こんにちは。Kinoshitaです。
原因がわからないまま、不妊治療を頑張ることは先が見えず、
不安ばかり、ふくらむのではないでしょうか。
ぜひぜひ自分達夫婦にあう治療の選択肢について、しっかりと一緒に考えてみましょう。
今回は連続した連載なのでぜひ1からご覧ください。
Fertil Steril.2020 Dec;114(6):1141-1148
Dr. Aine McNally とDr. Willam Ledgerの考え
昔の体外受精の成功率は1桁であった。
しかし、世界中で毎年の様に成功率が上昇している。
体外受精での妊娠率は改善しているが、人工授精では比較的変化がない。
人工授精の妊娠率としては10%~程度となる
Chamberらの2010年の研究では原因不明不妊患者の
初回の人工授精 妊娠率15%
2回目の人工授精 妊娠率7%
まで低下している
また、
体外受精の成功率の上昇は妊娠までの期間の短縮につながっている
女性の年齢が高くなるにつれて異数性の胚の割合は増加し、治療の成功率は確実に低下する。
現在、不妊治療を行なっている高齢の患者は、合併症のリスクがより高いため、
妊娠不成功に終わった治療周期に費やす時間はカップルが子供を有する可能性にかなり有害な影響を及ぼす可能性がある。
双子などの多胎妊娠では産科、子供達へのリスクが高い
体外受精では受精卵を1つ移植することで多胎妊娠は著しく低下している
2017年オーストラリア、ニュージーランドでは
体外受精:単一胚移植(89%) 全多胎妊娠率3.7%
人工授精:多胎妊娠率10%程度
あるとされている
→卵巣刺激のある人工授精では体外受精ほど多胎率を下げることは困難である
体外受精を選択するメリット
→作りたい家族形成のチャンスが広がることである
→人工授精では1回の治療で1回の正常妊娠しか成り立たない
→体外受精では1回の治療で数回の健康的な間隔で妊娠を達成する可能性が広がる
(kinoshita解説:1回の採卵で一人目、二人目、三人目と家族への希望を叶えられるチャンスがあるということ)
体外受精は間違いなく身体的にも精神的にも消耗するが、
治療方針の改変により治療での合併症は減少し、患者も受け入れやすい治療となってきている。
最後に
原因不明不妊は診断がつかない、妊娠できない理由を探すのに多くのフラストレーションを引き起こす
体外受精、顕微授精では
・卵子、精子の質
・受精について
・胚発生に関する問題について
問題点を説明できる可能性がある。
これは人工授精では不可能である。
体外受精から得られた情報は、カップルが診断を受けるため、場合によっては無益な治療を中止する上で最も重要であると考える。
(Kinoshitaより)
色々な患者さんご夫婦のお話を聞くと、体外受精していたが内容は全然わかりません。
と言われる方も少なくありません。
ここのまとめにも書いてありますが、
体外受精をしてその結果を一緒に確認して、一緒に不妊症となる壁を理解していくことができる!
これが体外受精のメリットのひとつなんです。
私たち医療者もなるべくわかりやすくご夫婦に体外受精の内容を説明することが大事!
そして
ご夫婦にもそれを理解しようとするお気持ちと、時間をいただきたいと思います。
私が日々思うのは
体外受精から最大のメリットを受けるには
医療者側の努力とご夫婦の努力が合わさることで最大のメリットになるのだと感じています。
現在まだ原因不明不妊症とされる不安な壁と
ご夫婦と一緒に乗り越えていきたいなと私は思います。
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