ネットワークとプライバシーのジレンマ @ TechCrunch Japan
これを読んで思ったことは2つあって、確かに私たちは色々なWebサービスを使う上で、そこである程度意識的にプライバシーを犠牲にしているなということと、無意識のうちに犠牲になっているプライバシーがあるなということ。
犠牲にするプライバシー
私もこのブログでは、生年月日や住んでいる地域、職業などは公開していますし、自分の体験をエントリにしたこともあります。
これは、そこで築くことができる価値とのトレードオフの関係にありますので、意識的に行われることもあります。
私も、このブログを通して色々な人とコミュニケーションをとったり、このブログを育てることで自分自身の価値を高めたいという思いもあったりしています。
ですので、そのためにはある程度仕方がないことだと意識して犠牲にしているところもあります。
ただ、その線をきちんと自分の中で引いて守っておかないと、それ以上の損失をこうむることになりかねないな、ということはよく思います。
昔のことですが、小遣い稼ぎのために色々なポイントサイトに登録していて、その中では別のポイントサイトへ会員登録することでポイントが付与されることが多いのですが、そこで必ず入力しなければならないのが住所や名前、メールアドレスなどがありました。
確かに、そういうことをすることでポイントがたまり、自分の小遣いにつながるんですが、よくよく考えると数百円(場合によっては数十円)程度のお金で住所や名前をよくわからない企業に提供しているのは、かなり怖いことだなと思い、個人情報を提供してまで得るものではないと思ったことがあります。
あと、もう1つ問題がWebサービスを提供する側にもあって、それを使うことでの危険性を周知することをほとんどやらないということ。
少し前に問題になったGoogleマップの問題なんかも、利便性を前面に出して、そこで収集された情報が多くの人の目に留まる危険性というものは、ほとんど知らされていませんでした。(問題が大きくなってから急に言い出しましたしね)
こういうのは、マイナスイメージになりますし、ネット全般の危険性だから特にうちに限ったことではないという意識があるようにも思えます。
私たち利用者側は、そういった犠牲の代わりに得られるものの価値というものがどれくらいかを、よくわかる単位で置き換えて考えてみるということは必要かと思います。
その価値がないのであれば、止めておいたほうが賢明でしょう。
犠牲になるプライバシー
もう1つは、そのプライバシーを守る術というものを体系的に学べる場というものは、ほとんど用意されていないということです。
私は、大学で情報科学を専攻したものの、そこで教わることは情報技術の基礎やプログラミングなどの演習で、インターネットのリスクなどは学んだ記憶はありません。
まぁ、当時はインターネットの黎明期でしたから、コンピュータウイルスなどの危険性はよく知られていたものの、プライバシーの問題などの危険性があるということは、誰もあまり意識していなかったように思えます。
ただ、これだけインターネットが普及した今でも、それほどその分野での教育というのは進んでいるように思えません。
企業の情報流出や、ネットの書き込みが問題になったりということがこれだけ繰り返されても後を絶たないのは、そういったものがなされていない、またはなされていたとしても一部であって、広く浸透していない証拠となっているのではないでしょうか。
そして、根本的にITのどんな使い方に問題があり、それがどんな危険につながりえるのかというのを教えずに、企業内ではPCの利用制限や、学校では携帯の持ち込み禁止などの規制に走る方針ばかり行っている気もします。
車の運転免許を取得する際には、それを運転することで事故が起こり、自分だけでなく見ず知らずの人も傷つけてしまう危険性があることを教わります。
ですが、ネットを使うのも同様に危険性はあるもののそれは習わずに、高度化するIT技術に対応しなくてはならなくなっています。
エンジニアという職業であったとしても、例えばSSLという技術で通信が暗号化され、個人情報を取り扱う案件においては、そういった技術が一つのリスクヘッジになることは教わっても、自分自身がインターネットとの付き合い方において、どのように身を守っていけばよいのかを教わることはほとんどありません。
そういった教育が中学や高校などの教育現場であったり、社会人を受け入れた後の研修等々で必要である一方で、私たち自身ももう少しそこで起こっている事件に対して関心ごとを持つべきだとも思います。
こういったことは交通事故のニュースと同じで、聞いてもどこの誰かが起こしたこととして多くの人は関心を持ちません。
インターネットは、車を運転するように免許を持たずとも扱えますが、そこで起こることの危険性は交通事故にあうよりもはるかに高く、そしてもっと怖いことに被害にあったことに気づかない場合もあります。
少なくとも「君子危うきに近寄らず」という言葉を誰しもが心にとどめおく必要があると感じます。
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