昔のエントリを見返していて「エンジニアがデザインという言葉を口にすると冷ややかな目で見られるよね
」というのを見つけ、昔はよくそう思ってたと思う反面、周りのその考えというのはここ最近では大きく変わった印象も持ちました。
今では死後のようになってしまったWeb2.0という言葉が流行りだして以降、その意識というものも大きく変わったのかなと思います。
あふれたテンプレートとウェブサービス
先のエントリに書いたように、数年前はプログラマがデザインという言葉を口にしてもあまり相手にされない印象がありました。
それは、デザイン自体の重要性がそれほどわかっていないという人が多かったですし、優れたウェブデザインのサイトが一般化してなかったというのもあるかもしれません。
しかし、Web2.0という言葉の流行以降は、Appleを初めとして優れたデザイン性を持つ製品が数多く登場しましたし、気軽にデザインを楽しめるウェブサービスさえも世の中に多く誕生しています。
余談になりますが、Web2.0という言葉が流行ったときにやたらと2.0系デザインというものが登場したのを記憶しています。
Web2.0風バッチ(アイコンを水面に移したように反射したものや、やたらと光沢があるデザインのもの)が流行ったりもしましたし、テーブルを角丸で表現するためのCSSが注目を集めてたりもしました。
その辺が、Web2.0とデザインという言葉が結びついた象徴的な出来事だったような気がします。
それにより、パターンが決まったテンプレート化したようなデザインのウェブサイトが増えましたし、実際そういったテンプレートは広く流通していて、しかもフリーでダウンロードできたりもします。
最近は、ウェブサービス自体が高度化してきていて、ブラウザ一つで画像処理ができるようになったり、そういったことを自分自身でわざわざ作業しなくともInstagram
のような、写真をアップロードしさえすれば、後は予め決まったデザインを簡単に当てはめて加工するというサービスもあったりします。
それが良いか悪いかの議論はおいておきますが、デザイナーを生業としていなくとも最低水準のデザイン性というのは気軽に実装できるようにはなっているのではないでしょうか。
少なくとも優れたデザイン性を持つウェブサイトというものがあふれ、それによりユーザー自身の目も肥えてきているわけです。
いまや、白と黒のモノクロ画面や原色を派池に当てはめたり、フラッシュさせたり文字を動かすだけでユーザーの気を引こうとするデザインを取り入れたウェブサイトは、いくら高度な機能を提供しようともユーザーの心を利用する前から萎えさせる事となってしまいます。
プログラマの対抗手段としてのデザイン
先に書いたように、優れたデザイン性を持つウェブサービスは数多くあります。
そして、それらに呼応するかのようにユーザーからの機能要件には、そのデザイン性も含まれるようになってきたりもしています。
いや、どんなデザインでというのはイメージであって具体性は持っていないかもしれません。
しかし、機能的な側面から見ても「Facebookのように!」や「Twitterのように!」と言われれば、そのデザイン性も暗に要件に含まれていたりもします。
それで、単なるショートメッセージを交換できるコミュニケーションツールを作ったところで、見た目からして「がっかりだよ!」ってなったり。
一昔前ではプログラマ自身が適当に作り上げたデザインでウェブシステムをくみ上げたりもしていました。
操作性は最悪だったかもしれませんが、優れたユーザーインターフェースが何なのかというものが一般化していなかったため、わからない人たちは「ウェブシステムってそういうもの」と我慢して使っていた気がします。
しかし、今では事例となるウェブサービスがあふれ一般化してきており、ユーザー自身も利用者の1人だったりしています。
また、巷にあふれる高機能でしかも無料なウェブサービスは、エンジニア自身の脅威となっていたりもします。
そういったユーザーやサービスへの対抗手段としてのデザインという考えも持つ必要があるのかもしれません。
今ではテンプレート化したデザインがあふれ、それを簡単に実装できるようにもなっています。
少なくともそれは綺麗なデザインというだけであって、操作性や差別化を図るためのものではなかったりもしますが。
ライバル会社と差別化を図るようなデザイン性というのは、やはりデザイナーという専門職が頼られますけど、そうではない場合、特に私のように社内システムを専門としていてそっちのセンスがまるで無いエンジニアにとっては、助かっていたりもしているわけで。
デザイナーの重要性や需要というのは高まっているかと思いますが、プログラマ自身もその言葉を口にしても「そうだよね。そこちゃんと考えないとね」と、あまり批判されないようにもなってきたのではないかなと感じます。
プログラマが自身のセンスの無さや技能を持っていなかったりすることを嘆き、そこから目をそむけるのではなく、今ではむしろそのデザイン性も含めてウリに出来るようになっているのではないでしょうか。
プログラマ自身も使いにくくて使われないシステムよりは、使いやすくて使われるシステムを作る事の方を望んでいるわけですし、目の肥えたユーザーへの対抗手段としてのデザインという視点はより重要性を増しているんかも知れません。