできているのか
受精卵の分裂の状況(異常分裂の有無、分裂時間)
フラグメンテーション評価
などなど
ただ単に胚盤胞にならないだけではなく
あらゆる夫婦の情報・受精卵の情報を得た上で
なぜ胚盤胞にならないのか!?
考えていくことを私は大切にしています。
確かにご夫婦によっては
どうやっても胚盤胞まで辿りづかない
染色体、遺伝子、DNAに変異・損傷を持つ
難しい卵子・精子・受精卵はありますが、
卵巣刺激の変更
採卵決定日を延長
排卵誘発の変更
排卵誘発の時間変更
受精方法の変更
採卵後の受精時間の変更
精子の評価を厳しく、精子選びの変更
などなどまだまだあります。
また、今回のようにZFを検討したり
多くの選択肢を持つことで
受精卵の発育が変わる場合もかなりあります。
→ZFなどの新しい取り組みで、
胚盤胞への道がひらかれる瞬間は
本当にやりがいを感じます!
こういったところに
私たちの様な
不妊治療専門クリニックの価値があるのではないかと信じて
日々仕事をしています。
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