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一昨日、一日遅れで行われた野田総理の会見では、
「ホノルルAPEC首脳会合において、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入ることといたしました。」
との発表がありました。
「交渉参加に向けて関係国との協議に入る」という表現がイマイチ分かりづらかったのですが、今日までの動きもみると「参加表明」ということで良いようです。
総理は、「さらなる情報収集に努め、十分な国民的な議論を経たうえで、あくまで国益の視点に立ってTPPについての結論を得ていくこととしたい」とも仰っているので、国民の多くが反対すれば離脱もあり得ると受け取って良いということでしょうか。
どうも、私には順序が逆に感じます。
本来、国民的議論を経た後に参加表明するべきではないでしょうか。
私宛てに、TPP反対派の方々から、応援を含めた様々なメッセージが寄せられていますが、「推進すべき」と考えている方からもご意見をいただいていますし、実際にお会いしての会話した人の中では、「慎重派」「推進派」の数が拮抗しています。
しかし、推進派の方の主張には納得できないというか、よく分からないものが多いように感じています。
一番多く聞くのが、「じゃあ、輸出産業はどうなっても良いのか」という意見。
併せて、農業については、「日本の農業は負けない。安い農作物が入ってきても質が違うのだから、少々国内産の物が高くても売れる。むしろ海外にどんどん売り出せる。」と。
この二つをセットにして主張される方が多い。
しかし、私は非常に矛盾しているように感じるのです。
農業が「値段が高くても負けない」と言い切るのに、工業製品は「値段が高ければ売れない」と言っていることになります。
農業についての主張のように「日本製品は高くても負けない」という考えには、なぜ至らないのでしょうか。
農業に対する考え方と同じように、自動車なども「高くても売れる製品」で勝負すれば良いって考えはないのでしょうか。
TPPに参加したところで、「安ければ売れる」って考え方がいつまでも続くとは到底思えません。
「より安く」という勝負を続ける以上、国内の労働者を苦しめ、消費を縮小させ・・・となり、デフレスパイラルからは抜け出せない。
「国益」からは益々遠ざかっていく。
そもそも、TPPに参加したからと言って、工業製品が海外で売れやすくなるのかどうか疑問です。
野田総理は、「TPP参加後は、日韓EPA再開、日中間FTA交渉開始」と言っていますが、通貨安の国とばかり。
ついでにユーロだって安い。
どこを見たって通貨安であれば、もはや輸出産業を伸ばして景気を回復することなんて出来ないのではないかと思えます。
少なくとも、TPPだ、FTAだと騒ぐより、円高をどうにかすることに全力を尽くすことが先なのではないでしょうか。
世のため人のため~ “メガホン侍” 伊藤央です!
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