オスプレイの訓練飛行や沖縄への配備について連日報道がなされています。
あれだけ尖閣の危機を報じながら、一方でオスプレイの安全保障上期待される効果については一向に報道しない偏向ぶりには閉口します。
これは、原発問題や震災瓦礫の問題とも同じ。
個別案件として扱う問題ではありません。
私見としては、従来機より騒音も少なく、安全性能もむしろ高いくらいだと思っていますが、しかし、危険性はゼロではない。
それでも、様々な効果と照らし合わせ判断すべき問題だし、そもそもなぜ、日本にオスプレイ受け入れを拒否する権限がないのか、このことを根本的に考えずして、ただ「危ないから」という理由で大騒ぎしても仕方のないことだと思っています。
「地元の声届かず」・・・などと盛んに報道されましたが、日本の、いやアジア全体の安全保障に関わる問題を地元の声だけで決めて良いものでしょうか。
そもそも、「地元住民の声」が最優先されるのであれば、昨年9月に原発推進派の町長が3選を果たした上関に今すぐ原発を建設しなくてはなりますまい。
しかし、そういう訳にはいきません。
安全性と電源構成全体と経済への影響と代替エネルギーなどを考慮に入れながら、危険性とある程度付き合っていく必要があります。
最も落胆したのは、「県民の懸念が払拭されない中で開始されたことは本当に遺憾」という山本県知事の発言です。
これが知事の言葉でしょうか。
こんなことなら誰でも言えます。
「県民の懸念が払拭」されたとどの時点で判断するのでしょう。
オスプレイに限らず、従来機のＣＨ－４６だって危険性はある。
当然、懸念は潜在的にあるし、それは、米軍基地そのものだって同じことです。
（老朽化が進んでいくＣＨ－４６の方が危険かもしれないし）
いつも、自動車に喩えて申し訳ありませんが、年間数千人も事故死者を出す自動車の方が実績としては、よっぽど危険であるし、なにしろ私を含めてそこいらをアマチュアが平気で運転しているのです。
交通事故に対する懸念はずっとある。
ならば、先ず県は公用車を即座に廃止すべきではないか。
県の職員は絶対に事故を起こさないと誰が保障できるのでしょう。
しかし、現実的にそういう訳にはいかない。
利便性や、経済への影響等と安全性とを折り合いをつけながら現実的に判断していくしかないのです。
その現実感もなく、ただただ「遺憾」などと事なかれ主義的な発言を聞かされると、県民の一人として、それこそ「懸念」します。
県知事とは、140万人の県民の命を預かる存在なのですから。
例えば、自衛隊法第81条には、
「都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県の都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し、部隊等の出動を要請することができる。」
と、規定されています。
「治安出動」と呼ばれるものです。
また、第83条にも、
「都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができる。」
と定められています。
これは、災害派遣要請です。
有事の際、県知事の判断如何で、県民の命が左右されるのです。
民主党が、「脱官僚」で大失敗を犯しました。
これは、官僚のすべき仕事を政治家がやろうとして、失敗したのです。
「脱官僚」とはそういうことではない。
私たち晋作プロジェクトも「脱官僚主義（支配）」を掲げて県知事選を戦いましたが、これは、官僚の仕事を政治家がやろうという意味ではありません。
前例踏襲主義や、事なかれ主義、無責任体制を打破しようというものです。
政治家に必要なのは、覚悟と決断と責任です。
これが出来ない政治が横行したことが、政治が信頼を失った大きな理由の一つではないでしょうか。
これを変えていけるのは、やはり、有権者の選択しかない。
有権者が事なかれ主義で選挙に臨めば、事なかれ主義の政治家が生まれて当然でしょう。
多くの国民が維新の会に期待を寄せるのは、橋下氏が事なかれ主義とは対極にいるからではないでしょうか。
橋下氏の決断力は改めて言及するまでもないでしょう。
あとは、氏に本当の覚悟があるか、責任をどう取るか・・・ここが、3年前の民主党フィーバーと一線を画すかどうかの大きな分かれ目だと思います。
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