平成26年4月1日以後に開始する事業年度から、消費の拡大による
経済の活性化を図るために、「得意先等との接待飲食費」のうち、
支出金額の50%相当額までを損金算入することが認められるようになりました。
平成27年3月決算より、中小法人は、接待飲食費の50%相当額の損金算入と、交際費等の定額控除限度額までの損金算入のどちらかを選択することになります。
そこで、今回は交際費について書いていきます。
(次回とあわせ、2回の予定です。)
まず、交際費課税の概要をまとめてみます。
1.交際費等とは
交際費等とは、法人が、得意先・仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答などのために支出する費用をいいます。
ただし、次に掲げる費用は交際費等から除かれます。
(1) 従業員の慰安のために行われる通常要する費用
(2) 飲食その他これに類する行為のために要する費用
(接待飲食費)のうち、支出金額を飲食等の参加人数で
割った金額が5,000円以下である費用
要件は、下記に掲げる事項を記載した書類の保存です。
イ 飲食等の年月日
ロ 飲食等の参加者等の氏名又は名称及びその関係
ハ 飲食等の参加者の数
ニ 飲食費用の金額・飲食店等の名称と所在地
<判定例> 支出金額20,000円(参加人数5人)の場合
20,000円÷5人=4,000円≦5000円
∴交際費に該当しない。
5,000円を超えた場合は、接待飲食費となる。
(3) その他の費用
イ カレンダー、手帳等の物品を贈与するために
通常要する費用
ロ 会議に関連して通常要する費用
(注) 上記(2)の費用の5,000円判定や
下記の交際費等の額の計算は、
税抜経理方式の場合は、税抜で判定
税込経理方式の場合は、税込で判定 となります。
2.損金不算入額の計算
交際費等の額は、原則として、その全額が損金不算入とされて
います。わかりやすく言うと、税金計算上の費用としては認められ
ないということです。しかし、現在は資本金等の額によって、損金
不算入の金額が異なります。
(1) 期末の資本金等の額が1億円超である法人
イ 平成26年3月31日以前に開始する事業年度
支出交際費等の額の全額
ロ 平成26年4月1日以後に開始する事業年度
前記1の交際費等のうち、「接待飲食費」の50%に
相当する金額を超える部分の金額
↓
[ 接待飲食費の額の半分までは、損金になる。]
(2) 期末の資本金等の額が1億円以下である法人
イ 平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に
開始する事業年度
前記1の交際費等の額のうち、800万円( 定額控除限度額 )を
超える部分の金額
↓
[ 交際費等の額の合計額が800万円以下であれば、
全額が損金になる。]
ロ 平成26年4月1日以後に開始する事業年度
損金不算入額は、次のいずれかの金額
1 前記1の交際費等のうち、飲食その他これに類する行為の
ために要する費用( 接待飲食費 )の50%に相当する金額
を超える部分の金額
2 定額控除限度額(800万円)を超える部分の金額
↓
[ 1と2の有利な方を選択できる。]
次回は、上記の平成26年4月1日以後に開始する事業年度
における注意点を中心に見ていきます。
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