こんにちは!
培養研究部のWです。

この記事では、今年のASRMのトピックについて紹介させて頂きます。
まずは、なんといっても、AIです。

去年のASRMでは、AIについての演題は片手で足りるほどしか発表されていませんでした。

しかし、今年は演題数が20程にまで増え、一気にメイントピックへと上り詰めた感があります。
先の記事(アメリカ生殖医学会(ASRM)/アメリカ・フィラデルフィア②アメリカ生殖医学会(ASRM)/アメリカ・フィラデルフィア③)でも報告しましたように、当院からもAIに関する2つの演題を今回のASRMに送り込み、そのうちの一つのビデオセッションにおいては賞を授かることができました。
 
このことからも、その注目度の高さが窺い知れます。

AIは生殖医療の分野においても、今最も話題性の高い研究テーマであるといっても過言ではありません。

また、ここ数年、海外の学会では当たり前のように報告され続けているのが、以前ESHREについての記事(欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)/オーストリア・ウィーン ⑩)でも触れているPGT(着床前遺伝子診断)です。

我が国では、ようやくこのPGTが解禁間近か…という状況までたどりつきましたが、欧米では今やPGTの実施は当たり前、朝飯前といったような状況です。
目新しさという点ではAIに譲りますが、それでもなお、このPGTのセッションには多くの聴衆が集まることから、注目度は依然として高いです。

また、日本の学会ではあまり見られないトピックとしては、性的不適合や、LGBT についての演題があげられます。
性的不適合についての演題は、ビデオセッションで受賞しており、LGBTのカップルに対する卵子提供や代理母についての演題がポスター発表では複数報告されていました。

PGTについてもそうですが、性的不適合や、LGBT についての報告などは、我が国では海外に対して大きく後れを取っている分野であると言えます。
 
ASRMに参加して思うことは、やはり海外の学会では、新しい情報や、技術、機材にいち早く触れることができ、多くの有益な情報を持ち帰ることができるということです。
持ち帰った情報を日々の業務に還元し、これからも患者様の治療に貢献していきます。

今後ともよろしくお願い致します!!