こんにちは。
胚培養士のWです。
7/27、28に開催された第41回日本受精着床学会学術集会が開催されました。
私は今回、「非侵襲的な胚評価法~ niPGTA vs タイムラプス~」と題された、ディベートセッションという、4人の演者が一人ずつ登壇、口演した後に、4人全員が改めて登壇し、グループディスカッションを行うという形態で実施されたセッションで発表を行いました。
私は、昨年のアメリカ生殖医学会(ASRM)、や、今年の卵子学会でも発表を行った、「胚を培養した後の培養液を解析対象とした、非侵襲的なPGT (niPGT)(図1.)」という新たな技術について、新手法による続報と、AIを使用したタイムラプス胚画像解析について、既に当院から報告し、論文掲載されている前核数自動検出技術や、現在取り組んでいる、1枚の胚画像から妊娠予測ができる「Life Whisperer Viability 」というwebアプリについて報告してきました。
図1. 従来のPGT-AとniPGT
「niPGTA vs タイムラプス」と題されたこのディベートセッションは、本来はその名の通り、niPGA派の演者と、タイムラプス派の演者に分かれて、議論を戦わせるというイメージですが、この二つの技術は共存可能なものであるということもあり、議論を戦わせるというような関係性ではなく、それぞれのメリットや、現状の課題などを深掘りしていくような形でセッションは終了しました。
口演時にあまり実感はなかったのですが、このセッションは多くの方が会場に詰め掛けていたようで、生殖医療の分野におけるniPGTやAIに対する注目度の高さがうかがい知れる状況となりました。
niPGTの検討において、これまでは先行論文に則り、前核期の受精卵から培養を開始し、培養4日目から40時間以上受精卵を個別で培養した後の培養液を採取していました。しかし、今回の発表に際しては、凍結胚盤胞を融解後、24時間個別で培養した培養液を採取するという手法の導入により、大幅に解析精度を向上させることができ、臨床応用の可能性が見えてきました。
niPGTの臨床応用を目指し、今後も検討を重ねて参ります!!
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