こんにちは。 
胚培養士のWです。

これまでにも、国内外の学会で発表してきた、非侵襲的なPGT (niPGT)という新たな技術について、ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)という、これ以上ない舞台での発表機会を頂くことができました。

niPGTは、受精卵を培養した後の培養液中に含まれるDNAを解析対象として技術であり、受精卵から物理的に採取した細胞を使用する従来のPGT-Aと比較して、胚に与えるダメージが少なく、近年注目されている技術です。
当院では2021 年より、niPGTの予備検討を開始し、現在までに100個を超える受精卵の培養液の解析を実施してきました。niPGTの解析結果については、比較対象となる胚盤胞期胚と一致しているかどうかという観点でその解析精度について、様々な報告を行ってきました。
凍結胚盤胞融解後培養液の使用によるniPGT解析精度の向上【2024年日本卵子学会】
非侵襲的な胚評価法~ niPGTA vs タイムラプス~【2023年日本受精着床学会】
胚培養後の培養液による非侵襲的なPGT【2023年日本受精着床学会】
受精卵を傷つけないで異常胚を識別できるのか!?【臨床エンブリオロジスト学会】
胚培養後の培養液による非侵襲的なPGT【第67回日本生殖医学会学術講演会・総会】
胚培養後の培養液による非侵襲的なPGT【2022年日本受精着床学会】
胚培養後の培養液による非侵襲的なPGT【2022年日本卵子学会】



 
今回のESHREでは、niPGTを実施した受精卵のタイムラプス動画を確認することで、解析精度に影響を与える受精卵の形態的な特徴について探索し、発表を行いました。
結果として、図2に示すような、胚盤胞期まで分割胚のような細胞(割球)が残っている胚で、解析精度が低くなることが分かりました。

図1. 割球が残っている胚盤胞期胚


今回得られた結果は、niPGTの臨床応用を想定する上で、解析の信頼性が高い胚や低い胚を知る一助となりうること、また、胚盤胞期まで割球が残っている状況が今後の解析精度向上の課題として明確になった点で有用であると考えています。
今後はこのような受精卵でも解析精度を向上させることが出来るように、さらに研究を進めていきます‼

 


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